高く売るためのコツ

室内の穴や傷はそのままでマンションを売却しても問題ありません!

焦ってリフォームは悪手

今まで自分が住んでいる時には大して気にならなかったですが、いざマンションを売る立場になってみると、
「フローリングの傷って張り替えなきゃいけないの?」
「壁の穴ってクロスを交換しなきゃいけないの?」
と不安になってしまうものです。

そんな不安や焦りから数十万、場合によっては数百万のリフォームを行う売主さんはたくさんいます。

しかし、これからお話しする“穴や傷のちょっとした対処法”を知ってさえいれば、リフォームより圧倒的に安く内覧客に好印象を与えることができます。

知っているか知っていないかで数十万、数百万の差が出るので、最後までしっかりと読み進めてください。

1. 穴や傷のリフォームは不要

マンション売却前に穴や傷をリフォームする必要はありません。

ほとんどの場合、リフォーム代金はドブに捨てることになってしまうからです。

まずは、傷や穴を補修するために大掛かりなリフォームをした場合、いくら位掛かるのか相場を見てみましょう。

例)3LDKで70㎡のマンション

  • クロス(壁紙)の全面張り替え 相場40~50万円
  • フローリング(床)の全面張り替え 相場60~70万円(素材次第で100万円超)

これだけの金額をなぜドブに捨てることになるのか?
ジャストシステムというマーケティング会社が発表した「購入したい住居の調査」というデータを見れば一目瞭然です。

今後、購入したいと思うものは何ですか?

  • 新築 69.7%
  • 中古住宅購入後リフォーム、リノベーション 17.1%
  • リフォーム、リノベーション済の中古住宅 3.3%

参照元:PR TIMES

中古住宅だけにフォーカスすれば、圧倒的に自分でリフォームしたい人が多いことが分ります。
安く中古住宅を購入して自分の好みにリフォーム、という選択肢は魅力的ですから今後も増えていくことでしょう。

上記データの中古住宅購入検討者を、仮に100人とすれば、85人は自分でリフォームしたい、ということになります。

つまり、売主が数十万、数百万という大金を掛けてリフォームしても、この85人の購入判断には何のプラスにならないのです。
どうせ、購入後に自分好みにリフォームするのですから。
購入判断に何のプラスにもならいムダなリフォームにお金を掛ける必要はありませんよね?

彼らが中古マンションに求めるのはいかに安いか?という部分です。
勝手にリフォームしたあげく、その代金を売却金額に上乗せするなど最悪です。

むしろ、ムダなリフォーム代金を払うくらいなら、その分値引き交渉に応じてあげる方がよっぽど有効な売却戦略となります。

自分でリフォームしたい人達にとっては、売主がリフォームしようが、しなかろうが関係ありません。

中古マンションの購入を考えている人は、多少の劣化は最初から承知しています。
通常の傷や穴であればリフォームはせずに、まずはそのまま売り出してみましょう。

ただし、あまりにも酷い傷や穴は部分的な補修も必要になるので、詳しく見ていきましょう。

2. 酷い傷や穴があるなら部分補修

中古マンションであれば多少の劣化は購入者も承知していると書きましたが、あまりにも傷や穴が酷い場合には、部分的に補修してから売り出す方が良いでしょう。

明らかに目立つ傷や穴は部屋が雑に扱われていた印象を与えてしまうからです。
逆に言えば、古さを感じる部屋であっても、丁寧に扱われていた印象を与えれば大きなアピールにもなります。

部分補修であれば、プロのリペア業者に頼んでも数万円です。

「リフォーム」は新しいものに交換する、つまり作り直すという意味の言葉です。
それに対し「リペア」とは、今あるものを補修する、修繕する、復活させる、という意味になります。
リペアはリフォームと違い、業者に依頼しても数万円と費用はかなり安く済みます。

酷い「傷」や「穴」には積極的に部分補修をして内覧者に好印象を与えましょう。

2-1. どの程度から傷や穴から部分補修が必要なのか?

