買主とエアコンで揉めずマンション売却を成功させる7つのポイント

「エアコンは持って行っていいの?置いていった方がいいの?」
マンションを売る時、エアコンをどうしたらいいのか悩んでしまいますよね。

結論から言えば、エアコンなどの設備をどうするかは売主の自由です。

ただ、
・内覧期間中にエアコンを外さない
・売主の自由だけど買主と話し合って決める
・話し合いの結果は口約束ではなく書面で残す
など、いくつかの注意点があります。

また、エアコンのなどの設備は売却後のトラブルも頻繁に発生します。

無駄なトラブルを避けるためにもこの記事でしっかりと学んでください。

1. エアコンをどうするかは基本的に売主に決定権がある

マンション売却時に「エアコンを置いていくか?」「持って行くか?」の基本的な決定権は売主であるアナタにあります。

というのも、本来の不動産売買の対象は「専有部分(区分所有権)」「土地部分(敷地利用権)」「共有部分(共有持分権)」の3つだからです。
(区分所有法「建物の区分所有等に関する法律」)

ですから、エアコンを売却対象から外すのことも売主の自由ということになります。

そもそもエアコンは、あなたがマンション購入時に後から買い足したはずですから、テレビやソファといった家具と同様に扱って問題ありません。

なので、エアコンは不動産売買の対象から切り離し新居に持って行こうが、置いて行こうが、基本的にはあなた(売主)が自由に決めてしまって構いません。

2. エアコンの有無は売却価格に影響しない

エアコンがあっても、なくても売却価格に影響はまずありません。

説明した通り、エアコンは本来の不動産売買の対象ではありませんが、設置したまま売るとなれば付帯設備として物件価格に含まれます。

ただし、物件価格に含まれるからといって「エアコンがあるから+10万円」「エアコンがないから-10万円」といったような現実的なマンション販売価格に反映されることは、まずありません。

というのも、買主は「立地」や「周辺環境」「間取り」など、もっと重要な部分で購入を判断しているからです。

3. 内覧者が来るうちはエアコンを残しておく

売り出しをスタートし、内覧客が見学に来るうちは、エアコンや照明は設置したままにしておきましょう。

確かに、エアコンの取り扱いは、売主が自由に決めて良いというのが原則ですし、売却価格に影響もありませんから、すぐに新居に持って行っても問題はありません。

しかし、エアコンなどの設備を先に取り外してしまうと、内覧客に悪い印象を与え売れにくくなってしまうこともあります。

悪い印象になってしまう理由を説明します。

3-1. 理由1.夏や冬にエアコンなしでの内覧は最悪

先にエアコンを取り外してから売り出すと、夏や冬に室内の温度調整ができません。

これでは内覧客はゆっくり室内を見れないので、全く印象に残りにくくなります。

印象に残らなければ売却が成功する確率が低くなるのは当然です。

3-2. 理由2.エアコンを取り外した跡が目立つ

エアコンを内覧前に取り外してしまうと、「壁紙の変色」や「壁に開いている穴」が目立ってしまい、見学客に部屋が汚い印象を与えてしまいます。

3-3. 理由3.照明がないと暗いイメージになる

エアコンではありませんが、同じように内覧期間中は残しておきたい設備が照明です。

照明を先に外してしまうと、暗い中での内覧になってしまうため印象が悪くなってしまいます。
また、夕暮れ時や、天気が悪い日の内覧になれば、薄暗い室内を見せることになります・・・。

逆に、真昼間だったとしても内覧中は照明を全て点けましょう。
照明を全て点ければ、室内を明るい印象にできるだけではなく、視覚効果で広く見せることができます。

これらのことから、エアコンや照明などの設備は、最終的に新居に持って行くにしても、買主が確定したタイミングで取り外すようにして下さい。

4. 売主に決定権はあるけど買主と話し合いで決定する

買主さんが現れたら、エアコンについてどうするかを話し合います。

先ほどお伝えした「エアコンをどうするかの決定権は売主にある」と矛盾してそうですが、間違っているわけではありません。

売主に決定権があるからといって、無断で新居に持って行ってしまえば、
「エアコンはあると思ってた!騙された!」と買主とトラブルになってしまうか可能性もあるからです。

