近々でマンションを売る予定があれば、
「売却に有利な時期はあるのか?」
「売るタイミングとしてはオリンピック前なのか?後なのか?」
といったことが気になって当然です。
結論から言うと、マンション売却にベストなタイミングは2018年の今です。
「現在マンションの売却を検討している」
「数年以内に住み替えをする」
「オリンピック前後にはマンションを売ることになりそうだ」
このような方は一刻も早く、不動産会社に相談したり、査定依頼をするべきです。
今なら、驚くほど高い査定金額が提示される可能性があります。
というのも、不動産バブルが起きており、ほぼ間違いなく2018年現在が中古マンション価格の天井だからです。
「我が家は地方だから関係ない」
と思われる方もいるかも知れませんが、地方であっても局地的に中古マンション価格は跳ね上がっています。
そこで今回は、
まず、2018年現在の市況がマンションを売る千載一遇のチャンスであることの根拠をさらに詳しく掘り下げます。
もちろん市況だけでなく、マンション売却のタイミングを
・築年数
・季節
・税金
といった観点からも解説します。
「もっと早く売っておくべきだった!」
と、数年後に後悔しないためにも、ぜひ最後まで読み進めてください。
1. 不動産市況から考えるマンション売却のベストタイミングは2018年の今
繰り返しますが、マンションを売るベストタイミングは2018年の今です。
現在、中古マンション価格は天井であり、オリンピック前後には暴落する(バブル崩壊)可能性が非常に高いからです。
中古マンション価格は天井で高止まりしているといはいえ、一部地域は若干ですが下落の兆候が見え始めています。
このちょっとした下落は序章に過ぎません。
実態経済からかけ離れた現在の中古マンション価格はいずれ支えきれなくなり、もっと激しい下落(バブル崩壊)がこの先にあるからです。
あなたもご存知の通り、膨らみ過ぎた経済が必ずはじけることは過去の歴史が証明しています。
そのため、マンション価格が高止まりしている今のうちに売り抜けるのがベストな選択なのです。
- 直近でマンション売却を考えている場合はなるべく早く
- 数年以内の売却を考えているなら遅くとも2019年までに
マンション売却の目安としてはこのようになります。
1-1. 2018年現在のマンション価格が天井と言われる根拠
2018年が中古マンションの価格が天井であることは、
- 専門家の見解
- 中古マンション流通市場動向
の2点を見れば明らかです。
1-1-1. ①専門家の見解
日本生命のシンクタンクで、金融・不動産・保険などの研究をしている「ニッセイ基礎研究所」が行った不動産市況に関する大規模調査で、不動産専門家の7割が不動産価格のピークは2016年~2019年と結論付けています。
参考:ニッセイ基礎研究所
http://www.nli-research.co.jp/
1-1-2. ②中古マンション流通市場の動向
実際の中古マンション市場の動向も確認しましょう。
過去数年分の中古マンションの㎡単価は、「公益財団法人:東日本不動産流通機構」の発表する、「不動産流通市場の動向」で確認することができます。
参考:公益財団法人 東日本不動産流通機構 首都圏不動産流通市場の動向
http://www.reins.or.jp/trend/sf/index.html
不動産価格は、2012年(平成24年)12月26日に発足した安倍内閣の「アベノミクス」がきっかけとなり、2013年夏ごろから上昇し始めました。
参考までに、安倍内閣発足時(2012年10~12月)の首都圏地域別の平均㎡単価を確認してみましょう。
(万円/㎡)
東京区部 | 東京多摩 | 埼玉 | 千葉 | 横浜・川崎 | 神奈川他 | |
2016年10~12月 | 54 | 32.9 | 24 | 23.5 | 38 | 25.6 |
今では信じられないほど安く感じてしまいますね。
次に直近1年(2016年10~2017年9月)の平均㎡単価を見てみましょう。
(記事執筆が2017年12月なので2017年9月までのデータしかありませんでした。)
(万円/㎡)
東京区部 | 東京多摩 | 埼玉 | 千葉 | 横浜・川崎 | 神奈川他 | |
2016年10~12月 | 72.4 | 39.5 | 29.8 | 27.3 | 44.8 | 30.2 |
