マンション売却で強気の価格設定は危険?メリットとデメリットを解説


マンションを売却するのであれば、誰もができるだけ高く売りたいと思うでしょう。

しかし、あまりにも高い価格で売りに出せば様々なデメリットが出てきます。

そこでこの記事では、強気の価格設定のメリットとデメリットから、適正価格の見極め方、できるだけ高く売却するためのコツを解説していきます

ぜひ最後まで読んで、最大限の利益を得られるような売却を目指しましょう。

1. マンションの査定額の決まり方

マンションを売却する場合、まず最初に不動産業者から査定を受けます。

そして不動産業者を選び、媒介契約(仲介を依頼する場合に締結する契約)を結んだ後、査定額をベースに売出価格を決めていくことになります。

まずは、この「査定額」というものがどのような数字なのか理解しておきましょう。

1-1. 査定額とは

査定額とは、不動産業者が「この物件なら3カ月以内にこの価格で売れるであろう」という予想価格のことです。

マンション売却における査定は業者による買取査定ではなく、仲介による査定となるためあくまでも取引予想価格となります。

※業者買取もありますが仲介よりもほぼ確実に安くなるため多くでは仲介が選ばれる。

そのため、必ず査定額で売れるわけではありません。

査定された額よりも高く売れることもあれば、安くなってしまうことも十分にあります。

では、なぜ仲介だと査定額が安定しないかというと、マンションの価格は需要と供給で変動するためです。

同じマンションであっても、例えば平成バブルや、現在の不動産ミニバブルのように市場が加熱していると価格は上がります。

また、買い手の考え方や趣味などによって左右されやすく、「あなたのマンションが買いたい」のか「あなたのマンションでもいい」のかなどでも出せる金額は変わります。

結果として売り出した時の市場と、売り手と買い手の都合で取引価格は変わるのです。

そのため、基本的に不動産業者による査定額は「おおよそ3カ月以内に売れるであろう予想価格」であることを理解しておきましょう。

1-2. 自宅の売却で使われる「取引事例比較法」とは

不動産業者が査定額を算出する方法には「収益還元法」「取引事例比較法」という2種類が使われます。

「収益還元法」とは、マンションを収益物件として評価する方法です。
簡単に解説すると、例えば購入したマンションを賃貸物件と運用した場合に、どれくらいの利益が出るのかで物件の価格を決めます。

それに対して、「取引事例比較法」とは近隣などの似た物件の取引情報を参照したうえで、不動産市況やその他要因を考慮したうえで評価する方法です。

一般的に自宅の用途として所有されていた物件は、「取引事例比較法」によって査定が行われます。

「取引事例比較法」では周辺での取引を参考にしますが、隣の部屋や近くの類似物件が4000万円で売れたから、自分の家も4000万円で売れるわけではありません。

不動産市況の加熱具合はもちろん、物件の細かい属性なども考慮されます。

属性とは、例えば以下のようなものがあげられます。

階層
間取り
専有面積
築年数
室内の状況
眺望
角部屋
主要採光面の方角
駅からの距離
共用部
管理状態
マンションのブランド
学区
周辺環境
周辺の施設

これらを総合的に考慮したうえで査定額が算出されます。
そして、算出された査定額をベースに、売主の希望や状況を考慮し、不動産業者と十分に話し合いながら売出価格を決めていくことになります。

ただし明確な基準というものはなく、感覚的なところもあるため、不動産業者ごとによって査定額が変わってくるということも理解しておきましょう。

2. 強気に価格設定することのメリット・デメリット

実際にマンションを売却するにあたって、強気な価格設定をすることにどのようなメリットとデメリットがあるのかを解説します。

ここでの強気というのは、数社の不動産業者に査定を依頼したときに平均3000万円くらいのマンションを、3500万円や4000万円といった明らかに高い価格で売り出すことを指します。

