トラブル&注意

マンションがなかなか売れない原因10選と9つの対策【徹底解説】

売れないマンションの原因と対策

マンションがいつまでも売れないと焦ってしまいますよね?

手持ちのマンションを売却した代金を、新居の購入資金に充てる予定なら焦ってしまいますし、
そうでなくても、マンションは持っているだけで「管理費」や「修繕積立金」、「固定資産税」を支払わなければいけません。

そんな売れない中古マンションだったとしても、冷静に原因を探り、対策を講じれば必ず売却できます。

今回は、マンションが売れない原因を10個に分け、それぞれの対策方法を書いてみました。
徹底的に学んで、サクッと売却を完了していまいましょう。

1. マンションが売れない原因

マンションが売れないからと焦ってあれこれ手を打ったところで、的外れな対策なら意味がありません。
まずは、あなたのマンションが売れないのか原因を冷静に分析しましょう。

1-1. 原因1.高すぎる販売価格

マンションが売れない原因として一番多いのが高過ぎる販売価格です。

景気が大きく上昇したり、周辺環境に大きな変化でもなければ、相場より高く不動産が売れることはまずありません。
購入者はシビアですから、相場より高い中古マンションは一瞬で候補から除外します。

まずは、自分のマンションは本当に適正価格で売り出されているのか確認することから始めましょう。

このように書くと「ウチのマンションは不動産業者の査定金額通りに売りだしてるから問題ないでしょ?」と思われるかも知れませんね。
確かに、多くの人は不動産会社の提示した査定金額を元に販売価格を決めたと思いますが、それこそが落とし穴なのです。

なぜなら、査定金額が必ずしも適正な販売価格というわけではないからです。

例えば、あなたが不動産会社の立場だったとして、売主からの売却依頼(媒介契約)が何としても欲しければどうするでしょうか?
一番簡単なのは、わざと高めの査定金額を提示することです。

誰でも自分のマンションには思い入れがりますから、高い査定金額を出してくれた不動産業者にはどうしても好印象を持ってしまいます。
それが相場以上にわざと高く見積もられた金額とも知らずに・・・。

もちろん、そんな不動産業者ばかりではありませんが、
一度も自分のマンションの相場を調べたことがないのであれば、一度確認しましょう。

調べ方は、スーモ、アットホーム、ホームズなどの不動産ポータルサイトを使います。
同じマンション内で他の部屋が売りに出ていれば参考になりますし、なければ近隣の類似マンションを確認しましょう。

ただ、不動産ポータルサイトで確認できるのは、今現在売り出している価格に過ぎません。
中古マンションは買主からの値下げ交渉は当たり前なので、最終的な成約価格と差が生まれます。

実際の成約価格が見たければREINS Market Information(レインズ・マーケット・インフォメーション)を使うとより確実です。

REINS Market Information(レインズ・マーケット・インフォメーション)
http://www.contract.reins.or.jp/

このサービスは、不動産会社同士で物件情報を共有できるシステムである「レインズ」において、過去に登録された全物件の実際の成約価格が検索できるものです。

・使い方

トップページから、「マンションか戸建」→「都道府県」→「地域」を選択。
さらに、「専有面積」「間取り」「築年数」など詳細を追加条件として選択。

これだけで、過去の成約価格をチェックすることができます。

ただし、マンション名までは表示されないので完全に特定することはできません。
あなたのマンションに近い条件の物件が、いくらで成約しているのかを参考にしてください。

調べた結果、あなたのマンションが相場よりも高ければ、値下げを視野に不動産会社と相談してみましょう。

(改善策の「対策1 値段を下げる」へ移動)

一方で、マンション販売価格と相場が大きくかけ離れている場合は、ショックかも知れませんがまずは現実を受け止めてください。
受け止めたうえで他の不動産会社にも査定を依頼しましょう。

相場からかけ離れているのであれば、今の不動産会社は「相場観がない」「わざと高い査定額を出した」という可能性があり信頼できないからです。

他の不動産会社に査定を依頼するだけならルール違反でも何でもないので今すぐにお願いしましょう。
高額な不動産取引をしているのですから不動産会社にいちいち気を使ってる場合ではありません。

(改善策の「対策3 不動産会社を変更する」へ移動)

1-2. 原因2.管理費や修繕積立金が高い

販売価格が相場から大きく離れていないにも関わらず売れないのであれば、管理費や修繕積立金が高くて敬遠されている可能性もあります。

中古マンションを購入する人の多くは住宅ローンを利用するので、月々の住宅ローンの支払いにプラスして、高い管理費と修繕積立金を払うのは大きな負担です。

管理費や修繕積立金は新築時といつまでも一緒とは限りません。
あなたのマンションも購入時より値上がりしていたりしませんか?

これでは、いくら販売価格を適正にしても購入希望者からは敬遠されてします。

まずは、国土交通省発表の「平成25年マンション総合調査」という調査結果から、おおよその管理費と修繕積立金の相場を確認してみましょう。

  1. 管理費の相場
    管理費の相場は145円/㎡
    よって、80㎡のマンションであれば
    145円×80㎡=11600円となります。
  2. 修繕積立金の相場
    修繕積立金の相場は149円/㎡
    よって、80㎡のマンションであれば
    149円×80㎡=11920円となります。

もちろん、管理費や修繕積立金は、築年数や戸数、共有設備によっても変わりますが、二つ合わせて30,000円を超えるようなら高いと考えてもいいでしょう。

しかし、自分のマンションの管理費・修繕費が高いことが分かったところで金額自体は簡単には変更できません。

ですから、管理費や修繕積立金が高いことで得られるメリットは担当営業マンに上手く伝えて貰うようにしましょう。

(改善策の「対策2 管理費や修繕積立金は不動産会社や担当者に上手く伝えて貰う」へ移動)

1-3. 原因3.不動産会社が「両手仲介」を狙った「囲い込み」をしている

「両手仲介」のために「囲い込み」や「売り止め」を行う悪質な不動産会社は未だに後を絶ちません。

この悪質な手法を説明するには、4つのキーワードを説明しなければいけません。

1-3-1. ①仲介手数料

仲介手数料とは、売主と買主を仲介(間を取り持つ)してくれた不動産会社に支払う成功報酬です。
成功報酬ですから契約が成立しなければ払う必要はありません。
売主、買主の両方が売却価格の3%+6万円を上限として仲介業者に支払います。