2017年1~3月 | 72.4 | 38.8 | 29.9 | 26.8 | 45.7 | 30.8 |
2017年4~6月 | 73.5 | 39.1 | 29.2 | 26.6 | 45.8 | 30.6 |
2017年7~9月 | 74.4 | 39.0 | 29.7 | 26.9 | 46.6 | 29.9 |
驚くくらい中古マンション価格が上昇しているのがお分かり頂けると思います。
注目して欲しいのは直近1年では微増減はあるもののほとんど㎡単価に大きな変化がないことです。
すでに中古マンション価格は天井となり高止まりしていることを顕著に表しています。
さらに衝撃的なのは、
太字が過去5年間(2013~)含めての最高価格となりますが、観測6地点中、4地点(東京都多摩、埼玉県、千葉県、神奈川県他)は現在が最高水準ではないということです。
一部地域ではすでに中古マンション価格が天井で維持しきれなくなっている言えます。
1-2. オリンピック前後で中古マンション価格の大暴落が起きる根拠
もっと激しい下落-バブル崩壊-がこの先にあると書きましたが、
具体的な不動産価格の暴落はオリンピック前後と予想できます。
根拠としては以下の、4点が考えられます。
- 東京オリンピックによる建設特需が終わるから
- 外国人投資家が爆買いしたマンションを一気に手放すから
- 量的緩和政策(金利引き下げ)が終わり住宅ローン金利が上がるから
- 消費税が10%に増税されるから
1-2-1. 理由①東京オリンピックによる建設特需が終わるから
オリンピック前後で中古マンション価格の大暴落が起きる1つ目の理由は、
東京オリンピックによる建設特需が終わるからです。
現在オリンピックに向けて、通常の倍以上のスピードで関連施設の建設を進めています。
つまり、多くの人材と資材をオリンピック関連施設の建設に割いているわけです。
慢性的な人材不足と資材不足は、人件費高騰と材料費高騰を招きますから、新築マンション一棟あたりの建築費も当然高騰します。
高騰した建築費は販売価格にそのまま上乗せされます。
直近5年の新築マンションの平均価格を確認してみましょう。
(単位:万円、70㎡換算)
2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | |
新築マンション平均価格 | 4946.2 | 5149.2 | 5854.1 | 5798.8 | 6128.5 |
5年で1182.3万円も新築マンションは値上がりしているのです。
このような新築マンション価格の上昇により、予算が合わなくなった買手は中古マンションに狙いを変更します。
結果的に中古マンション需要が増え、中古マンション価格まで上昇しているのが2018年現在の状況です。
つまり、中古マンション価格の上昇はオリンピックの建設特需が大きな原因となっているのです。
となれば逆もまた同じで、建設特需の終わりは中古マンション価格の下落を意味します。
- 建設特需が終わる
- 人件費・材料費が下がる
- 新築マンションの建設費が下がる
- 新築マンションの販売価格が下がる
- 新築マンション需要が増える
- 中古マンション需要が減る
- 中古マンション価格が下落する
このように、中古マンション価格の下落は上昇の時と綺麗に逆再生することになります。
建設特需の終わるオリンピック前のタイミングに、
中古マンションの価格も同時に下落し始める可能性が非常に高いのです。
1-2-2. 理由②外国人投資家が爆買いしたマンションを一気に手放すから
オリンピック前後で中古マンション価格の大暴落が起きる2つ目の理由は、
外国人投資家が爆買いしたマンションを、一気に手放す可能性があるからです。
東京オリンピックが決まって以来、東京中で不動産の再開発が進み、街自体の価値は上がりました。
街全体の価値が上がれば、その街の不動産価格が上がり、連動して首都圏全体の不動産価値も上昇しました。
その不動産価格の上昇を見込んだ中国人を中心とする外国投資家は、東京オリンピック開催決定直後にマンションを爆買いしています。
爆買いは、2013年から2014年に集中しており、購入後5年である2018年~2019年に一気に手放す可能性が非常に高いのです。
というのも、日本の税制では、以下のような税率になっているからです。
- マンション購入後5年以下の売却、売却益に35%の税金
- マンション購入後5年超の売却、売却益に21%の税金