2-1. 強気な価格設定をするメリット

まずは強気な価格設定をするメリットを解説していきます。

2-1-1. 相場よりも高い価格で売れる可能性がある

強気の価格設定をして売り出すことで、相場より高く売れる可能性が出てきます。

マンションとは上記したように、需要と供給で価格は変動します。
そのため、買い手にとって希少価値の高いマンションであれば、例え相場よりも高い価格でも売れる可能性があります。

ただし、タイミングが味方をし、業者選びで成功しない限りは、相場よりもはるかに高い価格での売却は極めて難しいです

ある程度資金に余裕がありあなたのマンションに希少価値を見出す買主がいて、その買主に物件情報を届けられる不動産業者の力があって初めて成立します。

相場からかけ離れるような価格での売却難易度は高いと理解はしておきましょう。

2-2. 強気な価格設定をするデメリット

続いては強気な価格設定をするデメリットを解説していきます。

2-2-1. 売却までに時間がかかる可能性がある

売出価格を高く設定することによって、売却までに時間がかかる可能性が高くなります。

例えば、周辺で類似物件が3件売りに出ていて、Aは3000万円、Bは3100万円、Cは3500万円だったら、普通は一番高いCの物件が一番最後に売れますよね。

つまり類似物件が市場に出ていると買い手が付きづらく、必然的に売却期間も長くなってしまいます。

2-2-2. 長期売れずにいると訳ありと思われる可能性がある

不動産業者は常に市場に出てくる物件をチェックしているため、ずっと売り出されている物件にも記憶に残ります。

そして長期間買い手が見つかっていない物件は、業者から「何かワケがあるのではなか?」と考えられ、お客さんに紹介されにくくなってしまいます。

訳あり物件を紹介して文句を言われるのは、仲介した不動産業者だからです。
誰も余計なトラブルを抱えたいと思わないため、長期売り出されている=何かリスクがあるかもしれない物件は紹介されにくくなってしまうのです。

2-2-3. 値下げが続くともっと安くなると思われる可能性がある

マンション売却では計画的な値下げをすることが通常です。
強気な価格で売りに出した場合も、しばらく反応が薄ければ値下げをすることがほとんどです。

例えば、3000万円が相場のあなたのマンションを3500万円で売り出したとします。
そんなあなたのマンションに対して「いいな、でも高いな」と思っているAさんがいたとします。

この人は3100万円であれば購入するのだけど……と考えているとします。

あなたのマンションは相場より高いため、買い手はなかなか現れません。
やがて仕方なしに値下げをします。

3400万円となりますがAさんからすると「まだ高いな」という値段です。
もちろん相場以上ですので買い手はなかなか現れず、あなたは再度値下げを行います。
そして、その値下げを繰り返すうちに、3100万円まで下がったとします。

本来であればAさんの希望価格のため、Aさんが名乗りをあげそうですが、実際は異なります。

Aさんはマンションの値下げを見ているうちに「何度も値下げをしているけど全然売れない。ということは、人気のない物件なのでは?それなら、もっと待ってればもっと安くなるかも」と様子見をするようになるのです。

結果として、3100万円で売れていたはずのマンションが、もっと安い価格になるまで様子見されて損してしまうという可能性があります。

2-3. 高く売りたいなら強気過ぎる価格は禁物

メリットとデメリットを見てわかる通り、強気の価格設定にはデメリットの方が多いです。

それでも、やはりできるだけ高く売りたいと思うでしょう。
その場合は「相場よりも高いけど買い手が食いつきそうな絶妙な価格」を設定することが大切です

それと同時に、買主のターゲット選定や、ターゲットの購買意欲を高められる広告作り、ターゲットが良く利用する広告媒体を活用できる不動産業者を選ぶことが重要です。

基本的にたくさんの不動産業者から査定を受けて、比較して高い査定額の業者は「あなたのマンションの売却に自身がある、実績がある、ノウハウがある」という可能性があります。

