- 転勤で離れた土地に引っ越す
- 地元に戻る
- 親の介護のため実家で暮らす
などの予想もしていかなかった理由から、今のマンションから引っ越さなければならないこともあります。
そこで、あなたはマンションを「売却する」か「賃貸に出す」かで迷うことになるでしょう。
売却と賃貸のどちらが得かは、それぞれの事情によってケースバイケース。です。
「売る」か「貸す」かは慎重に決断したいところですが、引っ越しと重なってしまうとタイムスケジュールがきつくなり、つい焦ってしまいがちになります。
しかし、急いで安易な選択をしてしまうと、あとで後悔するような大損に繋がってしまう危険があります。
特に「家賃収入」や「不労所得」という言葉に魅力を感じ、なんとくな賃貸を考えている人は注意が必要です。
そこで、今回は、
- 売却と賃貸どちらを選択するべきか?
- 賃貸にはどんなメリット、デメリットがあるのか?
- 賃貸を選んだ方が良いケース、売却を選んだ方が良いケース
など、とことん比較していきます。
1. マンションは売るべき?貸すべき?
自宅マンションから離れる理由は人それぞれです。
「〇年で確実に戻ってくる」と分っていればいいのですが、「戻って来るか分らない」「いつまで離れるのか分らない」という方も多いでしょう。
現時点では将来どうなるか分からない状態であれば、
「とりあえず売らないで所有しておこう!」
「売らないとしても、空き家にするのはもったいないから貸し出して家賃収入を得よう!」
と考えるのも無理はありません。
最近は、一般の方の不動産投資も流行ってきているので、「資産を残しつつ家賃収入も手に入って一石二鳥!」と簡単に考えてしまっている方もいるでしょう。
しかし、「家賃収入を期待して安易に賃貸を選択する」のが一番危険です!
賃貸に出すことに対して、メリットが先行して良いイメージを持っているかもしれませんが、デメリットもたくさんあります。
賃貸に出すことのメリット・デメリット両方を比較してから、慎重に考えていきましょう。
1-1. 賃貸のメリット
まずは賃貸のメリットから見ていきましょう。
1-1-1. 家賃収入が得られる(不労所得)
自宅マンションを貸し出す一番大きなメリットは「家賃収入」でしょう。
毎月決まったお金が家賃収入として入ってくるというのは、誰もが憧れる「不労所得」です。
会社員として働いている方であれば、給料の他に働くことなく収入を得られるということです。それは大変な魅力でしょう。
また、賃貸に出した場合、所有権は自分が持ったままですので、「資産」として残るという意味でもメリットと言えます。
1-1-2. 黒字の可能性(住宅ローンを支払中の場合)
ほとんどの方は自宅マンションを住宅ローンで購入していると思いますが、完済までの期間を長期(35年など)で設定し、月々の返済額を少なくしている方も多いと思います。
そういった方の場合は、家賃収入から月々のローンや賃貸で必要な経費を支払っても、手元にお金が残る可能性があります。
つまり、黒字で賃貸経営ができるということです。
自分の給料や預貯金からお金を持ち出す必要がなく、入居者から振り込まれた家賃でローンを返せるわけですからこちらもメリットです。
1-1-3. 住宅ローン金利や固定資産税が経費計上できる
あなたのマンションを賃貸にした場合、今まで何気なく払っていた費用を「経費」扱いにできます。
マンションを貸し出すと経費計上が可能になる項目は以下です。
・管理費
・修繕積立金
・住宅ローンの利息
・固定資産税
・都市計画税
・取得費
・設備交換費
・管理会社への管理費
・退去時修繕費
・減価償却費
これらの項目は、家賃収入を不動産所得として確定申告する際に「経費」として計上できるので、控除額が増え節税に繋がります。
1-1-4. 分譲マンションは周辺の家賃相場より高く貸せる
賃貸に出す時の一番の悩みどころは「家賃」ですが、分譲マンションであれば高めの値段設定でも入居者を確保しやすくなります。
理由は賃貸用マンションと比べて、分譲マンションはハイグレードに作られているからです。
具体的には以下のような部分です。
- 外観や内装がラグジュアリー
- 管理が行き届いている
- 構造がシッカリしている
賃貸用マンションは不動産投資目的で建てられています。そのため、最小限の投資で、最大限のリターンを得られるように、設備も必要最小限のグレードでおさめられていることがほとんどです。
それに対して分譲マンションは、自分が住む目的で購入する人をターゲットに作られているので、内装や設備、共用部も充実しており、全体的にグレードの高い仕様となっています。
そのため、同じエリアの賃貸マンションと比べ、分譲マンションは高めの家賃設定をしても住みたいという人がいます。
1-2. 賃貸のデメリット
続いて、賃貸に出した場合のデメリットに触れていきます。
1-2-1. 貸し出すにもあれこれお金が掛かる
「自分がマンションから引っ越したらすぐに貸し出そう!」と考えているかも知れませんが、実際は難しいでしょう。