部分補修をすると言っても、部屋中の小さな傷までやっていたのではキリがありません。
意識しなくても目に付く酷い傷や穴、というのを目安にして、補修していきましょう。

いくつか具体例を挙げてみます。

  • ペットの引っ掻き傷で完全にクロスがめくれている
  • 子供が空けた壁の大きな穴
  • 大きな家具を移動中に落としてできたフローリングの凹み

とは言っても、住んでる本人には判断が難しい場合もあります。
部分補修をするべきか判断に迷った時は、売却を依頼する不動産業者に客観的な意見を求めてみましょう。

2-2. 傷や穴の部分補修の費用相場

では、部分的な穴や傷はプロのリペア業者に依頼する場合いくらくらいになるのか、それぞれの費用相場を見ていきましょう。

  • 壁(クロス)の穴、傷、剥がれ 相場2~3万円
  • 床(フローリング)の穴、傷、凹み 相場3~4万円

頼むリペア業者や、穴や傷の範囲によっても費用は変わってきます。
しっかりと業者選びをしましょう。

「家仲間コム」というサイトでは、匿名で詳しい内容を書き込むと、色々な業者から見積もりを貰えるので費用比較には最適です。

参考:家仲間コム
https://www.ienakama.com/repair/

3. 買い手からの価格交渉にリフォーム費用込で応戦

リフォームやリノベーションをせずに売り出すことは、買い手からの値下げ交渉の対抗策になります。

リフォームをしたところで、中古マンションの売買ではほぼ確実に値下げ交渉が入ります。
リフォームしてもしなくても価格交渉されるなら、その「値下げ交渉部分」に「購入後のリフォーム費用」も組み込んでしまうのです。

分りやすく説明しますね。

中古マンションの売買では「1.価格の端数部分」「2.購入後のリフォーム費用分」の2つが値下げ交渉のネタにされます。
この「1.価格の端数部分」への値下げ交渉に、「2.購入後のリフォーム費用分」への値下げ交渉を組み込んでしまうのです。

具体例

80万円分のリフォームをした中古マンション3980万円で売り出しても、端数部分の80万円に値引き交渉は確実に入ります。
結果的に3900万円で売れたなら、リフォーム費用の80万円が最初に掛かっているわけですから、実質的には3820万円です。

一方、リフォームなしで3980万円で売り出せば、売主側は「購入後にリフォーム費用も掛かるでしょうから、端数位の値引きなら考えますよ。」という戦略が取れます。
これなら、実際に80万円の値引きが入っても、最初にリフォーム費用を持ち出していないので、実質3900万円です。

このように、「1.価格の端数部分」と「2.購入後のリフォーム費用分」への値下げをごちゃ混ぜにして交渉すれば、下手にリフォームして売り出すより高く売れる可能性すらあります。

なので、酷過ぎる穴や傷があれば部分補修だけして、その他の箇所についてはリフォーム費用分の値下げで対応してあげましょう。

4. まとめ

中古マンションを売る時、穴や傷にはどのように対処したらいいのか書いてみました。

まとめると、経年による壁や床の傷程度なら、高いお金を払ってリフォームをする必要はありません。

理由としては、
1)自分たちの好みにリフォームしたい買主にとっては魅力ゼロの物件になってしまう。
2)売主がリフォーム代を売却金額に上乗せすることで中古マンションの最大のメリットである安さが失われてしまう。
という2点です。

基本的には丁寧な掃除やハウスクリーニングを心がけ、購入検討者に好印象を与えましょう。

ただし、目立つほどの穴や傷は、安価な部分補修(数万円程度)をリペア業者に頼んでしまうのも有効な売却戦略です。

ここで問題なのが、どの程度から傷や穴から部分補修が必要なのか自分で判断するのは難しい点です。

そんな時こそ、プロである不動産業者に客観的な意見を聞いてみましょう。
不動産会社では過去の取引の例から最適なアドバイスをしてくれます。

「このくらいの穴ならこのまま売っちゃいましょう!」
「この傷は目立つので部分補修しましょう!」
等のように具体的なアドバイスや戦略を考えてくれるはずです。

しかし、中には大して酷くない穴や傷でも、リフォーム会社と裏で結託して無理やりリフォームを勧めてくる悪徳不動産会社もいます。

まだまだグレーな会社も多い不動産業界です。
仲介業者を適当に選んでしまうととんでもないことに巻き凝れるのが不動産取引です。

業者選びをするときは、まずは一括査定サイトから複数の不動産会社から査定を貰って比較するのが一般的ですが、多くの人は査定金額にばかり目が行ってしまいます。それこそ失敗の原因です!

査定額だけではなく、担当者の態度や対応もしっかりと比較するようにして下さい。
特に、穴や傷が気になっているなら直接聞いてみると担当者の経験や戦略が見えてきますよ。

悪徳不動産会社に騙されないためにも、業者選びは慎重に行ってくださいね。

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