1-3-2. ②レインズ

レインズとは、不動産会社間の物件情報共有システムで、国土交通省から指定を受けた不動産流通機構が管理しています。
全国の不動産会社のほとんどがレインズに加入しています。

それではレインズを具体的に説明してみます。

「売主A」が「不動産会社X」に「αマンション」の売却依頼したとします。
普通であれば「X社」に訪れた買い手しか「αマンション」の売り出し情報は知ることができません。

しかし、「X社」が「αマンション」の情報を自社だけで囲い込まず、レインズ上に登録すると、日本中の不動産会社に「αマンション」の売り出し情報が共有されます。
共有された売り出し情報は、日本中の不動産会社が自社の顧客に紹介することが可能です。

レインズへの登録は売主、買主の両者にメリットがあります。

・売主は売却物件情報を広く拡散できる
・買主は1つの不動産会社に相談するだけで、他社が扱っている売却物件も紹介して貰える

レインズは、国が買主・売主という一般消費者利益を保護するために主導しているシステムです。
そのため、不動産会社は売主から売却依頼を受けたら、速やかににレインズに物件登録することが、法令で義務化されています。

(※正確に言うと、売主と不動産会社の媒介契約の種類によっては義務ではない場合もありますが、稀なケースなので便宜上「義務」としました。詳しく知りたい方は『レインズを学んでマンション売却の成功率を10倍にする』で詳細を説明しているので参考にしてください。)

1-3-3. ③片手仲介

片手仲介とは、売主と買主の間を仲介する不動産業者が2社いることです。
売主側に1社、買主側に1社という構図になります。

例)
1.「売主A」が、「αマンション」の売却を「不動産会社X」に依頼
2.「不動産会社X」は「αマンション」の売り出し情報をレインズで他社にも拡散
3.レインズを見た「不動産会社Y」が『うちに「αマンション」が気になってるBさんという顧客がいるので見学させてください!』と不動産会社Xに連絡
4.Bさんが「αマンション」を気に入り、無事に契約完了

この場合、売主AはX社に仲介手数料を支払い、買主BさんはY社に仲介手数料をそれぞれ支払います。

仮に3000万円のマンションであれば、
AさんはX社に96万円
BさんはY社に96万円
それぞれ支払うことになります。

1-3-4. ④両手仲介

両手仲介とは、売主と買主の間を仲介する不動産業者が1社のみという場合です。

例)
1.「売主A」が「αマンション」の売却を「不動産会社X」に依頼
2.「不動産会社X」が自社の顧客Bに「αマンション」を紹介し、契約成立

この場合、売主と買主の間に、X社しか介在していないので、X社は両者から仲介手数料を貰うことができます。

上記と同じように、3000万円のマンションであれば、
3000万円 × 3% + 6万円 = 96万円
X社は、AさんBさん両方から合わせて192万円を受け取れます。

1社が両方から受け取るから両手仲介と覚えると簡単ですね。

両手仲介は、片手仲介と比べて受け取れる仲介手数料が倍になります。
不動産会社としては両手仲介の方が圧倒的に嬉しい取引です。

略して両手と呼ばれることもあります。

では、話しを戻します。

囲い込みとは、売主から売却を依頼された不動産会社が、両手仲介をするために、物件情報を自社だけで囲い込んでしまう悪質な手法のことを指します。

先に書いた通り、1回の取引で倍の仲介手数料を受け取ることができる両手仲介は、不動産会社にとって魅力的です。

しかし、売却依頼を受けた不動産会社は物件情報をレインズに登録することが法令で義務化されています。
そのため、自社で買い手を見つける前に、他社で買い手が見つけられてしまうケースも珍しくありません。

そこで、無理やりにでも両手仲介をしたい不動産業者は売却物件の情報が他社に漏れないように囲い込みを行うのです。

1-3-5. 囲い込みの手法

囲い込みには次の3つの手法があります。

  1. そもそもレインズに登録しない
  2. 一旦はレインズに登録し売主にも報告するが、その後すぐに削除
  3. レインズに登録はするが、他社からの問い合わせには「売り止めです!(申込みが入っていて商談中という意味)」と嘘を付いて紹介を断る

1-3-6. 囲い込みによるデメリット

囲い込みを行えば不動産業者は両手仲介によって大きな利益を得ますが、売主には大きな不利益が2つ与えられます。

1.売却期間が長引く

囲い込みが行われると、売主が売却依頼した1社のみで集客・販売することになります。
レインズを通じて多くの不動産会社に情報を拡散させ、広く買い手を探せば早期売却も難しくない条件のマンションだったとしても、1社の集客力では限界があります。
結果的に、条件に合うような買い手がなかなか見つからずに売却期間が長期化するケースがほとんです。

2.売却価格が下がる

囲い込みによる集客力の低下は容易に想像できるかも知れませんが、売却価格まで下がってしまうこともあります。

というのも、売れない期間が長期化し不安になっている売主に対して、不動産業者はタイミングよく値下げを持ちかけるからです。
実際は囲い込みのせいで売却期間が長期化しているのに、「築年数が・・・」「立地条件が・・・」とか、それらしい理由を並べて「早く売りたいなら値下げしましょう」と売主に迫るのです。

一見すると、売却価格が下がれば仲介手数料も下がるので不動産業者にはメリットがないように感じます。
しかし、囲い込みを行う不動産業者からすれば、いくら値下げしたところで片手仲介するよりは儲かるのです。
さらに、相場以上に値下げさることができれば、大した営業をしなくても簡単に買主は見つかります。

例)相場3000万円のマンション

・3000万円で片手仲介
仲介手数料96万円 (利益 小)
相場通りなので営業に力を入れなければいけない (営業 苦)

・2500万円に値下げさせたけど両手仲介
仲介手数用150万円 (利益 大)
相場より安いので営業しなくても売れる (営業 楽)

「売却価格を下げて売主が損しても、自分たちが両手仲介で楽に儲かればいい!」というのが囲い込みを行うような不動産業者の本音なのです。

もちろん、囲い込みをされた売り主はたまったものではありませんよね?