まずは、ハウスクリーニングが必須です。
第三者に貸し出すのですから、室内を綺麗にした状態が基本的なマナーです。
ハウスクリーニングは、依頼する業者の価格設定によって費用は大きく異なりますが、一般的な3~4LDKで50,000円以上が相場で、100,000円を超えたら高いといったイメージです。
もし、ハウスクリーニングだけでは対応できないくらいの破損、または汚れがあれば、壁紙や床の張替えも必要になります。
壁紙の張替えは、クロスの種類によって料金は異なりますが、一般的には「0.9m(幅)×〇m」が一般的な料金の計算方法となります。
量産品のクロスだと1mあたり1,000円未満、一般普及品のクロスだと1mあたり1,200円前後くらいが相場です。
また、クロスの料金だけでなく、剥がした壁紙の処分費やその他諸経費もプラスされるため、6畳で60,000円以上が相場の目安となります。
床を張替えるときもフローリング、フロアタイル、クッションフロア、カーペットなど、素材の違いによって費用は異なりますが、6畳の部屋で100,000円~が相場です。
壁紙のときと一緒で、材質のグレードや依頼するリフォーム店によっても価格は異なるので、事前にしっかりと見積書を確認することが必要です。
また、入居者が退去すれば再度ハウスクリーニングが必要ですし、室内の状況によっては壁紙や床の張り替えをしなければなりません。
入居者の故意でない限り、修繕や交換にかかる費用は、大家であるオーナー負担が基本となっています。
マンションを賃貸に出すのであれば、最初だけでなく、入居者が入れ替わるたび、定期的な出費を覚悟しなけれればなりません。
1-2-2. 不動産会社へ支払う費用も多い
マンションを賃貸に出すといっても、入居者を見つける必要があります。
一般的には不動産会社に依頼することになるでしょう。
依頼を受けた不動産業者は、入居者募集の宣伝活動をします。
それにより入居者が見つかれば、マンションオーナー(貸主)と、入居者(借主)で賃貸借契約を結びます。
不動産会社はここまで両者の間を取り持ち、賃貸借契約を成立させてくれたわけですから、マンションオーナーと入居者はそれぞれ不動産会社に対価として仲介手数料を支払うことになります。
※筆者からの補足
宅建業法では、不動産会社が受け取れる仲介手数料は家賃の1ヵ月分までと決まっています。
この法律を忠実に不動産会社が守ると仮定すれば、
- マンションオーナーから家賃0.5ヵ月分、入居者から家賃0.5ヵ月分
- マンションオーナーから家賃1ヵ月分、入居者から家賃0ヵ月分
- マンションオーナーから家賃0ヵ月、入居者から家賃1ヵ月分
上記の3パターンが考えられます
となると「入居者は不動産会社に仲介手数料1ヵ月分を支払うよね?じゃあ、マンションオーナーは1円も払わななくいいのではないか」と思われるかもしれません。
しかし、現在の不動産業界の慣習で、マンションオーナーから家賃1ヵ月、入居者からも家賃1ヵ月分それぞれが不動産会社に支払うことになります。
上記の3パターンどれにも当てはまっておらず、実質2か月分のお金を手にしています。
しかし、上で「宅建業法で仲介手数料は1ヶ月と決まっている」とお伝えしました。
この矛盾をどのように解決しているかというと、不動産会社は入居者から仲介手数料として1ヶ月分を受け取り、マンションオーナーからは広告料(AD)などと名目を変え1ヶ月分を受け取っているのです。
このように法律の抜け穴を使って2か月分のお金を手にすることが、不動産業界では慣習としてまかり通っています。
ちなみに、不動産会社に頼らざるを得ないマンションオーナーの弱みに付け込んで、広告料を2ヶ月、3ヶ月請求する不動産業者もいるので注意してください。
また、不動産会社へのお金の支払いは入居者募集時だけではありません。
クレーム対応、設備トラブル、共有部分の掃除、契約更新、家賃の督促などの日々の管理も当然必要です。
自分で管理を行うことも不可能ではありませんが、休みの日だろうが何かあればすぐに対応しなければいけません。
もし遠方に住んでいれば管理業務は現実的に不可能でしょう。
そのため、マンションオーナーに代わって、入居者管理の全般を不動産会社に委託することが一般的です。
もちろん、管理を依頼した不動産会社には管理委託費を毎月支払う必要があります。この管理委託費は賃料の5%程度が相場です。
1-2-3. 空室のリスクがある
マンションを賃貸にして不労所得を得られるのは、入居者がいることが前提です。
マンションの立地や築年数、設備などの条件によっては、入居者がなかなか見つからず空室が続くこともあります。
また、入居者が見つかってもいつまで住み続けるかは分かりません。
入居者が退去してしまった場合、すぐに新しい入居者を探す必要がありますし、見つかるまでの間は家賃収入は完全に0円です。
また、収入が0円なだけではなありません。
たとえ空室状態でも、所有しているだけでマンションの管理費や税金などの諸費用を払い続けることとなります。
