マンションを売却するうえで、価格を決める基準のひとつは「築年数」です。
一般的に築年数が増加するほどマンションの価格が下がってしまうことはご存知かと思います。
では、築20年のマンションは市場ではどのような物件かというと、「古い」という印象を持たれてしまいがちな物件です。
そのため、築浅の物件と比較した場合、築20年は売ずらい物件となってしまいます。
反面、マンションのセールスポイントや、需要(ターゲット)を理解することで、十分に高額売却を狙えるのが築20年のマンションでもあります。
ただし、築年数がさらにかさんでしまえば、売却すらことすら難しくなってしまうようなギリギリな築年数でもあります。
そこで、こちらの記事では築20年のマンションでも高く売れる理由や、より高額で手放すためのメソッドをお伝えしていきます。
最後まで読んで、ぜひ後悔のないマンション売却を行っていきましょう。
1. 築20年のマンションの資産価値はどれくらい?
マンションは基本的に築年数の経過とともに資産価値が落ちていくものです。
一般的に築20年のマンションの場合、新築時と比較すると50%前後まで下がってしまうといわれています。
三井住友トラスト不動産から発表された不動産マーケット情報のデータを元に、築年数ごとの坪単価をグラフであらわすと以下のようになります。
こちらは東京、大阪、愛知の3都市の平均価格のグラフとなっています。
「マンションは築20年までは価格がどんどん下がり、築20年以降はそこまで急な価格低下が見られない」ということがわかります。
また、このデータを元に築1年と築20年の坪単価をを計算した場合、下落率は以下のようになります。
3都市合計の下落率 | 約52% |
つまり、築20年のマンションは築1年のマンションよりも50%ほど価格が下落してしまうという事です。
ここまでは3都市の合計で計算しました。
次は地域別に見た築20年の坪単価から下落率を見てみましょう。
2. 地域別に見た築20年のマンションの実態
こちらでは上と同じデータを用いて、東京、大阪、愛知で分けて計算を行います。
まずは、それぞれの都市のグラフを見てみましょう。
・東京の平均坪単価
・大阪の平均坪単価
・愛知の平均坪単価
グラフの勾配には差がみられますが、おおよそ築年数の経過とともに価格が下落しているのが分かると思います。
また、同様に築20年以降の価格低下は緩やかになっていることがわかります。
このデータを元に、築1年と築20年の坪単価を計算した場合、下落率は以下のようになります。
東京の下落率 | 約43% |
大阪の下落率 | 約58% |
愛知の下落率 | 約63% |
都心部では価格の下落が比較的緩やかであるのに対して、地方になるにしたがって急激な下落を起こしていることがわかります。
またどの地域においても築20年の時点でほぼ底値になってしまうということもわかります。
築20年と築30年のマンションが同じ値段で売れると聞くと、納得いかないと感じる人もいるのではないでしょうか。
しかし、実際はこの数字だけではわからないカラクリが潜んでいます。
そのカラクリを知れば築20年が売却に有利だということを理解できるかと思いますので、順番に解説していきます。
なお、この記事を最後まで読んでも、あなたのマンションの正確な資産価値はわかりません。
その理由は、立地や間取り、方角、階層、周辺環境などの様々な要素が絡み合って価格が決まるからです。
そのため、もし詳細な資産価値を知るには実際に不動産査定を受けてみないことにはわかりません。
不動産は市場の動向に大きく左右され、地域の体感も重要なため、素人はもちろん隣町の不動産業者でさえわからない場合があります。
あくまでも、その地域に精通しているプロにしかわかりません。
もし、また自分のマンションの価格を知らず、気になるという人は不動産査定を受けておくことをおすすめします。
今後の人生設計にもかかわるような高額な取引ですので、早めに資産価値は把握しておくようにしましょう。
マンションナビのような一括査定サービスであれば、無料でネットからかんたんにできるので、活用して早めに査定額をチェックしてみることをおすすめします。
3. 築20のマンションが売却に有利な理由
ここまで、築20年以降はあまり価格が落ちないということを、実際に数字を見てお伝えしました。
売却する側の視点で見た場合、築20年と築30年が同じ価格で売れるとしたら少し納得がいかない部分もあるのではないでしょうか。
しかし、一見すると価格は同じでも、築が古くなれば古くなるほどデメリットが多くなります。
まずは、築20年だから有利な理由について解説していきます。
3-1. 理由1、築20年は同じ価格帯の中では築浅
マンションを購入する人は、あらかじめ決まった予算の中でマンションを探します。
予算は3000万円と決まっている人は4000万円の物件を買うことはありません。
3000万円で納得できる物件を探します。
そのため築20年のマンション売却は、同価格帯のライバル物件の多くが、同じ築年数か、あるいはもっと築古の物件のみとなるのです。
基本的に築浅物件はもっと高額帯となるのでライバルにはなりません。
これは築浅の物件と比較すると、お手頃価格の物件でもあると言えます。
そのため、本来は3500万円の価格帯でマンション探していた人が、築20年のマンションを3000万円で購入して500万円で自分好みにリフォームをする、というケースもあります。
結果、必然的に築20年の物件の方が売りやすくなるのです。
売れやすいと分かっていれば、チャレンジ価格(相場よりも高めの価格)で売却を開始することができます。
そのため、他の築20年以降の物件よりも売りやすいうえに、高額で売却できる可能性が十分にある築年数なのです。
3-2. 理由2、築20年のマンション資産価値は安定している
築20年の時点で底値に近い価格となっているので、築年数が経過しても売却する時にあまり価格が変わらないという安心感があります。
例えば、新築のマンションを5000万円で買ったとして、築15年になれば3000万円程度まで下がってしまう事は少なくありません。
それに対し、築20年のマンションを2000万円で買った場合、築35年になっても売却価格はほとんど変わらない可能性が高いのです。