投資家は実際に住んでいるわけではありませんから、5年を超えたタイミングで何の躊躇もなく一気に手放します。
不動産市場に一気に大量放出されれば、供給が需要を大きく上回り、中古マンション価格は急激に下がってしまうのです。
1-2-3. 理由③住宅ローン金利が上昇するから
オリンピック前後で中古マンション価格の大暴落が起きる理由3つ目の理由は、
量的緩和政策が終わり、金利が上昇する可能性があるからです。
2016年1月、日本銀行は安部政権が掲げる3本の矢の金融緩和政策に基づき「マイナス金利政策」を導入しました。
市中銀行(一般の民間銀行)は日本銀行にお金預ければ金利がマイナス、つまりお金が減ってしまいますから、一般企業や個人に金利を下げてでも貸し出すようになります。
こうして世の中に出回るお金を多くしようという政策です。
実際、住宅ローン金利は過去最低を記録しています。
住宅購入を検討している人にはまたとないチャンスですから、新築・中古ともにマンション需要が高まっているのが現状です。
しかし、お金が世の中に出回り過ぎると、お金の価値が下がり物価上昇(インフレ)が起こります。
現在の政策では、インフレに向けて誘導していますが、これを放っておくと逆に過度なインフレを引き起こしてしまうかも知れません。
もちろん過度なインフレが起こる前に、国は量的緩和政策を緩やかにし始めます。
そうなれば住宅ローン金利も上昇するので、マンション購入を考える人が少なくなり、結果的にマンション販売価格は低下することになるのです。
1-2-4. 理由④消費税が10%に増税されるから
オリンピック前後で中古マンション価格の大暴落が起きる4つ目の理由は、
2019年10月から消費税10%に上がる可能性が高いからです。
消費増税前は駆け込み需要-つまり「増税する前にマンションを買おう」と思う人が多くなります。
駆け込み需要は、未来にあった需要を先食いしているに過ぎません。
実際に消費税が10%に増税された後、その反動で需要は一気に落ち込んでしまう可能性が高いのです。
ただし消費税は事業者の提供するサービスや商品を受け取る時に支払うべき税金です。
つまり、売主が個人である中古マンションを購入しても、買主に消費税は課税されません。
それなら駆け込み需要とは関係ないようにも思えますよね?
しかし、実際には中古マンションは駆け込み需要の影響を受けます。
理由は3つあります。
- 売主が個人の中古マンションに消費税の課税がないことを知らない
実際、前回の消費税増税前に、中古マンション購入検討者を対象とした野村不動産の意識調査では、「今が買い時」と答えた人の理由の第2位が「消費税増税が予定されているから」という結果になっています。
- 仲介手数料には消費税が課税される
個人が売主の中古マンションの販売価格には消費税課税はありませんが、仲介手数料には消費税が課税されます。
- 不動産業者が売主の中古マンションも多い
中古マンション購入時に消費税課税されないのは売主が個人の場合だけ。不動産業者が中古マンション買い取り後リフォームして再販する場合などは、購入者は消費税を支払う必要があります。
2. 築年数から考えるマンション売却のタイミング
築年数からマンションの売却時期を考えていきましょう。
結論から言うと、売る予定があるなら築年数に関係なく、高く売れる今売却するのが正解です。
築年数が経過すれば中古マンション価格が下落することは大前提としてありますが、それ以上に「不動産市況」はマンション価格に大きな影響を与えます。
すでに述べたとおり、2018年現在の不動産市況は中古マンションにとっては追い風です。
いずれ売るなら、なるべく早く売却に向けて動き出すべきでしょう。
ただし、買い手のことを考えると、注意しておきたいタイミングが2つあります。
2-1. 築10年以内
野村不動産が実施した調査では、中古マンションを購入する際、築10年以内で探した人の割合が60%という結果が出ています。
やはり、築年数が10年というのが一定の区切りであり、10年以内が理想と思っている購入検討者は多いのです。
また、中古マンションを探している人の多くは、ネットで物件を検索します。
そのときに、「築10年以内」という条件で検索する人が多いのですから、10年を超えた日から検索結果に表示すらされないリスクもあります。
2-2. 築12~20年以内
つづいて、築12年~20年以内のマンションです。