さらに、家賃収入から住宅ローンを返済している場合は、自分の給料や預貯金を切り崩して返済することとなります。
自分が暮らしていく日々の生活費にプラスして、空室になったマンションの赤字がのしかかれば生活は厳しくなるでしょう。
家賃収入というメリットばかりでなく、空室というデメリットもしっかりと理解しておく必要があります。
1-2-4. マンション管理に手間がかかる
さきほども少し触れましたが「管理業務の手間」を回避するため、不動産会社に委託をすれば「管理委託費(家賃の5%前後の金額)」が掛かります。
マンションオーナーが今後も近所に住む場合は、管理費を抑えるため自ら管理するケースも稀にあります。
入居者の募集だけは不動産会社にお願いして、その他の日々の管理は全て自分で対応します。
ただ、その日々の管理内容は非常に多く、本業が別にある方だとかなり負担となります。
それでは実際に行う管理業務の具体例をあげてみます。
・管理業務の具体例
家賃を回収する
滞納している場合は督促をする
契約更新の手続き
室内の定期的なメンテナンス
退去後のハウスクリーニング
近隣トラブルの対応
また、家賃収入は「不動産所得」となるため、毎年の確定申告も必要です。
最近では投資用物件を購入して投資家として不動産経営をする方も増えましたが、「一室だけの賃貸」や「転勤の間だけの賃貸」など、とりあえず貸しているケースでは「確定申告」に対しての意識が薄くなりがちです。
不動産収入があるのに申告せずに放置すると「申告漏れ」となってしまうので注意しなけれいけません。
「これらの手間や時間をかけても惜しくない」と思えるくらいのメリットがあるのか、ちゃんと家賃収入が黒字になるのかを考えることが重要です。
1-2-5. 収益物件として売ると安い
賃貸に出している物件のことを「収益物件」といい、一般的な「居住用物件」とは別物として扱われます。
もし、入居者がいる状態でマンションを売却する場合は「収益物件」として売り出すことになりますが、この場合「居住用物件」より売却金額が安くなってしまいます。
というのも、
- 入居者がいるために購入希望者は内覧ができない
- 次の購入者が住宅ローンを使えない(収益物件はあくまでビジネスなので事業用ローン)
など、購入者側にデメリットが多く、一般的な居住用マンションを考えている人は、まず収益物件を買うことはありません。
購入者は「不動産投資家」や「不動産業者」などに限定されることとなります。
さらに、収益物件は「どのくらいの家賃収入があって利益を生んだのか」という利回りを基準に価値を算出します。
結果として、居住用マンションとして売り出した場合と比べ、2~3割は安くなってしまうのが一般的です。
もし、利回りが低い物件であればさらに査定金額も低くなってしまいます。
1-2-6. 賃借人とのトラブルはつきもの
賃借人とのトラブルは、想像以上に多いものです。
自分がこれまでに賃貸物件に住んだことがあり、特に問題がなかったという人は大丈夫だろうと思いがちですが、意外とトラブルは多いものです。
赤字にならないかと金銭的に心配になっている状態で、さらに賃借人とのトラブルが重なり、精神的に疲れ果て「賃貸に出さずに売っておけば良かった」と後悔するマンションオーナーはたくさんいます。
具体的には以下のようなトラブルに注意が必要です。
- 近隣住民とトラブル
入居者が近隣住民とトラブルを起こすせば、マンションオーナーとして責任を問われます。
騒音問題やゴミ出しで揉めるケースが多いですが、適切にクレーム処理をして穏便に済ませる必要があります。 - 家賃の滞納
意外と多いのが家賃の滞納です。
公益財団法人の日本賃貸住宅管理協会の調査「賃貸住宅市場景況感調査(2018年下半期)」によると、全国で月初の滞納率は6.5%という結果が出ています。つまり15戸に1戸は滞納しているのです。
ローンの返済が残っているオーナーにとっては、滞納は死活問題となってきます。滞納期間が長引いてしまい、より苦しい状況に追い込まれる可能性もあります。
もし、家賃滞納を理由に退去してもらえたとしても、最終的には滞納分を支払ってもらうことができず泣き寝入り………というケースが少なくありません。
なお、2か月以上の滞納は1.4%で71戸に1戸が滞納しています。割合はずいぶんと減りますが「自分は大丈夫」と考えるには、少なくない - 敷金返金でトラブル
一般的に、明らかに入居者の使用方法が悪かった場合は、部屋の原状回復をするように入居者に求めます。
しかし、お互いの言い分が合わずに揉めてしまうケースがあります。
もちろん、管理会社に管理を委託していれば、トラブルの対応は管理会社に任せておきます。
しかし、管理会社は対応するのであって、滞納分や原状回復費用を肩代わりしてくれるわけではないという事は理解しておきましょう。
1-2-7. 貸し出すマンションと新居の二重ローン
「今のマンションのローンは残ってるけど、賃貸に出せば家賃収入でローン分はカバー出来そうだ。なら、新居を購入するために新たに別の住宅ローンを組んでも問題ないな」