売れない期間が長くなったうえに、売却価格まで下がってしまうのですから。

消費者保護のためには、国もこのような状況を放っておくわけにはいきません。
2016年、国土交通省からの要請を受けたレインズは、消費者保護のために「取引状況管理」という新機能を導入しました。

売主は、この新機能を使うことで自分の物件がちゃんとレインズ上に公開されているのかを確認できます。

「取引状況管理」の利用手順を説明します。

  1. 売却依頼した不動産業者がレインズに登録すると、売主に登録証明書が発行される
  2. 登録証明書に売主専用URL、ID、PASSが記載されているのでログインする
  3. 取引状況を確認

もしも、あなたが売却依頼している不動産会社から登録証明書を貰っていなければ、
すぐに登録証明書を発行するように不動産業者に連絡しましょう。
発行を渋るようであれば、レインズに登録せずに囲い込みを行っている可能性があります。

また、登録証明書を貰っている場合は、
売主専用画面にログインすると、取引状況は「①公開」「②書面による購入申込みあり」「③売主都合で一時紹介停止中」の3つのうちのどれかに設定されています。
不動産業者から申込みの報告を受けていないのに「②書面による購入申込みあり」になっていたり、
売却を停止にした覚えがないのに「③売主都合で一時紹介停止中」になっていれば売り止めを使った囲い込みをされている可能性があります。

「①公開」になっていれば物件情報は他社にも公開されているので基本的には問題ありません。
“基本的には”としたのは「①公開」にして売主を安心させつつ、いざ他社から紹介させて欲しいと電話連絡が入ったら売り止めと嘘を付くことも可能だからです。
しかし、「①公開」になっているにも関わらず売り止めをされた場合、他社はレインズ側に申し立ても行えるようになりまた。
申し立てを受けて調査の結果、囲い込みがあれば処分もされます。
このようなリスクを犯してまで売り止めを行う業者は少ないでしょう。

ですから、とりあえず注意するのは「②書面による購入申込みあり」や「③売主都合で一時紹介停止中」になっていないかという点です。

もしもこのような取引状況になっていれば、売主に対する大きな裏切り行為です。
すぐに不動産業者に連絡して問いただし、納得のいく回答がなければ、すぐに不動産業者の変更の準備を始めましょう。

(改善策の「対策3 不動産会社を変更する」へ移動)

1-4. 原因4.不動産会社の担当者に営業力がない

不動産売買の仲介営業という職種は、営業の中でも最もハードな仕事の1つです。
入れ替わりも激しいため、その道のプロが育ちにくい環境があります。

もちろん知識や経験が浅くても、買い手の条件に合ったマンションを紹介したり、案内することはできます。
しかし、数千万の買い物を決断させるのはそう簡単ではありません。

そのため、相場から大きく値下げしたマンションでもない限り、担当者に営業力がないと売却活動に苦戦します。

あなたの担当者に営業力がないかどうかの判断のポイントです。

①内覧は多いのに申込みが貰えない
具体的には10組以上の内覧があったにも関わらず音沙汰もないようであれば疑っでみましょう。

②言葉遣いや態度、服装に違和感がある
たいてい仕事のできな営業マンはどこか違和感あるものです。
・正しい敬語が使えない
・自信なさそうにボソボソ話す
・スーツがヨレている
・髪が整っていない

③売却期間が長期化している
マンションの平均売却期間は3ヶ月ですから、半年間売れないようであれば長期化し始めています。

極論すれば、マンション売却の成功は依頼する不動産会社や担当者の腕次第です。
いくら条件の良いマンションでも、仕事の出来ない担当者にあたれば売却は苦戦を余儀なくされます。
逆に、欠点のあるマンションでも、優秀な担当者であればスムーズに希望通りに売却してくれるでしょう。

この記事で、マンションが売れない原因や対策をいくつも説明しますが、最大の要因はあなたが選んだ不動産業者や担当者が力不足です。
本来なら売主のあなた自らが、売れない理由をネットで調べるのではなく、担当者が事前に原因と対策をアドバイスしなければならないからです。

あなたのマンション売却が長期化しているにも関わらず、大したアドバイスも貰っていないのであれば、不動産会社の変更をおすすめします。

もしかすると、担当者だけ変えるという方法もあるでしょう。
しかし、担当者の気質は、会社の社風が色濃く出ますから、たいていの場合は意味がありません。

現状うまく行っていないのですから、思い切って業者変更を検討しましょう。

(改善策の「対策3 不動産会社を変更する」へ移動)

1-5. 原因5.広告不足

あなたのマンションが魅力的だったとしても、しっかりと広告活動が行われなければ、買い手の目に留まることすらありません。

実際にあなたのマンションが適切な広告をされているか確認してみましょう。

・新聞折り込みやポスティング新聞折り込みやポスティングに関しては、あなたが該当エリアにまだ居住していれば実際にポストに入っているので簡単に確認できます。
すでに売り出してから何か月も経過しているのに一度もチラシを見たことがなければ適切に広告活動がされていない可能性があります。

・大手不動産ポータルサイト

大手不動産ポータルサイト(スーモ、ホームズ、アットホーム、ヤフー不動産など)で、あなたのマンションの条件を入力して検索したにも関わらず、掲載されていない、もしくは掲載されているが媒体が1つ2つしかない、という場合は適切にネット広告がされていない可能性があります。

全然チラシがポストに入って来ない・・・大手のポータルサイトで検索しても見当たらない・・・ということであれば広告不足を解消しなければいけません。

ただ、あなたと依頼した不動産会社との媒介契約の種類によって、積極的な広告がされていない可能性もあります。
という訳で、媒介契約ごとに広告を増やすための対策を説明してきます。

(改善策の「対策4 広告を増やす」へ移動)

1-6. 原因6.マイソクやネット広告の写真やセールスポイントが魅力的でない

見学希望者すら来ないような場合は、インターネット広告やマイソク(素面)に掲載している、「写真」や「宣伝文」が魅力的ではないからかも知れません。

インターネット広告に掲載されている写真は、自分で検索すればどんな写真が使われているか確認できます。
マイソクは不動産会社に連絡して見せてもらいましょう。

見せることを渋る不動産会社はおそらく雑な資料しか準備していません。
そんな不動産会社には早めに見切りをつけて、他の不動産会社に変更しましょう。

(改善策の「対策3 不動産会社を変更する」へ移動)