ただし、ただ単純に高いだけでは判断してはいけません。

媒介契約(仲介を依頼する際に結ぶ契約)を取るためだけの、高額査定の危険性もあります。

そのため、業者を選ぶコツをお伝えすると

  • 複数社(最低5社)から簡易査定を受けて高額査定の業者を3社以上選ぶ
  • 選んだ業者から訪問査定を受けて対応の良し悪しと最終的な値段を比較する
  • 査定額が良く、なおかつ対応も丁寧な業者を選び出す

という方法が、マンション売却が初めての人でも失敗しない可能性をグンとあげる方法です。

無料の不動産一括査定サービスなどを使うと、効率よく査定を受けられるので活用してみてもいいでしょう。

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3. 強気な価格設定にせざるをえないケース

希望として少しでも高く売りたいと思い、強気の価格設定にしたいという方もいるでしょう。
その反面、強気な価格設定ではないと売却できないという方もいます

それはローンの残債がまだたくさん残っている方です。

ローン返済中のマンションを売却する場合、残っているローンを全て返済する必要があります。
とはいっても、事前に全額返済するわけではありません。

通常は、ローンの残っているマンションを売却する際は、売却金などで一括返済をします。

この時問題となるのがオーバーローンです

3-1. オーバーローンとは

オーバーローンとは、マンションの売却金だけでローンを完済できない状態の事をいいます。

例えば、ローンの残債が3000万円で、マンションの売却金が3500万円であれば、売却金でローンを完済できますよね。
この状態のことをアンダーローンと言います。

それに対し、残債が3000万円に対し、売却金が2500万円の場合は500万円足りず、売却金だけでは完済できません。
この状態のことをオーバーローンと言います。

オーバーローンになってしまった場合は、返済に足りていない分のお金を用意できなければ売却できません。

そのため、相場が2500万円のマンションで残債が3000万円、差額の現金を用意できないとなると売却をやめるか、相場以上の強気な価格で売るしかなくなります。

そのため、まずは自分のマンションがオーバーローンになっていないかを確認しましょう。

3-2. オーバーローンではないか確認する方法

確認するには2つの数字を確認しましょう。

1つはローンの残債です。こちらは金融機関から定期的に送付される「返済予定表」を確認する方法が最も簡単です。

もう1つはマンションの売れる価格を確認しましょう。
不動産業者から査定をしてもらう事が一番確実ですが、1社の査定額だけではその査定額が正しいのかはわかりません。

そのため、複数の会社から査定を受けて、その平均価格を使ってチェックをするようにしてください。

時間がない、よくわからないという方は、とりあえず無料の査定サービスなどを活用して、まずは自宅の査定額を把握しておくようにしましょう。

万が一オーバーローンになれば、今後の人生設計にも影響を与えかねません。
くれぐれも、不確かな数字で確認したりせず、早めにチェックをしておきましょう。

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4. 強気な価格で売りたくても計画的な値下げは必要

マンション売却は平均で3カ月の時間がかかると言われています。
おおよそ3カ月で7割の物件が成約し、半年で9割の物件が成約すると言われています。

3000万円くらいで売れるマンションを4000万円で売り出し、ただお客が現れるのを待っていれば売れ残ってしまうでしょう。

ここで必要なことは「値下げ」です。

一切の値下げを行わず売りに出し続けてもいたずらに時間だけが過ぎてしまいます。

売却期間じゃ管理費やローンの利子、税金などで維持するだけでお金がかかっています。
また、建物の築年数がかさんでしまえば、余計に売りにくくなってしまうだけです。

そのため、売りに出して反応が薄い場合は値下げを行うことは、販売戦略的に必要なだと理解しておくことが大切です。

「オーバーローンになってしまい、これ以上値段は安くできない」という状況でない限りは、値下げをするという心づもりをしておきましょう。

基本的に、値下げのタイミングは3カ月を目安とするといいでしょう。
ただし、3カ月は目安ですので、信頼できる不動産業者を見つけ、相談をしながら決めていくようにしましょう。