実際、中古マンションを購入すればエアコンは当然付いてくる、と思い込んでいる買主は少なくありません。

そのような無駄なトラブルを防ぐために、売主と買主の要望をすり合わせ、エアコンをどうするか事前に話し合うのです。

ちなみに、話し合いといっても、実際には仲介業者が間に入って調整してくれます。
売主と買主が面と向かうわけではないので、交渉事が苦手でも心配する必要はありません。

問題は、売主と買主の話し合いに折り合いがつかなかった場合です。

そんな時は、買主の要望に譲歩してあげるようにしましょう。

もちろん、決定権は売主にあるので、最終的に売主の意見を通すことはできます。
しかし、たかだかエアコンにこだわって、数千万円のマンションを購入してくれる買主とギクシャクするのは得策ではありません。

ギクシャクした状態だと、その後の取引でちょっとした問題が起きただけでも、思わぬ大きなトラブルに発展しやすくなるからです。
売主と買主の関係が修復不可能になれば、契約が白紙になるだけでなく、裁判沙汰にまでなることもあります。

スムーズに取引するためにも、
1.エアコンをどうするかは、買主と話し合う
2.話し合いに折り合いが付かなければ、買主に譲歩してあげる

という2つを覚えておいてください。

5. 売主と買主の話し合い4パターン

売主と買主の話し合いで起こり得るパターンは次の4つしかありません。
それぞれの場面で、売主であるあなたがどう行動すればいいのか解説していきます。

5-1. ①売主:エアコン必要/買主:エアコン不要

あなたはエアコンを取り外して新居へ持っていきたい、買主さんは新しいエアコンを自分たちで買って設置したいというケース。
この場合は、特に問題がないので、スムーズに話し合いが進みます。
エアコンの取り外し工事費用をあなたが負担すれば解決です。

5-2. ②売主:エアコン不要/買主:エアコン必要

この場合も、特に問題はありません。
むしろ、買主さんに貰ってくれれば、エアコンの取り外し工事費用や処分費用を節約できるので、あなたにとっては好都合。
エアコンは快く買主さんにプレゼントしましょう。
後ほど詳しくご説明しますが、契約書の付帯設備確認書に必要事項を記入し、引き渡しをすれば解決です。

5-3. ③売主:エアコン必要/買主:エアコン必要

あなたは新居にエアコンを持って行こうと思っているけれど、買主はエアコンを置いていって欲しいと思っているケース。
要望が一致していないので、しっかり話し合い、買主がすんなり納得されたら持って行っても良いでしょう。

しかし、せっかく現れた購入者です。
売却に成功するまでは、ある程度は譲歩する姿勢も大切なポイントとなります。

仮に、エアコンを新居に持って行くにしても移設工事費用は売主負担。
また、エアコン購入から10年以上が経っているなら寿命を超えています。
新居に持って行ってもすぐに壊れてしまうかもしれません。

買主さんがちょっと強めに欲しがっているなら、買主さんに譲ってあげましょう。

5-4. ④売主:エアコン不要/買主:エアコン不要

売主も買主もエアコンが不要であるなら、処分費用を売主が負担し、エアコンを撤去しましょう。

6. エアコンの移設費用と撤去費用

買主にエアコンは不要だと言われた場合、せっかく買主がマンションを買う気になってくれているのですから、できるだけ早く撤去、またはあなたの新居へ移設しましょう。

その際の処分費用は、売主負担が一般的です。

移設と撤去、それぞれの料金相場を解説していきます。

6-1. エアコン移設の費用

「移設」というと難しい言葉に感じますが、エアコンを取り外し、新居に付け直す一連の作業のことです。
通常の引越しであれば、引越し業者のオプションを利用すればエアコンの取り外しから運搬、取り付けなどを代行してくれます。

