中古マンション売却前のリフォームは効果的?それとも損?

マンションを売却を考えているあなたは、「できるだけ高く売りたい」と思っていますよね。
大切なマンションを売るので、少しでも高く売りたいのは当然の気持ちです。

ただ、築年数が経っている古いマンションを売ろうとしているなら、次のようにも考えるかもしれません。

「古いからこの状態のままでは売れないかも・・・」
「リフォームして綺麗に見せれば高く売れるかな?」
「もしリフォームするなら費用はいくら掛かるの?」

確かに、リフォームすると売りやすいと耳にしたことがあるかも知れませんが、大きな費用というデメリットもあり、どうすべきか頭を悩ませることでしょう。

そこで、今回はマンション売却をするときの「リフォーム」について、効果や費用などを総合的にお話していきます。

1. 基本的にリフォームの必要はナシ

古いマンションでもリフォーム費用さけ掛ければ「高く売れる」というイメージは確かにあります。

このなんとなくのイメージこそ、リフォームで失敗する大きな原因です。

まずはそのリフォーム費用の相場を見ていきましょう。

※ひとくちにリフォームと言いますが、材料や設備のメーカーや種類、依頼するリフォーム業者によっても工事費用は異なるのであくまで目安です。

  • キッチン・・・キッチンリフォームでは単に「キッチンだけを入れ替える」なら50~100万円程度ですが、周囲の壁紙交換まで含めた工事をすれば、当然ながら価格はさらにアップします。
  • トイレ・・・便座交換だけの場合は数万円ですが、便器ごと交換すれば10万円前後から、天井、床、壁などの壁紙を替えれば50万円近くなることもあります。
  • 浴室の全体リフォームは50~200万円
  • 洗面所リフォームは10~50万円が相場的な価格です。
  • 居室のリフォームは、「壁紙を交換するだけ」「ドアを交換するだけ」など部分的なものなら10万円前後程度。
    「壁も床もドアもリフォームしたい」と範囲が大きくなると100万円前後と高額になります。
  • 壁紙の張替えはメーカーや素材、グレードによって価格が異なりますが、一般的な10~15畳程度の広さのリビングであれば相場は10~15万円程度。
  • 床の張替えもフローリング、フロアタイル、クッションフロアなどで価格帯はことなります。
    なかでもフローリングは高額になりやすく、部屋の数にもよりますが、リビングや居室すべてのフローリングを張替える場合には、50~100万円くらい掛かります。

このように、選ぶ素材やグレード、部屋の大きさ、リフォームの範囲によって価格が異なりますが、トイレ、浴室、洗面所、リビング、寝室など全体的にリフォームすれば数百万円とかなり高額になってしまいます。

「これだけお金をかけたのだから高く売れるだろう!」

そんなプラスのイメージが強い売却前のリフォームですが、実際には必ずしも高く売れるわけではなく、数百万円のリフォーム費用を掛けたにも関わらず全く回収できないことすらあります。

では、その高く売れない理由を見ていきましょう。

1-1. 理由1:見た目より築年数が重要だから

同じような築年数の中古マンションがあれば、見た目が綺麗な方が好まれるのは当然のこと。
実際、あなたが中古マンションを買う立場だったら「古くて使用感がある物件」より「綺麗な物件」が気になりますよね?

そのため、リフォームには「売却金額を上げる」という効果がありそうな感じもしますが、実際には費用をかけてリフォームしたからといって物件価格がアップするわけではないです。

理由を説明しますね。

あなたはマンションを売るときに、不動産会社から「どのくらいで売れるのか?」という査定価格を出してもらいますよね。

その査定価格は、周辺地域の中から「築年数」や「間取り」などの条件が似ているマンションの「過去の取引金額」を参考にして算出しますが、基本的にはリフォームしているかどうかより、築年数がベースとなります。

なぜなら、部屋の内装はリフォームすることで見違えるほど新築に近くなることもありますが、その部屋を支えるマンションの構造体はリフォームすることはできないからです。

つまり、リフォームしたからといって構造まで新しくよみがえるわけではないので、同じ「中古」であっても、築年数が新しい方が「長く住めて安心」と判断され価値もアップするのです。

それを知らないと、売却前にリフォームをすれば「リフォームにかけた費用を回収しよう」と査定金額にリフォーム費用を上乗せして売り出すことを考えるかもしれません。

しかし、+αしたリフォーム費用のせいで、周辺地域の相場より高くなり、逆に売れにくくなることがほとんです。

特に、住宅ローンが残っていれば、毎月の返済もしていく必要があるので、焦りを感じで段階的に値下げをすることになってしまいます。

例えば、3000万円の査定額のマンションにリフォームのために400万円の費用をかけたとします。

初め3400万円で売り出していても長く売れ残ってしまったらどうするでしょうか?

