あなたがブランドマンションを所有しているなら、ちょっとしたコツを知っているだけで、高く、お得に売却することが出来ます。
結論からいうと、マンション分譲元の系列である不動産仲介会社を売却依頼の候補に含めることです。
その理由や、各ブランドマンションの系列仲介会社もお伝えしますので、最後までご覧ください。
1. ブランドマンションとは?
デザイン、設備、セキュリティー、共用施設など、あらゆる面をハイグレードな仕様にすることはもちろん、
ディベロッパーがシリーズ化することで認知度を高め、その名前自体に付加価値が付いたものをブランドマンションと呼びます。
例えば、三菱地所の「ザ・パークハウス〇〇」、野村不動産の「プラウド〇〇」、三井不動産の「パークコート〇〇」といったシリーズは申し分なくブランドマンションと呼べるでしょう。
ブランドマンションは付加価値や信頼性が高いため、築年数が古くなっても価値が大きく下落しません。
それどことか戦略的に動けば、購入価格より高く売却できる可能性も十分にあります。
また、ディベロッパーがブランド戦略を取り入れていない時代に建てられたものの、好立地に当時の最高スペックで作られた古いマンションもあります。
このような古いマンションの中でも、いまだに高い価値を維持し続けるマンションをヴィンテージマンションと呼びます。
ヴィンテージマンションはブランド名こそ冠していないものの十分にブランドマンションと言えるでしょう。
2. ブランドマンションは分譲元の系列仲介会社にも査定して貰う
査定は1社だけでなく複数の不動産会社に依頼するのが基本となります。
複数の査定金額を聞くことでより正確な相場感を養うことができるからです。
1社だけの査定金額を鵜呑みにして安く売り払われ大損・・・なんてことだけは避けたいですよね?
さらに、複数社に査定を依頼することで、不動産会社や営業マンも比較できるため一石二鳥です。
ただし、ブランドマンションを査定するなら、そのうちの1社に必ず分譲元の系列不動産仲介会社も含めてください。
もちろん、「絶対に系列仲介会社に売却依頼しましょう。」ということではありません。
「とりあえず、系列仲介会社の営業マンも査定に呼んで色々と話を聞いたり、質問してみてください。」ということです。
理由としては以下の4つになります。
2-1. 資産価値を正しく把握している
分譲マンションには「物件概要」を見ただけでは分らない、隠れた価値があります。
例えば、周辺環境や教育環境、管理や修繕の状況、元々どんな土地だったか、周辺で今後どのような開発予定があるか、といった情報です。
しかし、こうした隠れた価値まで把握している不動産会社はごく少数です。
唯一、物件概要だけで分らない隠れた価値をしっかりと把握しているのが分譲元の系列仲介会社になります。
系列仲介会社は、同じグループの分譲元や管理会社と情報共有しているからです。
他社では簡単に把握することができない隠れた価値は、系列仲介会社にとって大きなアドバンテージとなります。
そのため、自社のブランドマンションに関する社内試験を行い、合格者に認定資格を与えている仲介会社もあるくらいです。
(野村のプラウドマスター、東京建物のブリリアマスターが良い例。)
ということは、分譲元の系列仲介会社に査定を依頼することで、目に見えない隠れた価値を織り込んでより正確な査定金額を出して貰える可能性が高くなるということです。
自社ブランドにプライドを持っている営業マンも多く、間違っても相場以下の査定金額を出されることはありません。
さらに、実際に売却を依頼することになった場合、系列仲介会社ならそれ以外の業者では気付けない+αの価値を買手に上手くアピール出来るため、高額売却も期待できるでしょう。
2-2. 見込み客をたくさん抱えている
ブランドマンションには「ファン」がいます。
「絶対に〇〇のマンションに住みたい!」という買手です。
さらに、同じブランドマンションで住み替えを行う方もたくさんいます。
例えば、プラウド〇〇に住んでるけど、別の地域のプラウド△△に住み替えたい、といったケースです。
そういった買手の多くは、系列仲介会社に「中古で売りが出たら連絡をくれ!」と予約をしています。
系列仲介会社に売却を依頼すれば、こうした既に抱えている見込み客をすぐに連れて来てくれる可能性は十分にあります。
一般の不動産会社で一から買手を探すのとは早さが圧倒的に違うのです。
また、予約待ちが複数いる場合も多く、買手もライバルが多いことを知っています。
そのため、買手から無理な値引き交渉をされることが少ないのもメリットでしょう。
見込み客を多く抱えている系列仲介会社に売却の依頼をすることは、早期売却と高額売却を同時に達成できる可能性が高くなるのです。
査定時、営業マンに「既存の見込み客はどのくらいいますか?」と質問してみましょう。
2-3. ミスやトラブルがない
系列の仲介会社は、自社ブランドマンションの設備や共有施設、サービスはもちろん、管理規約や周辺環境まで熟知しています。
また、同じブランドマンションを何度も仲介しており、取扱いに慣れている営業マンもたくさんいます。