具体的に悪い例を挙げてみますが、マイソクもネット広告も基本的には同じです。

・簡単な間取り図にコメントがちょっとあるだけ
・カラーではなく白黒
・アピールポイントのコメントが弱い、

などが上げられます。

また、ネット広告は画像をたくさん載せられのが最大のメリットです。
数枚しか載っていないようであれば改善が必要です。

さらに、写真があったとしても、雰囲気が暗い、構図が悪い、清潔感を感じないような場合も改善が必要です。

(改善策の「対策5 マイソクやネット広告を充実させる」へ移動)

1-7. 原因7.内覧で見学客の購入意欲が下がっている

買い手は興味を持っているからこそ、内覧にやってきます。
それにもかかわらず、その後に購入に結び付かないということは内覧に原因があるかも知れません。

ただ、内覧が原因だとしても、具体的なマイナス要因が分らなければ改善のしようがありません。
そこで、不動産会社に「どうして購入しなかったのか?」と内覧客に理由を聞いて貰いましょう。

立地や間取りといったどうしようもない理由なら改善できませんが、
「部屋のなかがゴチャゴチャしていてイメージがわかない」
「水回りに清潔感が感じられない」
など室内の環境が原因となっているならすぐにでも改善できます。

(改善策の「対策6 内覧で購買意欲を高めるために室内を整える」へ移動)

1-8. 原因8.売主(あなた)が居住中

売主が住んでいるため、売れにくいこともあります。
まず、居住中だと、売主の都合に合わせた日時設定になるため、取り逃がしている内覧客は多くなります。
また、室内に家具などが置いてあると狭く見えてしまいますし、内覧者は自分の購入後の生活がイメージしにくいという欠点もあります。

逆に、空室で売りに出していれば、室内の荷物は運びだされていて広く見えますし、鍵は不動産会社に預けているので、突然の飛び込み客だったとしても問題なく案内できます。

しかし、必ずしも居住中のマンションが売りにくいかというとそうでもありません。
住んだままでも内覧客に好印象を与えるように、ちょっとした工夫をすればいいのです。

あなたが居住中で売却しているなら、すぐにでも対策しましょう。

(改善策の「対策7 居住中のマンションを売るための準備」へ移動)

1-9. 原因9.ライバル物件が同じマンション内にある

マンション内に別の部屋が売りに出ていて、あなたのマンションが売れない可能性もあります。

特に、大規模マンションでは同時に何部屋も売り出されることは普通です。
立地や周辺環境は一緒、そして間取りも似ているようなら購入の決め手となるのは「価格」しかありません。

あなたのマンションより、ライバルの価格が安ければ当然そちらから売れていきます。

同じマンション内にライバルがいるなら、売買状況を探って対策を練りましょう。

(改善策の「対策8 ライバルとの値下げ競争に乗らない」へ移動)

1-10. 原因10.そもそも需要がない

マンションを売るためのあらゆる対策を講じたにも関わらず、内覧客はおろか問い合わせすらない、という場合もあります。
相場からかなり値下げしてもそのような状態なのであれば、そもそもそのマンションに需要がないと考えられます。

例えば、空き家だらけの古くなったニュータウンなどは、興味を持つ買い手がおらず、ちょっと値下げしたくらいではなかなか売れません。

問い合わせもないような売れる見通しがないなかで、ムダに維持管理費だけ払っているのは精神的にも負担です。
そのような場合は、業者買取を検討することも必要になってきます。

(改善策の「対策9 業者買取を検討する」へ移動)

2. 売れるマンションに変えるための対策

売れないマンションにはいくつかの原因があることをお話しました。
当然、原因ごとに改善策は違うので、それぞれ解説していきます。

2-1. 対策1.値段を下げる

値段が相場よりも高めのマンションは「値下げをする」ことが改善策になります。
ただし、やみくもに値下げをすればいいわけではありません。

まずは、次の3つの販売価格を戦略的に考えておく必要があります。

  • 希望価格
    とりあえず、相場や査定金額は置いておいて、売主であるあなたが「これくらいで売れたら嬉しいな」と思う希望価格です。
  • 相場価格
    不動産会社から出して貰った査定金額。
    この価格で、適切な方法で売り出せばほぼ間違いなく買主が見つかる価格です。
  • 最低価格
    これ以上は値段を下げられない、最低限これだけのお金は必要というボーダーラインの価格です。
    売れたお金を住宅ローン残債の返済にまわす、新しい住まいへの費用に充てる、などの資金計画を考えて計算しましょう。

3つの価格が決まれば値下げ幅も自ずと決まります。

次に、値下げのタイミングです。
上記した3つの価格は基本的には、希望価格 > 相場価格 > 最低価格 になるはずですから、タイミングを考えながら順番に下げていきます。

そこでポイントになるのは、タイムリミットを設定することです。

「どれだけ期間が掛かっても希望価格で売りたい」と思うかもしれませんが、売却期間が長期化し6ヶ月以上になると、買い手からも不動産業界からも「売れ残りマンション」のレッテルが張られてしまいます。

タイムリミットの半年を目安にスケジュールを作成がしましょう。

「※売れ残りマンションについては『売れ残りマンションと認識されるデメリット』でも詳しく解説しています。」

具体的な値下げのスケジュール例をあげてみます。

希望価格 3000万円
相場価格 2800万円
最低価格 2600万円

上記の希望価格のマンションを、6か月以内に売りたいケースを考えてみましょう。

  1. 売り出しスタート~2ヶ月目前半
    値引きを想定して、3080万円といった端数を足して売り出しをスタートしましょう。
    中古マンション売買では値引きが一般的なので、敢えて端数を作っておきます。
  2. 2ヶ月目後半~5か月目前半
    そろそろ相場価格の売れやすい金額に近づけていきましょう。
    2980万円→2880万円→2780万円→2680万円のように、100万円くらいづつ値下げしていきます。
    数千万円のマンション売買では、10~20万円程度の小さな値下げではインパクトがないからです。
  3. 5か月目後半~6か月目
    ここまできても売れないなら、思い切ってボーダーラインまで下げていくしかありません。

ボーダーラインの最低価格でも売れないのであれば、業者買取の利用も検討しましょう。

(改善策の「対策9 業者買取を検討する」へ移動)

2-2. 対策2.管理費・修繕積立金が高い場合は不動産業者に上手く伝えて貰う

マンションの売却価格は、売主のさじ加減で値下げすることができます。
しかし、管理費や修繕積立金はどんなに高かったとしても、売主が勝手に値下げできるものではありません。