おそらく、少しずつ値下げをしていきますよね。

3ヶ月後に値下げして3200万円で不動産売買契約が成立すれば、200万円損をしたことに。

もし、それでも売れなくて半年後に3000万円で売却したとすれば、結果的に400万円は損となってしまう可能性もあるのです。

しかも、1年間払い続けた「住宅ローン」や「管理費」なんかももったいなく感じますよね。

「これならリフォームしないで3000万円で売っておけば早く売れたかも・・・」

そんな後悔が残ってしまうかもしれません。

1-2. 理由2:リフォーム前提で中古マンションを探している人達が敬遠するから

最近では、中古不動産を「リフォーム」や「リノベーション」することを前提に購入する人たちも増えてきています。

※ちなみに、リフォームとリノベーションに、ハッキリした意味の線引きはありませんが、あえて定義してみましょう。

まず、「リフォーム」は、

「トイレの調子が悪くなったから便器を交換する」
「キッチンが古くて使いにくいから交換する」
「部屋のクロスを張替える」

など、古くなったものを交換し、新品の状態まで修復するという認識が一番しっくりくるでしょう。

一方で、「リノベーション」は新しい状態に戻しつつ、それ以上の価値をプラスするという意味合いが大きくなります。

リノベーションでは、

「一度骨組みだけにしてから間取り全体を変える」
「キッチンの場所を移動させる」
「壁を取り外す」など、

工事が終わると改修前の名残が見られないくらい大幅に改修されることがほとんどです。

リノベーションが手がけられた中古マンションは、全く新しく綺麗な空間へと大変身します。

これらリフォームやリノベーション前提で中古マンションを探している人は、中古マンションを安く購入して、自分の好みに変更しようと考えているわけです。

マンションは新築時と比較すると、大都市圏の平均で10年で38%、20年で58%も下落します。

仮に新築時5000万円のマンションでも、2、3000万円にまで下落するので、中古で購入してリフォームに1000万円以上掛けても新築で購入するより全然お得です。
(※フルリフォームも抑えれば4、500万円から可能なので、1000万円の費用を掛ければかなりのグレードでフルリフォームが可能です。)

中古マンションの下落率はこちらで詳しく書いています。
マンション売却における築年数と資産価値の下落率

ここで売主が勝手にリフォームをしてしまったらどうでしょうか?

売主の趣味やセンスで勝手にリフォームされているうえに、リーフォーム費用を売却代金に上乗せしているので中古マンションの最大のメリットである安さも失われてしまいます。

リフォーム前提の買い手からすれば、趣味の合わない割高な中古マンションという印象にすらなってしまいます。

しかも、ホームズの調査では中古マンション購入者のうち、自分で買ってリフォーム、リノベーションした割合が約45%もいます。

売主の勝手なリフォームは、この45%を自ら取り逃がして売りにくくしているのです。

2. 内覧で好印象を与えるには丁寧な掃除とハウスクリーニング

室内がボロボロなど特殊な事情があれば別ですが、基本的には中古マンションを売り出す時にリフォームやリノベーションをするのは、あまり効果がない(もしくはマイナス要因)ということは上記では説明しました。

しかし、中古マンション購入者も決して汚れているマンションに住みたいわけではありません。

確かに中古マンションを検討している人達はある程度の古さは承知しています。
しかし、「古い」と「汚い」は全然違います。

築年数の経過によって古さは隠しきれないマンションだったとしても、綺麗に掃除され、きちんと整理整頓された室内は「オーナーさんは丁寧に使っていたんだろうな」と内覧者に良い印象を与えます。

