帰省後のこの時期、読者さまからこんな質問を頂きました。
「東京のマンションを売って、地元に帰って家を買いたいんですけど、何から始めれば良いのでしょうか?」
・親の世話をする必要が出てきた
・実家の稼業を継ぐことになった
・やっぱり地元で暮らしたい
このような理由から、東京など都心部のマンションを売却して、地元への住み替えを検討されている場合、何から手を付けて良いのか分らない方は多いはず。
そこで今回は、新潟県宅地建物取引業協会の空き家相談員であり、株式会社ai-will(アイウィル)代表取締役である春川様にインタビューを行いました。
Uターンによる住み替えについて、根ほり葉ほり聞いてみました。
1. 株式会社アイウィルと春川代表について
-はじめまして、マンション売却カレッジ編集者の菅原と申します。今回はインタビューを受けてくださりありがとうございます。
簡単な自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか?
春川代表:わかりました。株式会社ai-will(アイウィル)代表の春川と申します。本日はよろしくお願い致します。
-ご出身は新潟県柏崎市なのでしょうか?
春川代表:生まれも育ちも柏崎で、高校卒業後は東京で就職しました。
-東京での最初の就職先は不動産会社だったんですか?
春川代表:いえ、最初は百貨店の販売員でした。
-不動産とは全く違う分野での就職だったんですね。
春川代表:はい、でも振り返ると当時から接客業が好きだったんだと思います。
その後、結婚を機に地元の柏崎に戻ってきました。
-地元に帰って来てからはどんなお仕事をされたんですか?
春川代表:帰ってきてからはまず物流会社、子供が生まれてからは時間的に融通の利く市役所の臨時職員として働きました。
市の臨時職員では土木課だったので、当時の経験は今も生かされいます。
-次は、そろそろ不動産屋さんへの就職でしょうか?
春川代表:はい、市役所の次に不動産会社に就職しました。
ただ最初の動機は、父の病院の送り迎えにちょうど良い立地の会社だったからです(笑)
-不動産業に興味があったわけではないんですね(笑)
春川代表:ただ、仕事をしていくなかで不動産業を極めたくなっていきました。
向いていたのかも知れませんね。その時に宅建も取れたのはとても良かったです。
-そこからなぜ独立するこになったのでしょうか?
春川代表:子育てが一段落したタイミングで、懇意にしていた大家さんに「自分で頑張ってみればいいじゃないか」と言われたのがキッカケです。
-そういう経緯だったんですね。創業時から順風満帆だったんでしょうか?
春川代表:いえいえ、もちろんお金なんてなかったので助成金を活用しました。
そこから震災なども経て設立から今年で12年目になります。
-中越地震は私も被災しました。
春川代表:そうでしたか・・・お互い大変でしたよね。
でも、多くの方の助けによって新潟も復興できたので、「次に何かあったら今度は私たちが助ける番だ!」と思っていました。
そして起きたのが東日本大震災。この時は被災された方が柏崎にもたくさん避難してきたので、「私達の番が来た」と住宅支援に奔走しました。
-どれくらいの数の住宅を支援されたんですか?
春川代表:だいたい150組くらいの被災者の方を無料で住宅支援しました。
-150組を無料で!?それは凄いですね・・・困ったときはお互い様と言いますけど、なかなか出来ることじゃないです。頭が下がります。
春川代表:ありがとうございます。
2. 空き家の無料相談について
-ちなみに、こちらの名刺に書かれている「空き家相談員」というのはどういったお仕事なのでしょうか?
春川代表:正確には『公益社団法人 新潟県宅地建物取引業協会 柏崎支部 空き家相談員』となります。
空き家をすでに所有していて、(1)管理に困っている方、(2)今住んでいる家がこれから空き家になってしまう方、(3)空き家を相続される方、などに対して有効活用する方法を無料でコンサルティングしています。
-空き家の有効活用とは具体的にどういったものでしょうか?
春川代表:具体的には、(a)そのまま維持管理だけする、(b)解体する、(c)賃貸に出す、(d)売却する、といった選択肢があります。
実際に空き家の状態を確認しながら、どの選択肢が最適なのか、コンサルティングをしています。
-コンサル後に必要になってくる業者さんなどもご紹介して貰えるんでしょうか?
春川代表:もちろんです。
逆に、空き家を「買いたい」「借りたい」といった方の相談も受け付けています。
-では、空き家の所有者で困っている方、利用を検討している方、はとりあえず春川さんにご連絡すればいいってことですね。
春川代表:はい、気軽にご連絡ください。
3. 住み替え時のポイントは残債の有無
-では、本題なのですが・・・東京のマンションを売って、地元で家を購入したい、こんな風に考えている方はまず何から始めれば良いのでしょうか?
春川代表:最近増えていますよね。つい最近もそのようなお客様がいらっしゃいました。単純なUターンだけでなく、田舎に移住してみたい、農業をしてみたい、という方からもたまに問い合わせを頂きます。
-住み替え時に注意するポイントなどはありますか?
春川代表:そうですね。
多くの方が購入する新居に目が行ってしまいがちですが、大事なのは東京にあるマンションに残債があるかどうかです。
-住宅ローンが残っているかどうか、ということですか?
春川代表:はい、住宅ローンがどのくらい残っているかにもよりますが、今住んでいるマンションに残債があると新居で住宅ローンを組むのが難しくなります。
-東京のマンションに住宅ローンが残っている状態で、新居でもさらに住宅ローンを使いたい。と言うのは、銀行としては本当に返済できるか心配ですもんね。
春川代表:おっしゃる通りです。たまに「新居が見つかったらすぐに売るんだから銀行は大目に見てくれませんか?」というお客様もいらっしゃいますが、難しいのが実情です。
-銀行からすると「すぐ売ると言ってもいつ売れるか分らない」といったところでしょうか。
春川代表:そうですね。なので(1)新居を現金一括で購入できる(2)今のマンションに残債がない(3)属性(勤務先、年収)が凄く良い、という方以外は、まず東京のマンション売って、そこで得たお金で残債を0にすることから始めることをオススメします。
-残債の金額にもよるとは思いますが、全額を一気に返済できるほど貯金に余裕のある方はそうそういないですもんね。
では、地元での家探しは賃貸に住みながらといった感じになるのが一般的でしょうか?
春川代表:賃貸住まいされる方が多いです。あとは、ご実家に一時的に住まわれる方もいらっしゃいます。
-では、柏﨑での賃貸探しや、その後の住宅購入はアイウィルさんに相談すれば良いということですね!
春川代表:ありがとうございます。お待ちしております。