もし、このように考えているなら、かなり危険です。
というのも、まず既存のローン返済状況が新居のローン審査に影響します。
言い換えると、個別のローンとして審査されるのではなくて「今のマンションのローン残債」と「新居を購入する際に組む予定のローン」を合算して審査されることになります。
相当の資産を所有しているか、よほど収入が高くない限り、同時に2つの住宅ローンを組む(ダブルローン)ことは難しいでしょう。
「賃貸収入が見込めるから返済は大丈夫です!」と銀行に言ったところで、『空室のリスクもありますよね?』と返事が返ってくるだけです。
仮に、ダブルローンの審査を通過できたとしても、空室となれば家賃収入は途絶え、2つの住宅ローンを給料や預貯金を切り崩して返済していかなくてはいけません。
これがひと月で済めばいいですが、もしかしたら3ヶ月、半年と続いた場合かなり悲惨なこととなってしまいます。
1-2-8. 賃貸中に部屋が傷む
第三者に貸し出した場合の大きなデメリットが部屋の傷みです。
マンションオーナーからすれば大切なマイホームですが、入居者からすればあくまで借りている部屋にすぎません。
大切に住んでくれる人もいますが、掃除や整頓に無頓着になってしまう入居者もいます。
入居者が住んでいる間は、基本的に部屋の中を見ることができませんから、どんな使われ方をしているか分りません。
退去後に「あまりの汚れに唖然とした……」というマンションオーナーさんもいらっしゃいます。
1-2-9. 時間の経過により資産価値が下がっていく
賃貸に出せば、そのマンションは資産として所有し続けることができます。
とはいえ、築年数の経過とともに建物が劣化していくことは避けられません。
たとえどれだけ大切に済んでいても、経年とともに資産価値は下落していきます。
また、経年劣化だけではありません。
まず、人口減少によって需要自体が徐々に減りつつあります。
さらに、未だに増え続ける新築物件や空き家の増加、団塊世代の不動産売却の増加などによって供給が増加しています。
国土交通省の発表された「住宅市場動向調査(平成30年度)」では、平成25年から平成30年の5年間で住宅の数が179万戸増えています。年間にして約36万戸の新築物件が増えているということです。
また、空き家の数もこの5年間で26万戸増えました。平成30年の時点で空き家総数は846万戸となり、空き家率13.6%と過去最高であるという発表がありました。
需要が減っているのに、供給が増え続けているということです。
築年数の増加、需要の減少、供給の増加を考えた場合、手放せるうちに手放しておくという判断も大切です。
数年たってから「そろそろ売却しよう」と査定に出してみたものの、あまりの安さに「賃貸に出さずにあの時売っておけば……」と後悔してしまう可能性は十分にあります。
1-2-10. 事故物件になるリスク
入居審査の時は普通の人に思えても、その後の人生でどんな変化やトラブルが起きるかまでは予想出来ません。
事件や事故があなたのマンションの中で起きれば事故物件となってしまうのです。
事故物件となった瞬間に資産価値は急激に下がります。
誰かが亡くなったマンションに住みたがる人はなかなかいないので、相場の金額では借り手は見つかりません。結果、家賃をかなり下げなければ空室を埋めることはできないでしょう。
もし、あなたが何年か後にマンションに戻るつもりだった場合、あなたはそこへ戻れるでしょうか?
もちろん、売却するにしても「事故物件」として扱われることになりますので、相場よりも安い価格で手放すことになります。
1-2-11. 居住用財産の3,000万円特別控除特例を受けられない
もし「マンションをとりあえず貸し出しておいて、いつか売却しよう!」と考えているなら注意が必要です。
自己所有のマンションを売却して利益が出れば、所得税と住民税が課されます。
※もの凄く簡単に言えば、購入時より高く売れれば利益が出ているので課税されるということです。
詳しくはコチラでも詳しく解説しています。
税理士監修!マンション売却にかかる所得税と住民税の計算法と節税術 - マンション売却カレッジ
ただし、購入金額と売却金額の差額が3,000万円以下であれば非課税になります。
居住用財産、つまり自宅の売却では3,000万円特別控除の特例が利用できるからです。
※3,000万円特別控除の特例はこちらでも詳しく解説しています。
マンション売却で利益が出ても3000万円特別控除を使えば税金は0円かも - マンション売却カレッジ
この特例には注意点があり「住まなくなった日から3年目となる年の年末12月31日までに売却した不動産」という条件があります。
つまり「いつか売却しよう」と考えて賃貸に出して、気付いたら3年経過してたということになれば、この3000万円特別控除が受けられなくなってしまいますので注意が必要です。
2. 結局のところ売る方が良いの?貸す方が良いの?