マンションの構造はRC(鉄筋コンクリート)造が多く、RC造の法定耐用年数は47年です。
参考:国税庁 耐用年数表
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34354.php
中古マンションの購入者の多くは住宅ローンを利用しますが、
ローン審査時に、法定耐用年数の残存期間より長く返済期間を設定できない金融機関も少なくありません。
つまり、「残存期間=住宅ローン年数」というわけです。
そのため、住宅ローンの最長期間である35年を組めるのは、築12年(耐用年数47年-ローン期間35年)なので、築12年も一つの節目と言えるでしょう。
しかし、国土交通省の調査によると、中古マンション購入者は最長の35年ではなく、約27年で組んでいます。
参考:国土交通省 住宅市場調査報告書
http://www.mlit.go.jp/common/001178017.pdf
そのため、築20年(耐用年数47年-ローン期間27年)までなら、そこまで大きな問題はありません。
つまり、築12年につづき、築20年目までも一つの節目と言えるでしょう。
とはいえ、築10年を過ぎたから・・・、築20年過ぎたから当分売るのは諦めよう、という考えにはなりません。
繰り返しになりますが築年数よりも不動産市況の方が、マンション価格に及ぼす影響は大きいからです。
2018年現在の不動産バブルを享受するためにも、結局はなるべく早く査定取ったり、不動産屋に相談するべきという冒頭の結論に着地するのです。
3. 季節から考えるマンション売却のタイミングは春と秋
マンション売却の時期を「季節」から考えてみましょう。
結論からいうと、季節がマンション売却の結果に大きな影響は与えることはありません。
ただし、マンションの売却には時間がかかるという点は認識しておく必要があります。
3-1. 一般的にマンション売却は春秋が有利と言われる理由
一般的には、春と秋に不動産売買が活発になると言われています。
結論からいうと、春は需要が増えやすいですが、秋に関してはあまり関係ないでしょう。
秋が活発になるとされている理由は、人事異動による転勤が大きな理由として挙げられますが、信憑性はありません。
たしかに、日本では3月決算の会社が多く、後期(下期)が10月から始まるため、10月での人事異動が多いというイメージがあります。
ところが、国税庁の調査によると、3月決済が多いと言っても、全体の19%にしかなりません。
参考:国税庁 統計情報-2.直接税-法人税
https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/tokei.htm
しかも、10月から後期スタートの会社であっても、必ず秋に人事異動があるわけではありません。
実態は、業種や会社によってバラバラなのです。
秋に人事異動が多く、不動産取引が活発になるというのは完全にイメージで何の信ぴょう性もないことがお分かり頂けたと思います。
春については、就職・転職・入学と人がたくさん動くシーズンです。
特に、子供の入学に合わせたマンションを購入需要は増えます。
子供の入学は待ってくれないので、購入を後押しする最も強い理由と言って良いでしょう。
このような点から、春に不動さん売買が活発になるといのは信憑性があります。
実際、2月~3月のマンション成約件数が多いことは「東日本不動産流通機構」のデータでも発表されています。
参考:東日本不動産流通機構 月例マーケットウオッチ
http://www.reins.or.jp/trend/mw/index.html
この場合、4月から新生活をスタートさせたいわけですので、実際の売買契約は2月~3月になります。
ただし、この時期は売りたい人(競合物件)も多くなるので、特別売却しやすいとは言えません。
つまり、どの季節を選んでも売却結果に大差はありません。
もし、あなたに「売りたい時期」や「売らなければいけない時期」がなく、売却時期がある程度自由に選べるなら2月~3月の売却を目安に動き出せば多少は有利になるかも知れない-その程度の認識で問題ありません。
3-2. マンション売却は季節より期間を考える
どの季節にマンションを売却しても売却結果に大した影響はありませんが、期間は考えなければいけません。
マンションは売り出してすぐに買手が現れるわけではないからです。