5. 値下げ交渉に応じず強気で売却していい物件

マンション売却で切っても切り離せないものが、買主からの値下げ交渉です。

値下げ交渉は「計画的な値下げ」とは異なり、購入の申し込みから契約までの間に、買主から「値下げできませんか?」と言われることです。

マンションの売買では、基本的に値下げ交渉があると思っておきましょう。

そして、この値下げ交渉に応じれば「お得感」や、「せっかく値下げしてくれたのだから」という「買う理由」が増え、より成約する可能性が高くなります。
反対に、値下げ交渉に応じなければ購買意欲が下がり、成約に至らなくなってしまう可能性があります。

そのため、基本的には値下げ交渉に応じる余裕を持たせた価格で売り出します。
例えば3500万円で売りたいマンションを3580万円で売り出し、価格交渉の際に80万円値引くというような戦略がとられます。

ただし、この値下げ交渉に応じす、強気に販売してもいい物件があります。

それは

一般的に人気の高い地域にあるマンション
売り出してすぐに数件の問い合わせのあったマンション
希少価値の高いマンション(最上階角部屋、ルーフバルコニー、メゾネットタイプなど)
周辺に類似物件が1件も売り出されていないマンション

これらのマンションは値下げ交渉に応じなくても、他に買主が見つかる可能性が高いです。
強気に売却を進めやすいマンションと言えるでしょう。

ただし、強気過ぎると買い手は見つかりませんので、不動産業者としっかりと戦略を話し合ったうえで価格を決めるようにしてください。

6. 査定を受けたら決めるべき3つの基準価格

最後に、売却するうえで決めておくべき3つの基準価格について解説します。

6-1. 売却希望価格

売却希望価格とは、「この価格で売りたい」というあなたの希望を反映した価格です。
これが強気な価格設定にあたり、また売り出し価格となるでしょう。

本来であれば3000万円くらいのマンションだけど、3300万円で売り出してみたい。
そんな場合、3300万円があなたの売却希望価格となります。

この価格で売るのは難しいですが、時間に余裕がありできるだけ高く売りたいという方は、挑戦してみるべき価格です。

6-2. 売却妥当価格

売却妥当価格とは、不動産業者からの査定金額のことを指します。
3カ月以内にこの価格で売れるであろう価格で、おおよそ相場と言われる金額になります。

本来であれば3000万円くらいの物件の場合、3000万円がこの価格になります。

ただし、売却妥当価格というのは不動産業者の能力で変わってくるのもで、優秀な不動産業者と出会えるかどうかによって上下します。

そのため、必ず複数社から査定を受けて話を聞き、価格や対応を比較して信頼できる不動産業者を見つける手間は惜しまないようにしましょう。

6-3. 売却可能価格

売却可能価格とは、これ以上安く売れないという価格のことを言います。
ローンの残債などで、この売却可能価格は変わってくるでしょう。

また、あなたの気持ちとしてこれ以上安く売るくらいなら売らないという価格も売却可能価格です。

売りたくない価格で手放せば大きな後悔へと繋がってしいます。
そのため、査定したあとに必ず「自分の気持ちとしていくらまでなら手放せる」とういう価格を明確にしておきましょう。

そして、その価格以下になる場合は「売却しない」、「売却をやめる」という選択を選ぶことも大切です。

7. まとめ

強気の価格設定はデメリットもありますが、どうしても「その価格で高く売らなくてはいけない」「売りたい」という人もいるでしょう。

そういった方はとにかく多くの不動産業者から査定を受け、より高い査定額の不動産業者をみつけて、TOP3の業者をみつけましょう。

そのうえで、もっとも信頼できる不動産業者を比較検討して選ぶようにしましょう。

はたから見ても不動産業者の良し悪しはわかりにくいですが、実際に査定を受け、対応を比較することでかなり業者の審美眼は鍛えられます。

できるだけ多くの不動産業者と接触し、最も信頼できる業者(担当者)を探しましょう。
この業者探しで結果が9割決まると言っても過言ではありません。

とりあえず、まだ査定をしていないという方は、一度査定をして平均価格と最高査定額をチェックしてみましょう。

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