ここまで読んで頂いてお気付きだとは思いますが、マンションを貸し出すことはメリットばかりではなくデメリットも多く、慎重な判断が必要です。
もちろん、賃貸が100%悪いというわけではなく、その後のライフプランによっては検討する価値も十分にあります。
最初にお伝えしたように「売る」のか「貸す」のかは本当にケースバイケースです。
そこでここからは、もしマンションを賃貸に出したと仮定して、その後のライフプランを考慮したうえで、売却と賃貸のどちらが良いかを考えていきます。
2-1. 賃貸として貸し続ける
- 実家に戻ることになった
- 別に新居を購入した
など、マンションに戻る可能性が限りなくゼロに近いのであれば、賃貸に出すことを検討してみても良いでしょう。
ただし、ずっと貸し続けるのであれば1つのビジネスであることを意識しましょう。
「ほったらかしでも家賃収入が入ってくる」という甘い考えならオススメしません。
ビジネスである以上「黒字」になる保証はなく、「赤字」があることも覚悟しなくてはいけません。
単純に「家賃収入=利益」となる訳ではなく、マンションを貸し出すには多くの経費も掛かります。
不動産業者への仲介手数料や管理委託費、部屋の修繕費、税金などを考慮しなければなりません。
さらに、ローンが残っているなら、空室時に新居とのダブルローンになる危険性もあります。
例えば、半年間入居者が決まらなかった場合をシミュレーションしてみましょう。
この時、もしも
- 生活を圧迫する
- ローンが払えなくなる
- 消費者金融からお金を借りなくてはいけなくなる
- 自己破産してしまう
といった危険性がある場合は賃貸経営をおすすめできません。
順調に経営し続ける事ができればいいのですが、入居者がいない限り収入は0円で、その他経費がまるまる赤字になります。
それが賃貸経営です。
長期間赤字が続いても生活を圧迫しないくらい収入に余裕があるか、蓄えが十分あるのかを十分に考えるようにしましょう。
2-2. いずれ売却する
「マンションに戻ってくる予定はないし、ビジネスとして賃貸経営をしたいという気持ちはそんなに強くない。でもマンションに愛着があるし、なんとなく今すぐ売るのはもったいない……。だから、とりあえず賃貸にでも出して様子を見よう」
このように考えてマンションオーナーになろうとする方がいますが、一番危険な考え方です。
確かに愛着があったり、買ったばかりだった場合、なんとなく手放したくないと思う方もいると思います。
しかし、とりあえず賃貸に出して様子を見てる間にも建物は劣化して資産価値は下がりますし、売却時に入居者がいる場合は、上記した通りに収益物件として売却するため安くなってしまいます。
また、今は愛着が強くても、引っ越した先で過ごしているうちに新天地に愛着が湧いて、前の家の愛着が薄れてしまうということは良くあります。
また戻ってくる時点で、
- 結婚
- 出産
- 子育て
- 子どものひとり立ち
- 離婚
- 両親を呼んで一緒に住む
などの様々な理由で生活が大きく変わっており、戻る予定だったマンションが生活に合わなくなっていることも多々あります。
その場合、別の新しいマンションを購入して、賃貸に出していたマンションは結局手放すことになることも多いです。
引っ越しでバタバタしている中で、とりあえず売却は先送りにしたいという気持ちはわかります。
しかし、いずれ売却するのであれば、少しでも経年劣化が進んでいない「今」の段階で売却に動くべきです。
ただでさえ、人口減少によって需要が減っている一方で、団塊世代による売り出しや、毎年作られ続ける新築物件によって供給量は増え続けています。
つまり不動産の需要が減少しているのに対して、供給が増加しているのが現状なのです。
今後、不動産の価格は急落せずとも緩やかな下落の可能性が十分にあります。
今なら良い値段で売れたはずの物件が、数年後には格安な値段でしか売れなくなってしまうという事も起きるでしょう。
もし「いずれ売る」のであれば、早めに行動をしていて損はありません。
売却査定と賃貸査定を両方同時に受けられる「マンションナビ」という無料一括査定サービスであれば、売る場合の金額と、賃貸に出した時の家賃を調べられます。
完全無料で試せて、かかる時間も60秒程度でかんたんなので、とりあえず「売却」と「賃貸」の金額を調べて見てもいいかもしれません。
2-3. いずれまた住む
「転勤の期間は3年」と期間が短期だとわかっている場合であれば、また同じマンションに戻ってくる可能性は高いでしょう。
そのため
「空室にしておくのはもったいない……マンションを離れてる間だけでも貸し出して家賃収入にしよう! そして、自分が戻るタイミングで、入居者に退去して貰おう」
と考える場合もあるでしょう。
もし、ただの空き家状態にしてしまえば、ローンやその他管理費などをただ払い続けるだけで、ただの金食い虫になってしまいます。
ですから、このように「確実にまた戻ってくる」とわかっている場合は、例えトータルで若干の赤字になる場合でも賃貸に出す価値はあります。
ただし、注意が必要なこともあります。
それは賃貸借契約は入居者の方が有利に作られているという点です。
オーナーの一方的な都合で、家賃をきちんと支払っている入居者を退去させることはできません。
例えば、賃貸借契約を結んだ数年後、オーナーが「戻ることになったので退去してくれないか?」と入居者に申し出たとします。
『分かりました』と入居者が同意してくれれば何の問題もありません。
しかし、入居者から『退去出来ません』と言われたら、オーナー側は対抗することができません。