~1ヶ月 | ・複数の不動産会社に査定依頼 ・業者&担当者選び ・業者と媒介契約を結ぶ |
3~6ヶ月 | ・内覧 ・申し込み |
6ヶ月~ | ・売買契約 ・決済&引き渡し |
あくまで目安ですか、マンションを売却するために必要な期間は6~8ヶ月を考えておく必要があります。
もし売りたい時期があるのであれば、この期間を逆算して売却の準備を始める必要があるのです。
例えば、3月中の引き渡しを目指すなら、逆算すると前年の8月、9月から不動産会社探しを始めれば、ある程度余裕を持って臨めます。
実際、3月引っ越しをしたい購入者は、半年くらい前からインターネットで探しはじめます。
そのため、3月引っ越しを考えている購入者に対しては、8月~9月くらいから売り出せばちょうどタイミング的にもピッタリです。
もし、購入者が早く見つかっても、あらかじめ売主から引き渡し時期は指定できるので問題はありません。
売買契約だけ早めに締結しておき、引渡し日を2か月先などの条件にしておけば良いのです。
4. 税金から考えるマンション売却のタイミング
税金の観点からマンション売却の時期を考えていきましょう。
マンションを売却した時に課される税金は、所有期間や築年数によって大きく変わってきます。
利用できる優遇税制が変わってくるからです。
あなたがマンション売るタイミングで、どの優遇税制が使えるのか確認していきましょう。
3年、5年、10年、25年の順に関連する優遇税制を解説します。
4-1. マンション売却時に課される税金の大前提
大前提として、マンションを売って売却益(譲渡所得)があれば、譲渡所得に対して39.63%の譲渡所得税(所得税+住民税)が課されます。
- 譲渡所得の計算
譲渡所得=売却価格-購入価格
実際はもう少し複雑ですが、譲渡所得のおおよそはこのように求めることができます。
なお、譲渡所得がマイナスであれば課税されません
※譲渡所得の計算はこちらで詳しく解説します。
売却予定のマンションがいくらで売れそうか分らない方は、読み進める前にまず不動産会社に査定して貰いましょう。
譲渡所得がプラスなのか?マイナスなのか?を把握しなければ、使用するべき優遇税制も変ってくるからです。
「すでに査定金額は把握している。」という方はそのまま読み進めてください。
4-2. 相続から3年以内なら相続税を取得費として加算できる
利用対象:譲渡所得がプラス(売却で利益出る)
相続したマンションを売却する場合に利用できる特例として「相続税の取得費加算の特例」があります。
参考:国税庁HP 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3267.htm
相続税の申告期限は、被相続人の死亡を知った日から10ヶ月で、納付期限も同じです。
そして、申告期限の翌日から3年以内に相続したマンションを売却すれば、相続税を取得費として加算できます。
譲渡所得の計算は下記のようになります。
- 相続税を取得費として加算した場合の譲渡所得の計算
譲渡所得=売却価格-(購入価格+所得費)
つまり、相続税を取得費として加算できるということは、譲渡所得が低くなり、譲渡所得税の節税につながります。
4-3. 住まなくなった日の3年目の年末までの売却で3000万円特別控除が利用可能
利用対象:譲渡所得がプラス(売却で利益出る)
3000万円特別控除とは正式名称を「マイホームを売ったときの特例」といい、
マンションを売却して発生した譲渡所得を3000万円まで差し引けるという特例です。
参考:国税庁HP マイホームを売ったときの特例
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm
この特別控除分を差し引いて実際に課税される所得を課税譲渡所得と呼びます。
課税譲渡所得は、下記のように求めます。
- 課税譲渡所得の計算
譲渡所得=売却価格-購入価格
課税譲渡所得=譲渡所得-3000万円
例えば、3000万円特別控除を利用すれば、5000万円で購入したマンションが、8000万円で売却できても譲渡所得税は0円となり課税されません。
地価上昇などで譲渡所得が発生するマンションでも、3000万円特別控除が利用できればほとんどのケースで譲渡所得税を非課税にできます。
不動産バブル真っ只中にある現在では3000万円特別控除の恩恵にあずかりたい売主さんも多いでしょう。