数百万円もかけて大がかりなリフォームをしなくても、綺麗に見せる方法はあります。

ということで、内覧者の好感度アップのために実践したいポイントについて解説していきます。

2-1. 内覧者に好印象を与えるテクニック

中古マンションを売却するときに大きなチャンスとなるのが「内覧」です。

このときに、内覧者に悪いイメージを持たれると購入に結び付く可能性は劇的に低くなります。

こまめに清掃をしていることが分かる室内にしましょう。

マンション売却の内覧を制す!見込み客を買う気にさせる掃除術

掃除術についてはこちらの記事でも細かく書いていますが、簡単にまとめてみます。

  • 玄関前は意外と見逃してしまう掃除箇所なので注意(外廊下の場合などは落ち葉などに注意!)
  • 室内はできるだけ床面を見せる&角に家具を置かないようにして広く見せる。
  • 自分たちでは気付きにくいウチのニオイはあるものです。スプレーや消臭剤は好みがあるので無香料のものを使用。
  • 窓が汚れていると暗い印象になるので忘れずに!
  • ベランダやバルコニーに置きっぱなしになっている荷物は片付け外用のスリッパも用意。
  • 内覧前には一度窓を開けて換気をしてから、室内をエアコンなどで適温に!

これらは内覧前に必ず漏れがないか確認しましょう。

そして最後に、毎日の使用感が目立ちやすい水回りの清掃はふだんから特にこまめに行いましょう。

ちょっと掃除をさぼるだけで、水垢やカビはすぐに発生します。

キッチンの油汚れなども内覧のときに注目されるポイントです。

内覧者がいつ来てもいいくらい、こまめに掃除をして清潔感をキープしましょう。

日々の掃除だけでも十分清潔感はアピールできますが、ハウスクリーニングでプロの手を借りるのもおススメです。

ただ、室内すべてのハウスクリーニングを依頼するとお金がかかってしまいます。
そこで、「水回り」だけでもハウスクリーニングで綺麗に見せるという方法もあります。

家の中でも水回りは毎日のように使い、汚れていく場所です。
丁寧な掃除をしていたとしても、こまかい汚れが小さな隙間に残っていることも多いです。

実際、不動産仲介業者の中には、「せめて水回りだけでもハウスクリーニングをした方がいい」と勧めてくることもあります。

ハウスクリーニングを依頼する業者や状況によっても違いますが、水回りだけのクリーニング費用だと5~7万円くらいが相場となっています。

数千万円の取引をスムーズにするためと思えばそこまで高い金額ではないのではないでしょうか?

2-2. お金の掛からない簡易リフォームならアリ

繰り返しになりますが、基本的には売却前にリフォームやリノベーションは不要です。

しかし、極端に劣化がある箇所は、検討してもいいかも知れません。

気になる箇所だけの簡易的なリフォームなら、数万円から10万円前後でできます。

そのくらいの費用であれば、マンション売却代金に上乗せせずに、売りやすくするためと割り切っても問題ありませんよね?

ただ、基本的にはそれすら必要ないのであくまで信頼できる不動産会社の担当者さんを見つけてから相談するといった薦め方で問題ありません。

3. まとめ

ここまで書いてきたように、基本的にはマンション売却前のリフォームやリノベーションは不要です。

理由としては、2つ。

マンションの価格は多くの条件(立地条件、築年数、グレード、共用部分・・・等々)で構成されています。
リフォームやリノベーションをしたからといって室内が綺麗になっただけで、多くの価格構成要素の1つに過ぎません。
そのため、リフォームに高額な費用を掛けたところでその金額をそのまま売却代金に反映できない可能性が高い。

近年はリフォームやリノベーション前提で安い中古マンションを探している人も多い。
彼らは安く買って、自分好みのリフォームをしたいのです。
それなのに、売主は自分の趣味で勝手にリフォームして、その費用を売却代金に上乗せします。
買い手から見れば趣味の合わない割高なマンションとしか映らない。

しかし、あまりにも劣化している場合は、ちょっとしたリフォームは売却に有利に働くケースもあります。

マンションごとに状況は違うので、自分では判断が難しいと感じることもあるでしょう。

そこで、判断に迷った時の良きアドバイザーとなってくれるのが、不動産業者です。
担当者に実際にマンションの現状を見てもらって相談することで、専門家の立場から的確なアドバイスが貰えるはずです。

ただ、残念ながら、なかにはリフォーム業者と裏で繋がっていて、状況に関わらずリフォームを勧めてくる不動産業者もいます。

そんな悪徳不動産会社にカモにされったら不要なリフォーム費用を払わされたあげく、全然売れない・・・なんていう状況にもなりかねません。

「知り合いだから」「大手だから」と安易に不動産会社を選ぶのではなく、不動産一括査定サイトなどを利用して複数の不動産会社に話を聞くようにしましょう。

信頼できる不動産会社や担当者を見つければ、その後は言われたとおりに動くだけです。

リフォームやハウスクリーニングなどを検討する前に、まずは信頼できる不動産業者を見つけましょう。

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