エアコン移設の料金相場は20,000円前後。
もちろん業者や運搬距離によっても変わりますし、配管やコンセントの状況によっては追加料金が掛かる場合もあります。

追加料金が発生しない「エアコン〇〇パック」のようなものを用意している業者もあるので、必ず複数の引っ越し業者に見積もりを取って貰いましょう。

先ほども説明しましたが、エアコンの耐用年数は約10年と言われています。
もし、あなたのエアコンが寿命超えている、またはあと1、2年しかないのであれば、いつ故障してもおかしくない状態です。
工事費用と新品購入の予算とを天秤にかけ、思い切って新品を購入してしまうのも一つの選択肢でしょう。

6-2. エアコンの撤去費用

「撤去」は、エアコンを取り外してから処分(廃棄)するまでの作業のことです。

撤去は家電量販店や、町の電気さんなどに依頼するのが一般的です。
購入したお店が近ければそこに連絡するのが早いでしょう。

エアコンは家電リサイクル法の対象になっています。
廃棄するためには、工賃のほかに別途リサイクル料金が1500円程度必要です。
(※若干リサイクル費用が異なるメーカーや機種があります。)

業者によって多少の差はありますが、リサイクル料金込みで10000円が一般的な料金相場になります。

7. 付帯設備一覧表について

エアコンなどの設備をどうするのかは話し合いによって決めますが、口約束ではなくしっかりと書類を作成します。
その書類を「付帯設備一覧表」と言います。

付帯設備一覧表には、それぞれの設備を「1.残していくのか、撤去するのか」「2.故障や不具合があるのか、ないのか」を一覧にしてリストアップします。

エアコンの設備の有無が「有」、故障・不具合が「無」になっていれば、「エアコンは付帯設備として置いて行きます、故障もありません」ということです。
仮に不具合があれば備考欄に擬態的に記入することになります。

7-1. 付帯設備の取り扱いを売却の流れに沿って確認

不動産売買の現場では、付帯設備に関するトラブルは頻繁に起きます。
付帯設備一覧表の作成方法はもちろん、付帯設備に関するポイントを売却の流れに沿ってしっかりと確認しておましょう。

  • 査定~媒介契約

付帯設備一覧表は、査定や媒介契約時に不動産会社から手渡され、売主であるあなたが作成することになります。

作成と言っても、付帯設備一覧表は契約書の付属書類なので、雛型は不動産会社が作成してくれます。
あなたは雛形に沿って、設備ごとに「残すのか、撤去するのか」「故障してないか」をチェックしたり記入するだけです。

ただし、故障を「無」にしていて、後で故障が発覚すればトラブルになりますし、売主に費用負担も発生するので正確に記入しましょう。

年間を通して使用する設備なら故障もすぐに把握できます。
しかし、季節限定でしか使わない設備だと「実は壊れていた!」ということも十分にありえます。
エアコンなどはまさに季節限定の設備ですよね。

付帯設備一覧表を作成する時は必ず一度動かして不具合がないか確認してください。

もし心配なら担当営業マンと一緒に確認しながら作成しましょう。
実際、付帯設備のトラブルは多いので、担当者としては一緒に確認できるのはむしろ大歓迎です。

媒介契約当日に都合が悪い場合は、書類だけ貰って後で作成しても問題ありませんが、内覧時に「このエアコンは置いて行ってくれますか?」と質問してくる見学客もたくさんいます。
付帯設備一覧表の作成はなるべく早めに終わらせましょう。

  • 内覧

後々トラブルにならないためにも、故障や不具合のある箇所は内覧客に全て伝えることが大切です。
ただし、基本的には付帯設備一覧表に記入された内容をもとに担当営業マンが説明することになります。
売主が立ち会う場合でも特に心配することはないでしょう。