つまり、自分がマンションに帰りたいタイミングで帰ってこられない可能性があるのです。
「いずれマンションに戻るけど、離れている間だけ貸し出す」という選択をするなら、オーナーの都合で簡単に退去してもらうことは難しい点を理解しておきましょう。
例外として「定期借家契約」を利用すると上記したリスクを回避できます。
「定期借家契約」とは、入居者に貸し出す期限をあらかじめ定めておく契約方法です。
その期限をもって確実に契約が終了となります。
戻ってくる時期が確定しているなら、離れている期間だけ定期借家契約で賃貸に出すことも考えてみましょう。
ただし、定期借家契約の場合は借主に不利ですので、賃料が相場よりも1~2割、場合によっては4割ほど安くなってしまいますので注意が必要です。
3. 実際にマンションを貸し出すことが決まったら
賃貸に出すことのメリット・デメリット、貸し出した場合のライフプラン、などを説明してきました。
ここまでを踏まえて、「自分のケースだとマンションを貸し出すのもアリだな」と考えている方もいるでしょう。
そこで、ここからは実際に貸し出すならおさえておきたい重要ポイントをご紹介していきます。
3-1. マンションを貸し出す時に考えたい3パターン
マンションを貸し出すことになったら、オーナー(貸主)と入居者(借主)が賃貸借契約を結ぶのが一般的です。
さらに、一般的な賃貸借契約の他にも大きく分けて3つの契約形態があります。
それぞれの特徴を解説していきます。
3-1-1. 定期借家契約
先ほど少し触れましたが、戻る期間が決まっているなら「定期借家契約」を考えてみましょう。
通常の賃貸借契約では、マンションオーナーの一方的な都合で入居者を退去させることは出来ません。
それに対し、定期借家契約ではオーナーが契約期間を自由に設定できます。
通常の賃貸借契約と違って契約更新もないので、オーナーが戻ってくるタイミングで確実に退去してもらえます。
例えば、3年後にマンションに戻ってくることが確定しているなら、3年間の定期借家契約を結べば良いのです。
そうすれば、「賃貸期間3年の更新なし」という契約になるので、3年後にマンションへ帰ってくることがでるようになります。
3-1-2. サブリース(転貸借契約)
賃貸に出しても空き室になれば家賃収入がありません。
もし「住宅ローン支払い」や「生活の足し」に家賃収入をあてにしている場合、ゼロになったら日々の生活に支障が出てしまいますよね。
そこで注目されているのが「サブリース(転貸借契約)」です。
一般的な賃貸借契約は「マンションオーナーと入居者」の間で交わされる契約となります。
それに対し「マンションオーナーと不動産会社(マスター契約)」「不動産会社と賃借人(サブリース契約)」の2つの契約が存在するものをまとめて「サブリース」と呼びます。
不動産会社は入居者から家賃を受け取ります。そしてオーナーは不動産会社から家賃を受け取ります。
オーナーはあくまで不動産会社に貸しているわけですから、毎月の家賃が不動産会社から支払われることになります。
そのため、オーナーはマンションが空室になっていても、入居者が家賃を滞納していても家賃を受け取ることができるというメリットがあります。
ただ、その代わりに不動産会社は実際の家賃から2割程度を差し引いて、残りをオーナーに支払うのが一般的なサブリースとなります。
この不動産会社の取り分を保証料という名目で受け取り、それを利益とします。
つまり、オーナーは家賃の2割を支払ってサブリースを利用することで、「空室リスク」と「滞納リスク」をまとめて解決できるようになるのです。
それだけ大きなメリットですが、もう一つメリットがあります。
それは、何もかもを不動産会社に丸投げできることです。
一般の賃貸借契約では、不動産会社はあくまで代理で管理をしているだけです。
不動産会社は代理の立場だと、何かをしようとするたびにオーナーに確認を取らなくてはいけません。
オーナーは確認のたびに、不動産会社へ返答しなくてはいけません。
しかし、サブリースの場合は入居者と直接契約を結んでいるのは不動産会社となります。
入居者と不動産会社が当事者となるような問題は、いちいちオーナーに確認する必要がなくなるのです。
例えば、家賃滞納などが起きても、オーナーの了承をいちいち取らずに、書面や電話での催告、連帯保証人への連絡、内容証明の送付、訴訟などスムーズに進めてくれるでしょう。
もし本格的に賃貸経営をビジネスとして考えているわけではなく、転勤の間だけ一時的に貸し出したいと考えている人からすれば、トラブルが発生するたびに確認の連絡が来るのはとても煩わしいものです。
そのため「手に入るお金が減ってもいいから、賃貸経営に関して時間を使いたくない」という利益最優先ではない方にとっては「サブリース」はメリットが大きいでしょう。
3-1-3. リロケーションサービス
上記した2つの「定期借家契約」と「サブリース」を組み合わせたようなものを「リロケーションサービス」と呼びます。
リロケーションのメリットも当然2つを合わせたものになりますが、以下の3つです。
- 定期借家契約で貸し出す期間も限定できる
- 入居者に家賃を滞納されても家賃保証される
- サブリースなので管理業務も丸投げできる
ただし、一般的な賃貸の管理契約では5%程度の管理料ですが、リロケーションの場合は10%ほどの管理料となるのが一般的です。
また、定期借家契約の場合は上記したように相場よりも家賃が安くなってしまいます。
