基礎知識 高く売るためのコツ

マンションの売却を検討している人にオススメしたい本3選

マンションを売る前に読むべき本

中古マンションの売却を検討している方は、マンションの売却経験が全くないという方も多いのではないでしょうか。
不動産は、そう何度も売ったり買ったりするということは少ないですから仕方ありません。

そんな時は、まず不動産業者に駆け込むのではなく、マンション売却のプロが指南してくれている書籍を一度手にとって見られてはいかがでしょうか?
(まぁ、当サイトの方が絶対に詳しく書いている自信はありますが、どうしても紙媒体が良いとい人のために。笑)

しかし、駅前の本屋さんレベルだと「マンション売却に関する書籍」はほとんど置いてません。

そこで今回は、私自身が、amazonで下調べをして、大型書店をいくつも回った結果、
「これならオススメできるかな」
と思った、おすすめの3冊をご紹介します。

1. 投資用マンションの売却ノウハウまで網羅

書籍名:不動産神話崩壊!こんな時代だから知っておきたい 中古マンション売却必勝バイブル
アマゾンで在庫をチェック→
著者:田中 徹也

本書は、マンション専門の売却アドバイザーであり、ファイナンシャルプランナー、不動産コンサルタントなど不動産や金融に関するエキスパートでもある著者が東日本大震災をきっかけに書いたものです。
地震大国日本では、いつどこで震災が起こるかわかりませんから、いざ身近なところで地震が起きた際には、せっかくの不動産も一瞬にして価値がなくなってしまうリスクがあります。

一方で、根強い終身雇用制度によって、マイホーム購入は一種のステータスでもあったという側面がありますよね。
そんな特殊な日本の文化の中で、未曾有の震災が起こったことにより、「不動産価値の急激な変化」が起こっています。

それについて、経済的な観点から冷静に判断し、「迷うなら売るべきである」と背中を押してくれる、それが本書です。

中古マンションの売却というと、一般的にはファミリー向けの分譲マンションが主流で、買い替えなどの理由で売却される方が大半ですが、バブル期に投資用物件を購入した方はたくさんいらっしゃいます。

このような方にとってみれば、通常のマンション売却ノウハウ本では物足りません。

本書では、投資用マンションの売却ノウハウまで網羅されているのが特徴です。

また、「こんなマンションは早く売った方が良い」という項目は、一つ一つ丁寧に理由が語られており、一般向けにも投資家向けにも役立つ知識です。

そして、あなたと営業マンが売却戦略を相談する際に知っておくと為になる「よくある質問コーナー」がQ&A形式でわかりやすく書かれているのもオススメのポイントです。

もし、あなたが不動産売却ビギナーであっても、売却の流れについて、フローチャート形式で図表に簡潔に表されていますし、売主が準備すべき費用についての試算表などの資料も満載なので、数字や表が苦手な方でも一目でわかります。

本書は、二冊目にご紹介する同著者の本よりも「よりわかりやすく」表記することが意識されているので、初めて売却するが少しは投資や不動産の知識はあるという方にベストな本と言えるでしょう。

2. 高く早く売るためのテクニックだけでなく売主の基本的な心構えから教えてくれる丁寧な一冊

書籍名:後悔しない・かしこく手ばなす 成功する中古マンション売却術
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著者:田中 徹也

本書は、前項でご紹介した「不動産神話崩壊!〜」の著者である田中徹也氏が、2009年に書いた本です。

中古マンションを売却する上で必要な知識を詰め込んだだけの本ではないので、一冊目にご紹介した本よりも、テンポ感は多少落ちます。
しかしながら、本書で得た知識を「知恵に昇華させるコツ」が丹念に書かれている本です。

マンション売却がはじめての人が、いくら一生懸命「知識」を詰め込んだところで、実際に使いこないせずに終わってしまうかも知れません。
知識を使いこなすためには「実際にどうすればいいのか?」を知っておく必要があるからです。

例えば、「マンション売却には不動産業者選びが大切」という知識があります。
しかし、これだけ知っていても信頼できる不動産業者を選ぶことはできませんよね?
大切なのは「良い業者を選ぶため実際にどうすればいいのか?」です。

この「実際にどうすればいいのか?」という部分を詳しく書いているのが本書の特徴になっています。

さらに、初めてマンションを売却する方は、読みやすさや分かりやすさでノウハウ本を選ばれることも多いです。
しかし、本書はもう少し踏み込んで、不動産売却を行う上で避けては通れない数字に関する情報もわかりやすく解説してくれています。

例えば、仲介手数料など数字に関する計算が図表ではなく文章で書かれています。
そのほかにも、税金面で優遇措置を受けられる「マイホーム売却時の特例」が国税庁のホームページからしっかり引用されているので、文言からきちんと正しい法的知識を得たいという方にはとてもおすすめの本です。