  • 申込み

申込みのタイミングでエアコンなどの設備について、売主と買主で話し合いになることがあります。
例えば、あなたがエアコンを「無」、つまり新居に持って行くと書いたけど、購入希望者は置いて行って欲しいと考えている場合です。

話し合いといっても不動産会社の担当営業マンを通しての交渉なのでそこまで心配することはありません。
担当営業マンも「交渉してみますが、無理な可能性が大きいですよ」と購入希望者に伝えておくのが普通なので、本当に必要なら断っても構いません。

ただ、先ほど説明した通り、数千万円のマンションをせっかく買う気になってくれている買主です。
今後の取引をスムーズに進めるためにも、譲歩して恩を売っておくのも一つの手です。

  • 契約

契約時には、エアコンなどの設備をどう取り扱うか、契約書に次のような条文が入っているか確認しましょう。

(設備の引渡し・修復)
第〇条
1.売主は買主に対し、別表「売却物件付帯設備及び状態確認書」中「設備の有無」欄に「有」とした各設備を引き渡すものとする。
2.売主は買主に対し、前項により引き渡す設備のうち、「故障・不具合」欄に「無」とした主要設備に限り、使用可能な状態で引き渡すものとする。
3.売主は買主に対し、前項の「主要設備」について、引渡完了日から7日以内に請求を受けた故障・不具合に限り責任を負うものとする。
なお、その責任の内容は修復に限るものとし、その修復の範囲等は、別表(修復範囲等)中「設備の修復範囲等」の記載によるものとする。
4.売主は買主に対し、「主要設備」以外の「その他の設備」、及び「主要設備」のうち「故障・不具合」欄に「有」とした「主要設備」については、故障・不具合があったとしてもその修復の責任を負わない。

※一般社団法人「不動産流通経営協会(FRK) 不動産売買契約書」より引用
https://www.frk.or.jp/guide/files/b07.pdf

多少の文言の違いはあるかも知れませんが、たいていはこのような条文になっているはずです。

特に注意したいのは「3.」で、付帯設備に関しては、瑕疵担保責任(中古マンションにおていは「雨漏り」「シロアリの害」「給排水管の故障」に対して引き渡しから数ヶ月「※通常2~3ヶ月」は売主に対して責任追及できる権利)が適用されるのではなく、別途「7日」という期限を設けている点です。
7日が一般的ではありますが、あまりにも長い期間が設定されている場合は注意しましょう。

※ 「3.」「4.」の『主要設備』『別表(修復範囲等)中「設備の修復範囲等」』はこちらからご確認ください。

・契約書に上記した文言がしっかり入っている
・付帯設備表の記載が正しい
・別表(修復範囲等)が用意されている

これらを確認して問題なければ、売主・買主ともに署名・捺印します。

  • 引き渡し

買主は、契約時に付帯設備一覧表で取り決めた通りになっているか「契約後・引き渡し前」というタイミングで、最終チェックを行います。

ここで付帯設備一覧表と相違なければあとは引き渡しを待つだけです。

8. まとめ

今回は、マンション売却時にエアコンなどの設備をどのように取り扱うかについて説明しました。

エアコンを新居に持って行こうが、置いていこうが基本的には売主であるあなたに決定権があります。

ただ、買主と良好な関係を築くためにもしっかりと話し合うことが大切です。
その結果、買主がエアコンを欲しがっているなら思い切って譲ってあげましょう。

決済と引き渡しが終わるまでは長い道のり。
エアコンを譲歩してあげるだけで、数千万円の取引が上手くいくなら安いものです。

また、付帯設備に関するトラブルは頻繁に発生します。
付帯設備一覧表を作成する際には必ず実際に動かして確認しましょう。

もし心配なら、担当営業マンと一緒にチェックしながら作成してください。
デキる営業マンなら一緒に細かくチェックしてくれるはずです。

マンション売却後のトラブルを避けるためにも今回の内容はしっかりと覚えておいてくださいね。

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