つまり、リロケーションを利用し、なおかつ定期賃借の場合は、通常の賃借契約と比較して手に入るお金が少なくなってしまうことを理解しておきましょう。
リロケーションは転勤などでマンションに戻ってくる時期が確定していて、管理の一切は管理会社に任せておきたい、という方には適しているサービスと言えます。
ただし、リロケーションはサービスを提供している会社によって保証内容や、修繕費用などの負担は誰がするのかといった細かい違いがあります。
利用する際は契約内容をしっかりと確認する必要があります。
3-2. 貸し出す時は金融機関に相談
住宅ローンを返済中のマンションを貸し出すつもりであれば、金融機関に相談してからにしましょう。
なぜなら基本的に住宅ローンとは、契約者の居住を前提条件に貸し出されているものだからです。
お金儲けのためではなく、住居のためのローンだから安い金利設定となっています。
金融機関によって詳細は異なりますが、他人に貸し出すことになれば、賃貸用住宅ローンなどへの切り替えを求められることもあります。
賃貸用住宅ローンには、金利も高く、返済期間が短めに設定させれるので負担が大きくなってしまいます。
しかし、それでも金融機関には伝えておきましょう。
もし、金融機関に黙って賃貸に出し、後からそれが判明してしまった場合、契約違反として「ローンの一括返済」を求められることもあります。
では、賃貸用住宅ローンにしないと賃貸に出せないかというと、その限りではありません。
事情によっては住宅ローンのまま賃貸を許可をしてくれる金融機関もたくさんあります。
とくに「海外転勤」や「遠隔地への転勤」などは賃貸が許可されやすい理由です。
また、転勤以外でも仕方のない事情であれば、賃貸を許可してくれる金融機関は少なくありません。
黙って賃貸に出して、後からバレてローンを一括返済しなくてはいけない事態に陥らないために、事前に金融機関に連絡をしておきましょう。
4. 賃貸?売却?まだ迷ってるならお金で比較してみよう
この記事を読むまでは、
「なんとなく売るのがモッタイナイ……」
「もしかしたら戻って来るかもしれない……」
「簡単に家賃収入が手に入るなら貸し出してみようかな……」
と考えていたかも知れません。
しかし、ここまで読んでみて「戻ってくる時期が確定している」場合以外は、基本的には売却した方が良いとわかって頂けたのではないでしょうか。
特に「実家に戻る」「新居を購入する」「おそらく戻ってこない」など、将来住む予定のないマンションは、資産価値が下がってしまう前に早めに手放した方がいいです。
しかし、まだ賃貸か売却かを悩んでいる人もいるでしょう。
悩んでいる理由はそれぞれですから、この記事で取り上げた以外の理由をお持ちという事もあるでしょう。
そのような場合は「賃貸」と「売却」のどちらが金銭的に得となるのか、具体的な数値を試算して考えてみてましょう。
ここで参考にしたい数値が、「マンションPER」と「利回り」です。
4-1. マンションPERとは?
「マンションPER」とは、どのくらいの期間貸し出せばマンション購入価格が回収可能かを表わした数値です。
つまり「何年貸し出せば元が取れるの?」という意味ですね。
・マンションPER計算式
マンションPER=マンション購入価格÷(月額賃料×12ヶ月)
この数値が低いほど「早く元が取れる」ということになります。
・計算例
新築購入時5,000万円のマンションを20万円で貸し出せば、
5,000万÷(20万円×12ヶ月)=20.8333・・・
マンションPERは約20です。
賃貸に出せば20年で元が取れる計算になります。
一般的にPER20あれば賃貸に出しても良いラインです。
逆に、PERが30を超えてしまったら投資対象とは考えにくくなります。
4-2. 表面利回りと実質利回り
次にマンションの「利回り」を考えてみましょう。
不動産投資でよく耳にする言葉ですが、利回りには表面利回りと実質利回りがあります。
購入価格に対して、1年間でどのくらいの収益が出るか?という数値です。
・表面利回り計算式
年間家賃収入÷マンション購入価格×100
・計算例
5,000万円で購入して20万円で賃貸していると仮定します。(20万円×12ヶ月)÷5,000万円×100=4.8
表面利回りは4.5%となります。
しかし、マンションを賃貸に出す場合は、単純に「家賃収入」がそのまま「利益」になるわけではありません。
マンションを賃貸していくには運営には様々な「経費」が掛かります。
- マンション管理費
- マンション修繕費
- 都市計画税
- 固定資産税
- 火災保険
- 不動産会社への仲介手数料(広告費)
- 不動産会社への管理委託費
これらの経費はマンション、任せる不動産管理会社によって違うので一概には言えませんが、家賃収入の20%くらいになるのが一般的です。
このマンションを賃貸するうえでの運用経費を計算に入れたのが「実質利回り」です。
・実質利回り計算式
(年間家賃収入-運用経費)÷マンション購入価格×100
・計算例
例によって5,000万円で購入したマンションを20万円で賃貸しており、運用経費は2割で計算します。[(20万円×12ヶ月)-(240×0.2)]÷5,000万円×100
=[240-48]÷5,000×100
=192÷5,000×100
=3.84
実質利回りは3.84%となります。
ちなみに投資対象と考えるなら実質利回りは10%、最低でも7%は欲しいとことろ。
でないと空室や滞納といったリスクに耐えられないからです。
4-3. PERや利回りがいくら以上なら売却よりお得なの?
