インタビュー

自宅マンション投資の極意をタワーマンションオーナーに直撃

自宅マンションを売ったら儲かった。
こんな話題を耳にする機会は多いのではないでしょうか?

もちろん、意図せず購入したマンションが偶然値上がりして売却益を得た方がほとんどだと思います。
しかし、儲かるマンションをあらかじめ見極めることが出来れば、必然で売却益を叩き出すことも可能です。

そんな儲かるマンションを見極めることに特化したブログ「自宅投資戦略研究室」の運営者であるキタハッピーさんに今回インタビューを行いました。

結果から言うと、賃貸派だった私が突然新築マンションのパンフレットを大量に取り寄せるほど、衝撃的な内容になっています。
新築マンションの購入を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

1. 自宅マンション投資とは?

-はじめまして!マンション売却カレッジ運営者の菅原と申します。
まずは簡単に自己紹介をお願い致します。

キタハッピーさん:普段はWebエンジニアとしてCTOをやっています。
新卒2年目の2013年震災後に1件目を購入して、売却したら儲かったのでブログに書いてみたのが始まりです。
最近では、読者さんからの問い合わせも多いので相談に乗ったりしています。

-さっそくですが、自宅マンション投資とはどういったものなのでしょうか?

キタハッピーさん:自宅マンション投資とは、自分で住むためのマンションを買うだけで儲かってしまう不動産投資スタイルのことを言います。
自分で住むから空室リスクはありませんし、昨今の低金利、さらに住宅ローン減税もあるのでそこまで難しいことではありません。

-投資と考えた場合、空室リスクがないことは分ります。
それに、4000万円で0.8%の低金利で借りれていれば、年間の金利は30万ちょっとですよね?当時の年収から考えるに住宅ローン減税が30万ちょっとですから、金利が相殺できてお得感があるのは分ります。
ただ、儲かるというのはどういう理論なのでしょうか?

キタハッピーさん:もちろん、自宅マンション投資というくらいですから、どんなマンションを購入しても儲かるというわけではありません。

-購入するマンションさえ間違わなければ儲かるってことですね?

キタハッピーさん:その通りです。
例えば、私が売却した有明にあるタワーマンションを例にざっくりとした数字で説明すると、2012年に3800万円で購入した1LDKが、5年近く保有して、4000万円で売却できました。

-確かに普通に儲かってますね・・・凄い。
住宅ローン金利とかを考えても十分にプラスですもんね。

キタハッピーさん:そうですね。住宅ローン金利込みで考えてもプラスです。
・購入額 3800万円
・頭金 0円
・住宅ローン返済額 600万円(10万円×12ヶ月×5年内 内金利分100万円)
・売却時住宅ローン残債 3300万
・住宅ローン減税 150万円
4000万円で売却できたので、まず住宅ローン残債3300万を片付けて+700万円の黒字です。
そこから5年間のローン返済で-600万円ですが、まだ+100万円黒字です。
プラスで住宅ローン減税もあるので、最終的に+250万円ほどの黒字となります。

-5年間タダで都心のタワーマンションに住めたうえに、250万以上儲かったという事ですね。
でも、これはマンション価格が上昇したからこそですよね?

キタハッピーさん:あくまで投資ですから、もちろんその通りです。
ただ、仮に5年で価値が10%目減りしたとしても賃貸に住むよりは全然得ですよ。

2. 自宅マンションが値下がりしたとしても賃貸よりはお得

-近年の都心部に限って言えば、10%も値下がりすることは考えにくいですもんね。
最悪のケースとしては良い数字かもしれません。

キタハッピーさん:仮に賃貸で、ローン返済と同程度のマンションに住んだとすると、
・10万円×12ヶ月×5年=-600万円
先ほどの計算のうち、売却金額が-10%で3420万円になるので、
3420万円-3300万円-600万円+150万円=-330万円
・賃貸-600万
・購入-330万円
この位の資産価値の目減りだと儲かりこそしないですけど、賃貸よりは購入の方が得です。

-確かに・・・。15%くらいの目減りでもまだ購入の方が得ということになりますね。

キタハッピーさん:そもそも賃料10万円で、有明エリアで同レベルのスペックのマンションは借りられません。せいぜいキレイめな1Kがやっと。同レベルの1LDKを借りるなら20万円前後は確実にします。

-そう考えるとさらにお得感がありますね。自宅マンション投資恐るべし・・・。
私も自宅マンション投資したくなって来たんですけど、ぶっちゃけ・・・どんなマンションを買えばいいんでしょうか!!??ズバリ教えてください(笑)

キタハッピーさん:あくまで私個人の見解ですから責任は取れませんけど、大丈夫ですか?

-もちろんです!!!!!

キタハッピーさん:気合いが凄い・・・(笑)
まず、立地は絶対です。基本的に人口が増えていくような立地のマンションじゃないと投資対象になりません。
それこそ、郊外の低スペックなマンションを買っても間違いなく儲かりません。

-人口が減れば当然売りにくくなりますもんね。それは分ります。

キタハッピーさん:さらに絞ってみると、今後、国や自治体は人口減少社会に向けてコンパクトな超高層都市を目指すので、首都圏の好立地なマンションを買うべきです。
その中で、見えているトレンドから考えるに、東京再開発の渋谷・虎ノ門・東京の3点を軸にした沿線が狙い目だと思います。
2017年は池袋・渋谷・恵比寿・目黒・大井町・品川シーサイド間の山手・埼京線ラインの需要がすごく高まりました。
西側につられて2018年~2020年は虎ノ門・東京駅を円の中心にしたマンションが狙い目だと考えています。
例えば、錦糸町は東京駅から快速で8分という好立地にも関わらず、風俗やラブホが多いため、本来の価値よりまだまだ安く購入できる状態です。
ゾーニング(自治体による土地利用の制限)が進んで健全化されれば今後大化けする可能性があります。

-めちゃくちゃ勉強になります!!!ありがとうございます!!!