なので、不動産会社の担当者に上手に営業して貰うしかありません。

  • 修繕積立金が高いという事は、実際に大規模修繕のタイミングに工事費が足りずに一時金を徴収されたりする可能性が低い
  • 管理費は設備の点検などにも利用されているので、築年数の経過しているマンションなのに安すぎるの場合は逆に危険

このように、なぜ管理費や修繕積立金が高いのかを論理的に買い手に伝えて貰いましょう。

2-3. 対策3.不動産会社を変更する

売れない期間が続いているにも関わらず、積極的に対策を講じてくれないような不動産会社なら思い切って変更するしかありません。
今の不動産会社との媒介契約の解約時の注意点と、新しい不動産業者の見つけ方を説明します。

2-3-1. 媒介契約ごとの解約について

不動産会社を変更すると言いても、現在あなたが売却を依頼している不動産会社との媒介契約を解約しなければなりません。
3種類の媒介契約ごとに、解約できるタイミング、解約方法、ペナルティーについて解説します。

2-3-1-1. 専任媒介契約、専属専任媒介契約の解約

専任媒介契約、専属専任媒介契約は解約に関して同じなので、一緒に説明します。

2つの専任はどちらも契約有効期間は宅建業法(第34条の2.3)で3ヶ月以内と定められており、実際の契約でも3ヶ月になっているケースがほとんどです。

そのため、どちらの専任も有効期間の3ヶ月が過ぎ、媒介契約の更新を行わなければ解約できます。

具体的な解約方法ですが、多くの場合は契約有効期間満了前に不動産業者から連絡があるので更新しない意思を伝えましょう。
また、売主からの申し出がなければ更新できないと宅建業法(第34条の2 4)で決まっているので、仮に不動産業者から連絡がなくても、自動更新されることはありません。自然に契約終了となります。

正式に媒介契約が満了したのですから、売主側にペナルティーなどは一切ありません。

2-3-1-2. 一般媒介契約の解約

一般媒介は契約の有効期間に法律上の制限がありません。
(宅建業法 第34条の2)

制限がないということで、無制限と勘違いされている方が多く、ネット上でもそう書かれている記事を目にしますが完全に間違っています。
そもそも宅地建物取引業法(第34条の2 1.4)で、媒介契約を結ぶ時に期間を定めなくてはいけないと決まっているからです。
なので、正しくは、無制限なのではなく、売主と不動産会社と話し合って、媒介契約の有効期間を自由に設定可能という意味になります。

実際のところは、一般媒介契約であっても3ヶ月以内の期間を定めるように国土交通省が指導していますし、実際にも3ヶ月で契約されることがほとんどです。
ですから一般媒介契約の場合も、この当事者間で定めた期間が過ぎて、売主であるあなたが更新しなければ解約となります。

具体的な解約方法も上記した専任媒介契約と同じです。
ただし1つ注意してください。
先にお伝えした通り一般媒介には契約の有効期間に関する法規制がないため、自動更新も可能となります。
実際、自動更新を特約として契約書に盛り込んでいる不動産業者も一部ですが見受けられます。
この場合、有効期間満了時に放っておけば自動的に更新されてしまいます。

仮に、ご自身の契約書を確認し、自動更新特約が盛り込まれれていて、自動更新するつもりがなければ、有効期間満了前に自ら「更新しない」と不動産業者に伝えましょう。

どちらにせよ、こちらも契約通り契約期間満了しての解約すから、売主側にペナルティーはありません。

但し、そもそも一般媒介契約は同時に複数の不動産業者と媒介契約を結ぶことができるので、有効期間が無駄に長かったり、自動更新になっていても現実的にはあまり困ることはないでしょう。
解約して変更というよりは、他に信頼できる不動産会社を見つけ媒介契約を結び、同時進行で売却活動を行うことも可能です。

2-3-2. 媒介契約ごとの途中解約について

契約期間が終了する時点での解約は、ペナルティーを課されることなく不動産業者とも円満に関係が切れます。

一方で、どうしても不動産業者の変更を急ぎたいという状況もあるかも知れません。
そうなれば、契約期間中の解約になり、ペナルティーが発生してしまうことがあります。

どのようなペナルティーが掛かるのか、媒介契約ごとの途中解約について見ていきましょう。

2-3-2-1. 専任媒介契約、専属専任媒介契約の途中解約

2つの専任媒介はどちらも途中解約は可能ですし、違約金や損害賠償の請求をされることはありません。

しかし、契約期間中に解約すれば、これまでの売却活動に掛かった費用の実費を請求されることがあります。
実際に国土交通省が標準媒介契約約款(専任媒介契約約款 費用償還の請求 第13条 :PDF6P)(専属専任媒介契約書 費用償還の請求 第12条 :PDF13P)で費用請求の権利を不動産業者に認めています。

詳しくは、「宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款 最終改正 平成26年10月1日、国土交通省告示第935号」をご覧ください。

どの位の請求がされるのか気になるところですが、現実的には請求されることはほとんどありません。
仮に請求されるとしても、あくまで実費ですから、広告費や交通費といったものですからせいぜい数万円程度。
不動産業者としても、数万円のために、労力を使うくらいなら他の物件で1件成約を取った方が早いですからね。

注意点としては、費用を請求する権利が不動産業者にあるということを忘れずに丁寧に断るということです。
雑に「オタクとの契約は解約するんで(ガチャッ!)」みいたいな対応は止めましょう。

ただし、明らかに不動産業者側に落ち度(レインズに登録しない、報告義務を怠った・・・等)があり途中解約したのに費用を請求された場合はすぐに都道府県の監督部署に相談して下さい。
あなたのマンションが東京都内であれば東京都都市整備局になります。
「都道府県名 不動産 相談」と検索してみましょう。

2-3-2-2. 一般媒介契約の途中解約

一般媒介契約でも途中解約は可能ですし、違約金や損害賠償の請求をされることはありません。

さらに専任媒介でお話しした「費用請求の権利」の規定もないので、広告費などの実費を請求されることもありません。
ただし、例外中の例外ですが契約書内に特約として、途中解約すると費用請求できると書き込まれている場合があります。
実際には、簡単に途中解約されては困るので形式上書き込まれているだけで本当に請求されることはほとんどありません。

もし、実際に請求されてしまったらこちらもすぐに都道府県の監督部署に相談しましょう。

2-3-3. 変更先の不動産会社を選ぶ際の注意点

今の不動産会社に不満があって変更をするのですから、次こそは自分にピッタリで信頼できる業者を見つけましょう。

業者選びで一番大事なことは、マンション売買が得意な不動産会社に依頼するこということです。

なぜなら、一口に不動産会社といっても、それぞれに得意分野があるからです。
賃貸が得意、管理が得意、買取が得意、このような不動産会社ではなく、売買が得意な不動産会社に任せなければいけません。
さらに、売買が得意な不動産会社としても、マンションが得意、土地が得意、戸建が得意、ビルが得意、といったように細分化されます。

しかし、自分で不動産会社を調べたところで、その業者の得意分野はなかなか分らないですよね?