ただし、普段読書をしない方や、数字が苦手な方にはとっつきにくい印象を与えてしまう可能性があります。
そこで、とりあえず法的なことや税金、細かい計算などよりも、ざっくりとした売却の流れが知りたいという方には、シンプルでわかりやすい風戸氏の著書「マンションを相場より高く売る方法」の方が読みやすいかもしれません。
この本については最後にご紹介しますが、こちらを読了してから、本書を読まれると、より具体的に売主が準備すべき事や費用について鮮明になってくるでしょう。

そして、本書は、売却を成功させるためには見せかけのテクニックだけではなく、買主や不動産業者への「心遣い」も必要だと教えてくれる本です。
実際の売買の現場では、マンション自体は気に入ってくれたのに、売主と業者、売主と買主などの人間関係がこじれてキャンセルになるうようなケースもあるので、心遣いや配慮はとても大切です。
本書は約200ページありますが、冒頭にも本書の巻末にも、内覧者や買主を迎える心構えが記載されています。
「売主としての姿勢」がいかに売却成功において大切であるかということを、叩き上げの不動産業者だった著者だからこそはっきり教えてくれているのです。
この姿勢に共感できる方には良い指南書となるでしょう。

3. マンション売却ビギナーでもこれ1冊で最低限の知識が身に付く

書籍名:マンションを相場より高く売る方法
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著者:風戸裕樹、吉川克弥

今回ご紹介する三冊の中で、もっとも一般消費者向けの一冊だと言えるノウハウ本です。

こちらの本は、元ソニー不動産の執行役員で、不動産仲介透明化フォーラムを設立した著者が、不動産業界の問題点を知った上で、マンション売却検討中の人の目線に立ってわかりやすく説明してくれています。
また、同時に売主として必要な最低限の心構えも身に付けることができます。

「ファミリー向け分譲マンションを売却したいユーザー」という、最もありふれたパターンのシュチュエーションでお話が進行するので、不動産に詳しくない方でも、どのように売却契約まで進んで行くのかが、とてもわかりやすく書かれています。

本書は200ページに及び、読み応えがある本のように思えますが、優しい言葉で書かれているのでサクサク読めます。
多くの知識やノウハウが詰め込まれている難しい本よりは、まずは、限られた時間で基本的なポイントだけ押さえたいという方にオススメです。

特に素晴らしいのが本書の構成です。
「はじめに」という約10ページの総括部分さえ読めば、大まかな売却の流れが理解できてしまうのです。
大まかな流れを読むなかで、さらに詳しく知りたければ、シチュエーションごとに(本文〇〇ページへ)という矢印があります。
その本文該当箇所に進むと、専門用語や注意事項、ポイントを詳しく知ることができるようになっています。

また、図表やチェックリストなども随所に入っており、中古マンションの査定から売却完了までの間にどんなことがあるのかが、メリハリよく頭に入ってきます。

巻末付録の「マンションの売買契約に必要なもの」という章も、仲介業者を決定した時から売却が完了するまでの間に、必要となる物や知識が網羅されているので、チェックリストとして活用できます。

本書のデメリットを挙げるとすれば、不動産売却が初めての方向けの内容だということです。
何度か中古マンションの売却を経験されたことがある方や、不動産や金融系の知識をお持ちの方で、少しでも高く売りたいという気持ちの強い方には、少し物足りないかもしれません。

また、著者が元不動産仲介業に従事していたことから、「私たちが売却した物件」、つまり「高く売れてユーザーにも大満足された成功例」と思われる箇所がいくつか出てきます。
ノウハウ本であるため、成功例も失敗例もあって当然ではあるのですが、売却物件のバックグラウンドはそれぞれ異なります。
したがって、全てが著者の成功例のように全てがうまくマンションを高値で売れるとは限りません。
これはあとがきにも著者がはっきりと書いておられます。
このこと念頭においた上で読み進めた方が良いでしょう。

4. まとめ

今回は中古マンション売却の助けとなるオススメのノウハウ本三冊をまとめてご紹介しました。

・投資用マンションを売却されたい方や、金融系に少し詳しい方なら一冊目。
・テクニックはもちろん、買主に快く購入してもらう為に売主が知って起きたい基本的な心構えや、税金関係の基礎的な知識を深めたい方には二冊目。
・マンションの売却は初めてで金融の知識もないという方には三冊目。

ご自分の知識や目的に応じて、適した本を読んでみてください。
余裕があれば、何冊か読まれてみるのもおすすめです。

もちろん、これらの本に負けないように当サイトもどんどん更新し続けます。

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