そのため、契約時のミスや引き渡し後のトラブルが極めて少ないのも売主のメリットです。
「このマンションは何度も仲介されてるんですか?」と営業マンに聞いてみましょう。
2-4. 自社ブランド限定のフォローアップを受けられることも
ブランドマンションの売却を系列仲介会社に依頼すると、様々なフォローアップを受けられる可能性があります。
例えば、検査合格した自社ブランドマンションに認定を与え、建物や設備の不具合が売却後に発生しても補修費用等を仲介会社が保障してくれるといったサービスです。
(※本来、引き渡し後でも瑕疵担保責任の期間内であれば、売主が補修費用等を負担しなければなりません。)
参考:Brillia認定中古マンション制度とは
http://sumai.goodnews.jp/nintei/
「自社ブランドのマンションだと何か特別なサービスはありますか?」と営業マンに聞いてきましょう。
この他にも、自社ブランド限定で特典を用意している系列仲介会社も多くあります。
具体的なフォローアップや特典を不動産会社名と一緒に確認していきましょう。
3. ブランドマンションと系列の仲介会社
シリーズ化されていれば何でもかんでもブランドマンションと言えるわけではありません。
資産価値の継続性、リセールバリューの高さがあってこそ、本当の意味でのブランドマンションです。
それらを実現するため、すでに述べたとおり、多くの系列仲介会社は自社ブランドマンションが少しでも高く売れるようにフォローアップを用意してくれいます。
そこで、ブランドマンションとその分譲元、系列仲介会社と売却時の具体的なフォローアップをご紹介していきます。
3-1. 住友不動産
分譲マンション供給戸数ランキングで2017年度の1位を獲得した最大手デベロッパーである住友不動産株式会社。
住友不動産分譲の主なマンションシリーズは以下になります。
- シティハウス
- シティテラス
- シティタワー
- グランドヒルズ
そして、住友不動産株式会社の系列仲介会社にあたるのが住友不動産販売株式会社。
住友不動産販売は「住友の仲介STEP(ステップ)」という名称で全国268店舗を展開しています。
具体的な自社ブランド限定特典として、
住友ブランドのマンションを住友不動産販売で売却すると、仲介手数料が10%オフになります。(2018年現在)
参考:住友不動産グループ関連物件ご売却特典 住友不動産販売 公式HP
https://www.stepon.co.jp/service/group_tokuten/
自社ブランド限定ではありませんが、高額売却のためのフォローアップは充実しています。
参考:売主様向けサービス 住友不動産販売 公式HP
https://www.stepon.co.jp/service/sell.html
3-2. 大京
大京グループにおいて、主要都市を中心にライオンズマンションシリーズを分譲しているのが株式会社大京、
仲介部門が株式会社大京穴吹不動産。
2015年に大京リアルドが穴吹不動産を吸収し「大京穴吹不動産」と名称を変更しました。
2018年現在、全国に店舗が50、営業所が16あります。
今のところ、自社ブランドに対して特別なサービスはありませんが、
無料のインスペクションやホームステージングを行う等、売却を力強くバックアップしてくれます。
参考:不動産を売りたい 大京穴吹不動産 公式HP
https://www.daikyo-anabuki.co.jp/sell/
参考:大京穴吹不動産の売却サポート 大京穴吹不動産 公式HP
https://www.daikyo-anabuki.co.jp/sell/support/
3-3. 東急不動産
電鉄系の不動産会社としては圧倒的な実績を誇る東急不動産グルーブでBRANZ(ブランズ)シリーズを分譲しているのが東急不動産株式会社、
仲介部門が東急リバブル株式会社。
2018年現在、東急リバブルの店舗は、全国183ヵ所になります。(※賃貸のみを取り扱う店舗も含めた数字)
東急リバブルは、BRANZシリーズに関する研修を完了した営業マンに「ブランズエキスパート」という社内資格を与えています。
BRANZオーナーは、ブランズエキスパートとしての査定金額や売却戦略を一度は聞いておく必要があるでしょう。
また、東急リバブルでBRANZを売却すると仲介手数料が10%割引になります。
参考:BRANZ(ブランズ)ご売却サポート 東急リバブル 公式HP
https://www.livable.co.jp/baikyaku/branzexpert/
3-4. 東京建物
東京建物グループでBrillia(ブリリア)シリーズを分譲しているのが東京建物株式会社、
仲介部門で東京建物株式会社の完全子会社が東京建物不動産販売株式会社。
Brilliaシリーズのマンションを売却する際は、東京建物不動産販売の認定中古制度を受けることができます。
認定中古制度は、一定の検査をクリアすることで、本来なら売主の責任となる建物や設備の不具合を、東京建物不動産販売が最長5年間保証してくれるといった内容です。