そんな時は不動産一括査定サイトを使えば、マンション売買が得意な不動産会社が楽に探せます。
サービス自体は割と有名になったので、ご存知かも知れませんので簡単に使い方を説明します。

  1. 売却予定物件の情報を入力
  2. 物件情報の「エリア」「物件種別」「特徴」などの条件に合う不動産会社が自動的に複数ピックアップされる
  3. 複数の不動産会社の全部、または選定し一括で査定依頼する
  4. 数日中に査定金額が電話かメールで教えて貰える

仮に、世田谷区のファミリータイプのマンションをあなたが売ろうとしていて、一括査定サイトを利用すれば、
世田谷エリアで、ファミリーの、マンション売買が得意な不動産会社が自動的にピックアップされるということです。

つまり、一括査定サイトに登録するだけで、マンション売買が得意なことはもちろん、エリアや特徴も加味した上で最適な不動産会社がいくつも見つけることができます。

さらに、複数の不動産会社の査定金額を聞けば自分の中に相場観が生まれます。
相場観があればわざと高い査定金額を出すような不動産会社は見抜けます。

また、1社の担当者からしか話を聞かないと比較対象がないため、多少の不安があっても「まぁ、不動産屋はこんなものかな?」と思ってしまいます。
しかし、何人もの担当者と実際に会えば、身なり、話し方、具体的な販売戦略、色々な要素を比較できます。
最低3人くらいの担当者に話を聞けば、1人は素晴らしい営業マンがいるはずです。妥協せずに信頼できる担当者が見つけましょう。

具体的な不動産会社の選び方や、担当者の見抜き方はこちら()でも詳しく解説していますが、最低限ここでお話ししたことを守れば平均以上の不動産会社と担当者が見つかるはずです。

2-4. 対策4.広告を増やす

「原因5.広告不足」でも説明したように、媒介契約ごとに広告を増やすための対策手順も変わってきます。
早速、媒介契約ごとに対策方法を見ていきたいところですが、1つあなたに確認させてください。

あなたは売却を依頼した不動産業者から「業務処理状況報告書」や「営業活動報告書」といった報告書をちゃんと受け取っているでしょうか?

受け取っていない可能性もあるので一応説明します。

この報告書は、専任媒介契約は2週間に1回以上、専属専任媒介契約は1週間に1回以上、売却依頼を受けた不動産業者は売主に対して必ず発行しなければいけないと決まっています。(宅地建物取引業法第34条の2 8)
電話やメールでも法律上は問題ありませんが、多くの不動産会社は書面で報告してくれます。

そして、報告書の中で、どんな広告をしたのかも報告しなければいけないことになっています。
(国土交通省 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 参考:http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/asubesuto/fudousan/05.pdf

この、報告を受けているか?いないか?によっても広告を増やすための対策が変わってきます。
なので「専任媒介契約・専属専任媒介契約(報告なし)」「専任媒介契約・専属専任媒介契約(報告あり)」「一般媒介」の3つに分けて、広告不足の改善策を確認していきましょう。

2-4-1. 専任媒介契約・専属専任媒介契約(報告を受けていなかった場合)

専任媒介契約では2週間に1回以上、専属専任媒介契約では1週間に1回以上、売主へ営業活動報告が義務づけられています。
それにも関わらず報告を受けていない場合、まずは「ちゃんと報告をしてください」と伝えましょう。

特に下記のような情報は、報告して貰うようにしてください。

  • どのような販売活動をしているのか?
  • どんな広告媒体に掲載しているのか?
  • 問い合わせ件数(メール、電話、来店)
  • 内覧客との交渉状況
  • 最終的に購入に至らなかった理由

報告は不動産業者の義務ですが、売主に伝える方法や中身までは決められていません。
最低限欲しい情報は、あなたから必ず伝えてください。

また、いくつの大手不動産ポータルサイト(スーモ、ホームズ、アットホーム、ヤフー不動産など)に掲載されるかも、事前に担当者に確認して、広告不足にならないように対策しましょう。

最低3つは以上の媒体には掲載して欲しいところです。
1つや2つだった場合は、具体的にサイト名を出し「〇〇にも掲載してください」と伝えましょう。
そうすることで「売却活動をしっかりとチェックする人だな」と担当者に緊張感を持たせることができます。

もし、あなたが上記した内容を担当者に伝えたにも関わらず、対応が遅かったり、のらりくらいと言い訳をするようなら不動産会社の変更が必要です。

(改善策の「対策3 不動産会社を変更する」へ移動)

2-4-2. 専任媒介契約・専属専任媒介契約(報告を受けている場合)

すでにあなたが営業活動報告をしっかりと受けている場合は、何の広告媒体に掲載されているかを確認してください。
もし、大手不動産ポータルサイトへの掲載が1つ2つだった場合は、こちらも上記したようなサイト名を具体的に出しながら広告媒体を増やすよう依頼しましょう。

また、報告書では大手不動産ポータルサイトへ掲載されていると書かれていても、一度自分の目で確認してみましょう。
中には形だけの報告書を提出する不誠実な担当者もいるからです。

もしも、実際には掲載されいないことが判明したら担当者を問いただしましょう。
そこで納得の行く返答がなければ不動産会社の変更が必要です。

(改善策の「対策3 不動産会社を変更する」へ移動)

2-4-3. 一般媒介

一般媒介契約の場合、法令上は報告義務がないので営業活動報告がなくても文句は言えません。

また、一般媒介契約であればあなたは同時に複数の不動産会社に売却依頼をすることができますよね?
この場合、他のライバルの会社が買主を先に見つければ、いくら広告費を掛けても全て無駄になってしまいます。
そのため、専任のように「広告をもっと増やしてください!」とお願いしても、不動産業者は難色を示すことが多いでしょう。