しかし、3000万円特別控除を利用するためにはマンションに住まなくなった日の3年目の年末までに売却しなければいけません。
居住中マンションの売却であれば関係ありませんが、すでに住んでいないのであれば注意が必要です。
4-4. 所有5年超なら譲渡所得税が20.315%に軽減
利用対象:譲渡所得がプラス(売却で利益出る)
マンションを売却した年の1月1日時点で、そのマンションの所有期間が5年超なら譲渡所得税の税率が39.63%(5年以下:短期譲渡所得)から20.315%(5年超:長期譲渡所得)に減税されます。
なお、居住用財産に対する優遇税制のため投資用不動産には適用されません。
ちなみに、3000万円特別控除との併用も可能です。
実際に支払う税額は下記のように求めます。
- 実際に支払う税額の計算(所有5年超)
譲渡所得=売却価格-購入価格
課税譲渡所得=譲渡所得-3000万円
実際に支払う税額=課税譲渡所得×20.315%(所得税+住民税)
所有期間があと少しで5年を超えそうで、かつ譲渡所得がかなり出てしまうマンションであれば、売却タイミングを延長することも検討してみましょう。
さらに5年という数字を考えてみると、売却予定のマンションを新築で購入している場合、築後5年間は建物部分の固定資産税が1/2に減税されています。
その恩恵を受ける意味でも、築5年を超えてから売却という判断は税金面だけで考えれば賢い選択です。
4-5. 所有5年超なら譲渡損失の損益通算および繰越控除制度の利用が可能
利用対象:譲渡所得がマイナス(売却で損失出る)
ここまで、マンションの売却によって利益が出た場合の優遇税制ばかり見てきましたが、損失が出た場合の税制優遇もちゃんとあります。
①特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
②マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
4-5-1. ①特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
利用対象:譲渡所得がマイナス(売却で損失出る)+住宅ローン残高がある
「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」とは、
マンション売却で出た損失のうち、住宅ローン残高の売却価格を超えている部分を上限として、他の給与などから差し引く(損益通算)ことができる制度です。
また、差し引ききれなかった部分に関しては翌年以降3年間に繰り越して差し引くこともできます。
参考:国税庁 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3390.htm
ただし、「①特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を利用するためには、
マンションを売却した年の1月1日時点で所有期間が5年超でなければいけません。
計算例・給与所得500万円
・5500万円で購入、2000万円で売却
・住宅ローン残高4000万円3500万円(損失)=5500万円(購入)-2000万円(売却)
2000万円(上限)=4000万円(残高)-2000万円(売却)
損失3500万円のうち2000万円を上限として、他の給与から差し引くことができる。
給与は500万円なので、売却した年を含め4年間は所得税・住民税が0円になるということです。
4-5-2. ②マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
利用対象:譲渡所得がマイナス(売却で損失出る)+買い換える
「②マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」とは、
マンションを売却した年の前年1月1日から、売却した年の翌年12月31日までに、10年以上のローンを組んで別のマンションや戸建を購入した場合、マンション売却で出た損失を他の給与などから差し引く(損益通算)ことができる制度です。
こちらも翌年以降3年間にわたり繰り越し可能となります。
参考:国税庁 マイホームを買換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3370.htm