「マンションPER」であれば20以上、「表面利回り」であれば7%以上といったザックリとした数字を出しました。
しかし、この数字はあくまでビジネスとして不動産投資をする場合の基準です。
「転勤だけど戻ってくる時期はわからない・・・でも手放したくない!とりあえず残しておきたい!」などの理由であれば、赤字にさえならければ問題ないという方も多いかも知れません。
そのような場合の1つの基準として、下記の計算式を使いましょう。
・赤字にさえならなければ良い
年間家賃収入-(運用経費+年間ローン返済額)
運営経費は先ほど書いた通り家賃の20%、ローンはご自身でチェックして貰えば赤字になるかどうかは分ります。
(仮に5,000万円のマンションを月々15万円のローンで購入しているとします。)
・計算例
年間家賃収入240万円(月額家賃20万円×12ヶ月)
運用経費48万円(20万円×12ヶ月×1.2)
年間ローン返済額180万円(15×12ヶ月)240万円-(48万円+180万円)
=240万円-228万円
=+12万円
つまりこのマンションだと毎月1万円の黒字になります。
ただ、これは常に満室の想定です。
1ヶ月でも空室があればもう赤字に転落していましいます。
そして、その赤字の回収には単純計算で20か月の時間がかかります。
そのため、あなたがマンションから離れてすぐに入居者が見つかるのかは重要です。
入居者をすぐ見つけるためには、周辺エリアの賃貸需要を正確に把握しておく必要があります。
人気エリアなのか?
需要の高いマンションタイプなのか?
ライバルになりそうなマンションがすでに余ってないか?
これらを加味して家賃設定をしなければ、入居者はなかなか見つからないでしょう。
さらに、入居者がすぐ見つかってもその人がずっと住み続けてくれるわけではありません。
基本的には「マンションに戻ってくる時期が確定している」場合でなければ売却した方が良いと繰り返し書いていますが、それ以外でどうしても賃貸に出したいのであれば十分過ぎるくらいに情報収集をして、ある程度の赤字を覚悟してから判断しましょう。
5. まとめ
マンションを売却するか?賃貸するか?という疑問を様々な角度から書いてきました。
基本的には「基本的には売却した方が良い!」と一貫してお伝えしてきましたが、そもそも「売ったらいくらなのか?」「貸したらいくらなのか?」といった数字が分らなければ比較のしようがありません。
だいたいの数字であれば、類似物件の金額をネットなどで検索すれば分りますが、中古マンションは1つとして同じ条件のものはないため正確な数字は分りません。
そんな時に、一人で悩んでいても何も解決しません。
専門家の目線でベストな提案をしてくれるプロの不動産会社に頼ってしまいましょう。
- 売却したらいくらなのか?
- 賃料はいくら取れるのか?
何も難しいことはありません。
不動産会社に「売却査定」と「賃料査定」を依頼して比較するだけです。
単純に売却と賃貸を比較するだけでなく、以下の内容も担当者に確認しましょう。
- 売却した場合、ローン残債や売却時の税金を差し引いても手元にお金は残るのか?
- 賃貸に出した場合の不動産会社に支払う仲介手数料や管理費はいくらか?
- すぐに入居者は見つかりそうか?
- コストやローン、税金を払っても利益は残るのか?
ここまで詳細な内容を詰めていくことでようやく
「この金額で売却できるなら売って身軽になろう」
「思いのほか高く貸せるし、入居者も見つかりそうだから賃貸にしておこう」
など判断できるようになります。
ただ、ひとつ注意点があります。
売却査定にしろ、賃貸査定にしろ、必ず複数の業者に査定を比較するようにしましょう。
1社ではその査定金額が本当に正しいか判断できないからです。
中にはあなたの足元を見てくるような不動産会社もいるかも知れません。
必ず複数社を比較して、売るにしろ、貸すにしろ信頼できる不動産会社と担当者を見つけましょう。
現在はネット上で一括して複数社に査定依頼できる無料のサービスもあります。
このサービスは「不動産一括査定サイト」などと呼ばれ、不動産を手放す際のスタンダードになっています。
特に、売却か賃貸か悩んでいる方には「マンションナビ」という賃貸査定と売却査定を同時に行ってくれるサイトを使うと便利です。
貸し出すにしろ、売却するにしろ、愛着のあるマンションだと思います。
安易な気持ちで賃貸に出さず、今後のライフプランをしっかりと考えた上で総合的に決断をしてください。