しかし、そんな中でもこまめに連絡をくれるている担当者はいないですか?
一般媒介でそこまで頑張ってくれる業者や担当者は少ないですし、今後の売却活動でもいい働きをしてくれるはずです。

もし、そんな担当者がいるなら、下記の内容を質問してみてください。

  • レインズへの登録の有無
  • 販売活動の方法
  • 広告の掲載先
  • 反響の件数(メール、電話での問い合わせ、来店数)
  • 内覧客との交渉状況
  • 最終的に購入に至らなかった理由

これらを聞いていく中で、丁寧に回答してくれたり、熱意が伝わってくる担当者であれば、
さらに「一般媒介から専任媒介に切り替えて御社にだけ依頼したら、もっと広告を増やしたりして貰えますか?」と聞いてみましょう。

もし、「もちろんです!」「ぜひ、やらせてください」といったやる気のある返事が貰えたら即座に専任媒介に切り替えてください。

あなたが一般媒介契約を結んでいる場合の対策をまとめると、
業者が安心して積極的に広告を打てるように、やる気のある不動産会社と専任媒介契約を結ぶことです。

「まめに連絡くれる担当者がいあない」「熱意を感じる担当者はいない」ということであれば、さらに別の不動産会社とコンタクトを取って、専任で任せられる業者を探しましょう。

(改善策の「対策3 不動産会社を変更する」へ移動)

2-5. 対策5.マイソクやネット広告を充実させる

マイソクやネット広告を充実させるための対策を説明していきます。

2-5-1-1. 写真は必ず掲載する

今だに「間取り図+コメント」みたいなマイソクを目にしますが論外です。
紙媒体なのでサイズに限りはありますが、なるべくたくさんの写真を掲載しましょう。

外観、リビングは必須で、残りはアピールになりそうな箇所を順番に掲載します。

また、ネット広告は、ポータルサイトごとに画像枚数制限があるとはいえ20~30枚は掲載できます。
制限ギリギリまで掲載して貰うようにしましょう。

当然、とくにかく撮影すればいいという訳ではなく、明るく、清潔感のある写真にすることが必要です。

  • 明るさは敢えてフラッシュは使わす、デジカメで明るさ調整をしましょう。デジカメのフラッシュは光量が弱いため、広い部屋は全体が明るくならず、一部だけ明るくなってしまったりしていまうからです。
  • 水周りは電球が暖色系のことが多いため写真にすると、清潔感がいまいち感じられません。そこで、デジカメのホワイトバランスで調整しましょう。

基本的には担当者が写真撮影をしてくれると思いますが、上手く撮れていなければ遠慮なく指摘してください。

2-5-1-2. マイソクはカラーにする

マイソクの話になりますが、せっかく写真をたくさん掲載しても白黒では買い手もイメージが湧きません。
マイソクは必ずカラーにしましょう。

2-5-1-3. コメントは不動産会社任せにしない

不動産会社の人間より、実際に住んでいたあなたの方が絶対にマンションの長所を知っているはずです。
特に周辺情報までは不動産会社はなかなか把握できません。
「実は近くに桜の綺麗なお気に入りの公園がある」
こんな些細なことでもしっかりと担当者に伝えてみましょう。

不動産会社が準備してくれた写真や資料に注文を付けにくいかも知れませんが、遠慮している間にも売れない時間が過ぎていくだけです。

丁寧な業者なら快く応じてくれるので積極的にお願いしてみましょう。

ここで面倒くさそうな態度を取るような不動産会社や担当者であれば業者を変更しましょう。

(改善策の「対策3 不動産会社を変更する」へ移動)

2-6. 対策6.内覧で購買意欲を高めるために室内を整える

購入に至らなかったのか理由を担当者に聞いて貰った結果、室内環境なのであれば自分でどうにかできる部分です。

2-6-1. リフォーム・リノベーションは必要なし

内覧客が購入に至らなかった原因が「古さ」だったりするとリフォームやリノベーションを考える売主さんもいますが基本的には必要ありません。

リフォームやリノベーションは数百万~数千万円といったお金が掛かる可能性もあります。
それだけの費用を掛けて、売却代金に上乗せできるならいいですが、売却代金は室内の綺麗さだけで決まるものではないので、丸々売却代金に上乗せするのは無理です。
もちろん丸々乗っけて売り出すのは売主の自由ですが、中古マンション最大の魅力である「価格が安い」というメリットが失われ、売れにくくなってしまいます。

近年はリフォーム・リノベーションを前提とした買い手もかなりいます。
しかし、彼らは自分達の好みにリフォーム・リノベーションしたいのであって、リフォーム済、リノベーション済のマンションを購入したいわけではありません。

相場3000万円の中古マンションを、売主が500万円のリフォームをして3500万円で売り出したとします。
買い手からすれば、好みでもないリフォームが施されている3500万円の中古マンションを買うくらいなら、何もしてない3000万円の中古マンションを相場通り買って、500万円掛けて自分の好きなようにリフォームする方が良いに決まっています。

もちろん買い手の趣味や好みにピッタリと一致するリフォームやリノベーションが施されているならいいですが、そんなことはまずありえません。
リフォームやリノベーションは買主に任せましょう。

そもそも中古マンションを検討している人は、多少の古さは想定の範囲内です。
リフォームして新品同様にする必要はないので、「丁寧に使っていたんだな」という印象を持って貰えるように、基本的にはいつも以上に丁寧な掃除を心掛ければ十分でしょう。

「※リフォーム・リノベーションに関しては、『穴や傷はそのままでマンションを売却しても全く問題ありません!』『中古マンション売却前のリフォームは効果的?それとも損?』も参考にしてみてください。

2-6-2. 具体的な掃除方法

お家の「顔」でもある玄関は念入りに掃除しましょう。
靴を散乱させている状態は、入った瞬間にゲンナリしてしまいます。

リビングや部屋は、整理整頓をしてスッキリしましょう。
物が散らかっていると部屋が狭く見えてしまいます。

そして、意外に盲点となるのが「ニオイ」です。
それぞれの家のニオイは、住人は慣れてしまっているものです。
特に「喫煙者がいる」「ペットを飼っている」という場合は、確実にニオイが染みついています。
カーテンを洗ったり、消臭剤を使ったりしましょう。