ただし、「マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を利用するためには、
マンションを売却した年の1月1日時点で所有期間が5年超でなければいけません。
計算例は「①特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」と同じなので省略します。
4-6. 所有10年超なら譲渡所得税が10.21%に軽減
利用対象:譲渡所得がプラス(売却で利益出る)
マンションを売却した年の1月1日時点で、所有期間が10年超なら「10年超所有軽減税率の特例」が利用可能です。
所有期間が5年超なら譲渡所得税の税率が39.63%(5年以下:短期譲渡所得)から20.315%(5年超:長期譲渡所得)に減税されるとお話ししましたが、
所有期間が10年超なら10.21%にまで減税されます。
3000万円特別控除との併用もできるので、実際の税額は下記のような計算式で求めます。
- 実際に支払う税額の計算(所有10年超)
譲渡所得=売却価格-購入価格
課税譲渡所得=譲渡所得-3000万円
実際に支払う税額=課税譲渡所得×10.21%(所得税+住民税)
マンションを購入してから10年の時期がもう少しなら、売却タイミングを後ろにずらすことを検討してみましょう。
4-7. 築25年以上のマンションは買手が住宅ローン控除を使えない
今まで売主であるあなたの目線で税金と売却のタイミングを考えてきましたが、購入者の目線に立つと築25年も1つの目安になります。
というのも、築25年超のマンションは、購入者が住宅ローン控除を受けられなくなるからです。
住宅ローン控除とは、10年間、住宅ローン残高の最大1%が毎年の税金(所得税・住民税)から控除になる制度です。
控除額の上限は最大で年間40万円ですから、購入者にとっては大きな優遇になります。
そのため、築25年を超えるマンションは購入者から敬遠されやすくなってしまうのです。
売却予定のマンションが築後24年などであれば早期の売却を検討しましょう。
4-8. 税金の結論
マンション売却の時期を税金から考えてきましたが複雑で混乱されているかも知れませんね。
そこで、下記の2点からまとめてみます。
①売却で利益が出る
②売却で損失が出る
4-8-1. ①売却で利益が出る
マンション売却で利益が出る多くの売主さんは、3000万円特別控除を利用することで譲渡所得税を支払わなくて済むはずです。
ただし、査定した結果、3,000万円特別控除では差し引ききれず譲渡所得税が掛かってしまいそうだ・・・という売主さんのうち、
「来年の1月1日で5年(もしくは10年)超える」という方は売却のタイミング後ろにずらすのも1つの手段です
仮に、マンション売却で3,000万円の特別控除を利用しても、2,000万円の譲渡所得が発生するとします。
この場合、5年以下の所有(短期所有)であれば約780万円の譲渡所得税ですが、5年超の所有(長期所有)であれば約400万円になります。
とはいえ、売却時期を延長している間にバブルが崩壊してマンション価格そのものが下がってしまえば意味がありません。
結局は、利益の出るようなマンションは不動産バブルの影響を受けているわけなので、今のうちに売り抜けるのが正解です。
4-8-2. ②売却で損失が出る
マンション売却で損失が出る売主さんは「損益通算が使える5年超まで待つ」というのも1つの手段です。
損失の出るそれ以外のマンションは、売却時期を税金から考える必要はありません。
ただ、地方でも価格が上昇しているマンションはいくらでもあるので、明らかに損失出ると思っていたら利益が出るケースも少なくありません。
つまり、調べるまでもなく「明らかに損失が出る」という場合以外は、まずは査定を依頼してみましょう。
5. まとめ
ここまで解説してきた通り、マンション売却にに有利な時期・タイミングがあるのは事実です。
しかし、そのような要因のようなものを吹き飛ばすくらいに、2018年現在の不動産価格は高止まりしています。
そのため、近いうちにマンションを売る予定があるなら、この不動産バブルの高値で売り抜けるのが正解と言えるでしょう。
いずれにしろ、おおよそ「いくらで売れるのか」を把握しなければマンションの売却計画は立てられません。
マンション売却には時間がかかるので、まずはかんたんに始められる査定を受けてみましょう。