キタハッピーさん:はい(笑)後は、マンション新築三種の神器と勝手によんでる「①アウトフレーム(柱が室外にある工法)」「②ハイサッシ(天井まで高さのあるサッシ)」「③ワイドスパン(バルコニーに面した間口8m以上)」で、さらに横長LDKの間取りが取れる物件をオススメしています。

-なるほど。狙い目マンションがだいぶ絞れてきました。でも、ご自身は最初のマンションからこんなに戦略的な物件選びを行ったんですか?

キタハッピーさん:そんなことはありません。今のようにメソッドは確立しておらず、シンプルに人口が増えるかどうかしか考えていませんでした。
具体的には、2011年の震災後にマンションの売れ行きが絶不調で、有明エリアは土地こそあるけどまだ利便性が低い状況だったんです。
でも、マンション供給が引き続きされるということで人口増が期待でき、人口が増えれば価値が上がるかなと思って半分投資目的で購入しました。

-それだけでも十分な儲けを出せる可能性があるんですから、自宅投資を意識したマンション購入を行うべきですね。
ちなみに、売却を決めた理由はなんだったんですか?

キタハッピーさん:フリーランスになったことで有明のアクセスの悪さが問題になってきて・・・マンション価格も天井を少し過ぎたかな位の時期だったので。
あと、単純に売却してみたかったので売ってみました。

-売ってみたいから売るって凄いですね。もともと不動産がお好きなんですね。

キタハッピーさん:そうですね。好きなんだと思います。実際、不動産メディアのエンジニアもやっていましたし。

-だからお詳しいんですね。あと、不動産会社や営業マンはどのようにして選んだんでしょうか?

3. 優秀な不動産会社を見抜く方法

キタハッピーさん:最初は普通に「イエウール」という一括見積もりサイトを使って、5社くらいに査定をお願いしました。

-そのうちの1社に売却を依頼した感じですか?

キタハッピーさん:はい、査定金額は5~600万円くらい幅がありましたが、査定金額はあくまで査定金額でしかありません。
売り出してみなきゃなんとも言えないことは分っていたので、査定金額は参考程度に、人当たりの良さそうなイケメンパパ営業マンのいる大手不動産会社と専任媒介契約を結びました。

-そのイケメンパパさんの営業力はどうでしたか?

キタハッピーさん:全然ダメでした。事前連絡もなく、古いコンパクトデジカメで室内の写真を撮影しだして・・・最初から「あれ?この人で大丈夫なのか?」とは思ったんです。
全然片付いてない室内だったので「参考に撮ってるだけかな?」と思ったんですが、後日それが普通にSUUMO(スーモ)に掲載されていて焦りました・・・。すぐに撮り直すよう連絡しました。

-それは酷いですね。すぐに撮影し直してくれたんですか?

キタハッピーさん:撮影し直してくれはしたんですけど、それがまた驚きで・・・。
内覧中にお客さんを放置して写真を取り出したんです。

-新人だったんですかね?まぁ、新人だとしても一般常識としてあり得ないですけど。
聞くまでもないですが、営業力はどうだったんですか?

キタハッピーさん:内覧は3件入ったんですが、全くクロージングできていない印象でした。物件情報のインプットすら出来てなくて、ただ、付き添ってるだけの人になってましたね。
その後も、専任媒介で義務付けられている報告義務すらまともにしてくれなかったとりと、改善する様子がなかったので媒介契約を解除しました。

-そりゃそうですね。次に売却を依頼したのはどんな会社だったんですか?

キタハッピーさん:次にアローズリアルエステートという不動産会社に相談すると、1週間ほどで買い手が見つかりました。
営業マンは、私のマンション情報をしっかり頭に入れた状態で、査定に来てくれました。写真撮影も事前にしっかりと指示をくれたので、「営業マンでこんなに差があるものなのか」と思った記憶があります。
明らかに違ったのは、自社のネットメディアを使って、このマンションを買いたい!という買手リストを大量に抱えている点です。タワーマンションに特化したメディアを持ってるので、タワーの売却は得意なようでした。

-すでに買手候補を抱えている不動産会社なら早期の売却が可能ですよね。

キタハッピーさん:なので、売却を依頼する前に、常に買手リストを増やす努力をしている業者かどうか確認するのは大切だと思いました。

-よくあるレインズ登録と、スーモなどに掲載して後は問い合わせを待つ、というスタイルではなく自社で積極的に買手候補を増やしているかってことですね?

キタハッピーさん:その通りです。ただし「買手候補はいますか?」と営業マンに聞いたところで、『はい、たくさんいますよ。』と返されるだけです。
なので、実際にどのような手法で買手候補を増やしているのかという部分まで突っ込んで聞くといいと思います。

-なるほど、そこで「自社メディアを持っている」「定期的に購入セミナー」を開いているといった答えが返ってくればある程度信用できますね。

キタハッピーさん:特に自社メディアならその場でサイト名を教えて貰えればすぐに確認できます。
そこで微妙なサイトしか出て来なければ「ハッタリかも知れないな。」と判断することも可能です。

-自宅投資を考えている方はもちろん、これからマンション売却を考えている読者の方には貴重な体験談になったと思います。本日はありがとうございました。

キタハッピーさんのブログはこちら【自宅投資戦略研究室】
https://home-invester.hatenadiary.jp/

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