また、Brilliaシリーズのマンションを東京建物不動産販売で売却すると仲介手数料が10%オフになります。
参考:Brillia認定中古マンション制度 東京建物不動産販売 公式HP
http://sumai.goodnews.jp/nintei.html
さらに、社内で特にBrilliaシリーズのマンションを知り尽くしている「Brilliaマイスター」が、高額売却を後押ししてくれます。
参考:Brilliaマイスター 東京建物不動産販売 公式HP
http://sumai.goodnews.jp/mansion/brillia/meister/
3-5. 野村不動産
野村不動産グループにおいて、プラウドシリーズを分譲するのが野村不動産株式会社、
仲介部門が野村不動産アーバンネット株式会社。
野村不動産アーバンネットは「野村の仲介+(PLUS)」の名称で全国81店舗を展開しています。
野村不動産アーバンネットでは、社内でも特にプラウドに精通した営業マンを「プラウドマスター」と認定し、より良い条件での売却できるよう売主をバックアップ。
また、プラウドをはじめとする野村の不動産を購入し、野村不動産グループカスタマークラブに入会している方は売却時の仲介手数料が18%オフになります。
参考:プラウド(PROUD)のことならプラウドマスター 野村不動産アーバンネット 公式HP
https://www.nomu.com/proud-master/
また、自社ブランド限定ではりませんが、ハウスクリーニング、荷物の一時預かりなど売主は嬉しいサービスが充実。
参考:選べる住まいクリーニング 野村不動産アーバンネット 公式HP
https://www.nomu.com/plus/cleaning/index.html
参考:荷物一時預かり 野村不動産アーバンネット 公式HP
https://www.nomu.com/plus/nimotsu/index.html
3-6. 三井不動産
不動産業界においてNo.1といわれている三井不動産グループの分譲部門が三井不動産レジデンシャル株式会社。
以下が、三井不動産の主なマンションシリーズです。
- パークホームズ
- パークシティ
- パークタワー
- パークコート
- パークマンション
- パークリュクス
- ファインコート
仲介部門が三井不動産リアルティ株式会社となります。
三井不動産リアルティは「三井のリハウス」の名称で全国に279店舗を展開、2017年の売買仲介実績ランキングの1位です。
三井ブランドのマンションに対して、特別サービスを設けてはいませんが、
引き渡し後に本来であれば売主の責任となるような建物や設備の不具合に対する補修費用を三井のリハウスが保障してくれます。
驚きなのは一般媒介で売却した際にも上記のようなサービスを受けられる点です。
他社にも売主向けのサービスは色々とありますが、たいていは専任媒介で契約することが条件になっています。
参考:三井のリハウス360°サポート 三井のリハウス 公式HP
https://www.rehouse.co.jp/support/360/
3-7. 三菱地所
2011年に三菱地所、藤和不動産株式会社、三菱地所リアルエステートサービス、3社の住宅部門を統合し誕生したのが三菱地所レジデンス株式会社。
三菱地所が分譲していた「パークハウス」、藤和不動産が分譲していた「ベリスタ」を統合し「ザ・パークハウス」ブランドが誕生。
三菱地所グループの仲介部門が三菱地所ハウスネット株式会社で、店舗数は全国で30店舗近くあります。
三菱地所グループのマンションを三菱地所ハウスネットで売却すると、仲介手数料が10%オフになります。
参考:三菱地所分譲マンションオーナーの方へ 三菱地所 公式HP
https://www.mec-h.com/mt-selection/m_owner
さらにザ・パークハウスブランドのマンション売却であれば、5年間の建物・設備保証を受けることが可能です。
売却後に買主からクレームを受ける等のトラブルが回避できます。
参考:あんしん5年保証 三菱地所 公式HP
https://www.mec-h.com/sell/anshin5
4. まとめ
ブランドマンションは必ず分譲元の系列仲介不動産会社で売却しなさい!と言っているわけではありません。
大手の系列仲介会社とはいえ無能な営業マンはたくさんいますし、中小の不動産業者にも優秀な営業マンはいるからです。
系列仲介会社と媒介契約を交わしたところで、肝心の営業マンが無能で相場以下で売ってしまった・・・なんてことになれば本末転倒。
しかし、ここまで説明した通り、ブランドマンションなら分譲元の系列仲介会社で売却した方が有利なケースが多いのも事実です。
なので、まずは査定を依頼する何社かのうちの1社として、分譲元の系列仲介会社を含め色々と話を聞いてみましょう。
実際にコミュニケーションをとる中で、営業マンも信頼できそうだと感じたら、そこではじめて媒介契約をすれば良いのです。