また、水回りの「カビ」や「水垢」には要注意です。
水周りは主婦目線で特に厳しく見られています。それだけで購入を左右するといっても過言ではありません。
ただ、頑固なカビや水垢は素人ではなかなか落とせませんよね?
そんなときには、数万円で専門業者に依頼もできるので検討してみましょう。
数万円程度で売却がスムーズになるなら、安いものですよね。

「※売却前の掃除については『マンション売却の内覧を制す!見込み客を買う気にさせる掃除術』で徹底的にまとめたので合わせてお読みください。」

2-7. 対策7.居住中のマンションを売るための準備

基本的には空室で売り出した方が有利です。
だからと言って、必ずしも売主が居住中のマンションだと売りにくいかというとそうではありません。

居住中ならではのメリットを活かし、デメリットも工夫すれば十分に補えるからです。

では、居住中マンションを売るための対策方法をご紹介します。

2-7-1. すぐに連絡の付く番号を担当者に教える

不動産会社の担当者とすぐに連絡の付く番号を教えましょう。

空室で売り出していれば、カギは不動産会社に預けることになるので営業マンはいつでも案内することが可能です。

しかし、あなたが居住中であれば必ず営業マンは「〇日〇時からの内覧が可能か?」「今日の〇時から案内できるか?」と必ず連絡をくれます。
この連絡先がなかなか繋がらない番号では、せっかくの内覧のチャンスを台無しにしてしまいます。

例えば、旦那さんの携帯番号です。
普通のサラリーマンであれば、平日の日中はなかなか対応できないはずです。

内覧のチャンスを無駄にしないためにも、繋がりやすい電話番号を教えましょう。

2-7-2. 掃除や整理整頓を徹底する

居住中のマンションは、家具や荷物で狭くゴチャゴチャした印象になってしまいます。
しかし、工夫次第で広く、清潔感のある部屋に見せることはできます。
突然の内覧になっても慌てないように、売却中は日頃から掃除や整理整頓を徹底しましょう。

  • 広く見せる工夫
    内覧中は必ず全ての照明を点ける
    家具を分散させず1つの壁際にまとめる
  • 清潔感を出す
    日頃から整理整頓
    室内だけでなく玄関前の掃除も
    内覧前に空気の入れ替えを行いニオイ対策
    しつこいニオイには芳香剤ではなく消臭剤
    水周りだけは安くプロに任せる

パッと思いついたものを書き並べましたが、これだけでも内覧者の印象は大きく違うはずです。

「※内覧時の掃除術に関しては『マンション売却の内覧を制す!見込み客を買う気にさせる掃除術』『マンション売却でハウスクリーニングをする5つのメリットと費用の相場』でさらに詳しく書いているの参考にしてください。」

2-7-3. 内覧には程よい距離感で立ち会う

実際に住んでいるあなたの生の声は、買い手にとって貴重な意見です。
内覧に立ち会って、不動産屋では分らないような質問(周辺情報、ご近所さん情報など)には積極的に回答してあげましょう。

ただ、注意して欲しいのは、ついついアレコレ口を出し過ぎてしまうことです。
営業は営業マンに任せましょう。
売主さんは良かれと思った発言でも、営業マンのセールストークの組み立てを狂わせることもあります。

あくまで聞かれたら答える程度にしておきましょう。

また、立ち会うといっても付いて回る必要はありません。
「何か質問あれば呼んでくださいね!」
くらいの距離感でいましょう。

2-7-4. ゆっくり内覧できるように気配りする

居住中のマンションにお邪魔するのですから、内覧者は遠慮しながら見学するのが普通です。

そこであなたから「クローゼットの中も遠慮なく見てくださいね」と声を掛けてあげるだけでも買い手はとても安心します。
じっくり見学して貰えれば記憶にも当然残りやすくなります。

小さい気配りですが必ず結果には影響するので忘れないようにしましょう。

「※居住中マンションの売却術は『居住中マンションの売却術!メリットを活かしデメリットを抑える』でも書いているので参考にして下さい。」

2-8. 対策8.ライバルとの値下げ競争に乗らない

同じマンションで他の部屋も売りに出ると、安価な方が売れやすくなるのは当然です。
しかし、相手もそれを意識してくるので、結局「値下げ競争」になってしまいます。
結果的に相場よりもかなり値下げした状態での成約になってしまうかも知れません。

とにかく早く売りたいなど、時期に期限がないなら、値下げ競争には乗っからずライバルがいなくなるのを待ってみるのも一つの方法です。

2-9. 対策9.業者買取を検討する

「広告強化、値下げ、といったあらゆる対策を講じたけど全く売れる見込みがない!」
「いつ売れるのか分らないのに、ムダに維持管理費を払っているのが馬鹿らしい!」

こんな状況に陥ってしまっているのであれば、業者買取を検討しましょう。

一般的な売却は、売主から売却依頼を受けた不動産会社が広告を売ったりして買主を見つけます。
この場合、買手は一般の個人です。

しかし、業者買取は不動産会社が直接マンションを買い取ってくれます。

不動産会社と買取金額さえ折り合えば、すぐにでも買い取ってくれるので、数日後には現金が振り込まれていることもあります。
売れる見込みのなさそうなマンションの売主からすれば、まさに最後の望みです。

ただ、不動産会社は買い取ったマンションは転売します。
そもそも需要のないマンションだったわけですから、転売するためには大掛かりなリフォームやハウスクリーニングが必要です。
また、会社としての利益も必要です。
こうした経費を考えての買取金額になるので、普通に売却するよりはかなり低めになります。

まずは、いま売却依頼をしている不動産会社に買取可能か相談してみましょう。
ただし、買取は提示金額がイコール売却金額になります。
必ず他社とも比較してから最終的な買取業者を来ましょう。

「※買取業者の具体的な選び方は『マンション売るなら仲介と業者買取どっちがお得なの?』の記事でも書いているので参考にしてください。」

3. まとめ

今回は、マンションが売れない10の原因と9つの改善策についてお話しました。

原因をしっかり知ることで、やるべき対策は見えてきます。
売れないと不安な気持ちになりますが、絶対に売れないマンションなど存在しません。
1つ1つ改善していきましょう。

そして、あなたのマンション売却を成功に導くためには信頼できる不動産会社の存在が必要です。
もし現在契約をしている不動産会社に原因がある場合は、早めに他の業者に切り替えるようにしましょう。

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