売却に時間がかかったり、リフォームのための出費はあるかもしれませんが、少なくとも築浅のような急激な価格の下がり方はしません。
3-3. 理由3、耐震性の面で安心
築20年のマンションであれば、1981年6月に施行された新耐震基準をクリアしているマンションであり、震度6強~震度7に耐えうる構造となっているマンションです。
旧耐震性基準では震度5強に耐えられることが基準となっていたので、新耐震基準をクリアしているマンションは、築年数がかさんでいても購入者が安心できる要素となります。
3-4. 理由4、築浅なほど成約率が高くなる
何よりも問題なのは、古い物件ほど売れなくなってしまう可能性が高くなるということです。
こちらのグラフをご覧ください。
こちらは、東日本不動産流通機構の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)」の調査結果のデータを元に作成したものです。
「新規登録」というのは、新たに市場に出された中古マンションのことで、「成約」というのは、実際に取引された中古マンションのことです。
このグラフからわかることは、市場に出された中古マンションは築26年以上だけで47.5%を占めているのに対して、売れたのは33.7%しか売れていないということになります。
言い換えれば、築古マンションはたくさん売り出されているのに、売れ残ってしまっているものが多いという事です。
それに対し、築の浅い物件はちゃんと売れているため、数字の逆転現象が起きているのです。
このことから、築古になればなるほど、売ることすらできずに持て余してしまう可能性が高くなってしまうのです。
そのため、不動産価格の高騰しているいまのうちに築20年のマンションを手放すというのは、実は手堅い選択なのです。
4. 築20年のうちに売却した方が良い理由
築20年のマンションは、売却するうえで有利な条件が多くありますが、逆に瀬戸際の築年数でもあります。
もし、このまま築年数がかさんでいった場合、年々売却が不利になっていってしまいます。
次に、どのように不利になっていくのか具体例をあげながら解説していきます。
4-1. 理由1、古くなると管理費や修繕積立金が高くなる
近年では、段階増額積立方式のマンションも増えており、定期的に管理費や修繕積立金が高くなるマンションが増えています。
段階増額を採用している多くの物件では、5年ごとに費用が見直しされています。
つまり、築が古くなればそれだけ、毎月の固定費が高くなってしまうという事です。
同じ価格のマンションで築20年は毎月15000円を支払い、築30年のマンションでは毎月25000円を支払うとしたら、年間で12万円もの負担に差が出てしまいます。
また、マンションの空き家率が高くなると修繕積立金が思うように集まらなくなり、大規模修繕の際に一時金が徴収されるというケースもあります。
築年数が増えれば増えるほど、毎月支払うお金も多くなり、なおかつ一時金の徴収というリスクも増えます。
そのため、築30年のマンションよりも築20年のマンションの方が好まれやすくなります。
4-2. 理由2、築古はリフォームが必要になる
実際に取引されている価格は、築20年も築30年もほとんど変わりません。
しかし、築30年にもなると、設備や内装が相当痛んでしまったり、デザインが古くなったりと売却しにくくなってしまいます。
そのため、リフォームをしてから売却する人も少なくありません。
リフォームの規模にもよりますが、およそ200万円~600万円程度の費用が発生します。
つまり、築20年以降の売却価格がさほど変わっていない理由には、リフォームなどで出費した分を上乗せした結果という一面もあります。
そのため、実は手元に残るお金は築20年のマンションの方が多いというケースも多々あるのです。
4-3. 理由3、築25年までのマンションでないと住宅ローン控除が受けられない
住宅ローン控除とは、不動産の購入後10年間にわたり最大400万円の税金の還付を受けられる制度のことです。
2014年3月までは最大200万円だったものが、現在は最大400万円(消費税10%に伴い2019年10月~2020年12月は最大480万円)と変更されました。
あなたのマンションが以下の条件を満たしている場合、買主はこの住宅ローン控除を受けることができるようになります。
- 床面積が50㎡以上の住宅
- 国の定める耐震基準などを満たしている
- 築25年以内のマンション
そのほかに、購入者側にも適用条件がありますが、売りに出すマンションが上記を満たしている場合は「住宅ローン控除が使える物件」となります。
築20年であれば基本的に条件を満たしている物件ですので、それだけで購入者からするとメリットのある物件となります。
逆に、築25年を過ぎてしまうと、買主が購入時に住宅ローン控除を使えず、それだけで割高な物件となってしまうのです。
このようにマンションの売り時を逃してしまうと、安く売ることになったり、売却しづらくなるというデメリットがあるのです。
5. 住宅ローンが残っているマンションでも売れる?
売却を考えている多くの方は、ローンが残っている状態での売却を検討してるのではないでしょうか。
そこでまず結論からお伝えすると、ローンが残っている状態での売却は可能です。
ただし、残っているローンの全額を返済することが基本条件となります。
もしもマンションを売却したお金で一括返済ができない場合、金融機関から売却の許可が下りない可能性があります。
例えば残債が2700万円あり、売却金で2400万円返済できたとします。
この場合、残りの300万円を現金出補填することができそうであれば売却できます。
逆に、補填できない場合はそもそも売却できないという可能性があるのです。
そこで、現在売却の可能性があるという方は、一度売却金で一括返済が可能かどうかを調べてみましょう。
調べる方法は2つの数字を準備します。
- 住宅ローンの残債
- いまマンションを売ったらいくらになるか
そして、売却金で残債を一括返済可能かを計算してみましょう。
5-1. ①「住宅ローンの残債」の調べ方
住宅ローンの残債を調べるには、金融機関から郵送された「残高証明書」や「返済予定表」を確認するか、金融機関の担当者に連絡して詳細な数字を確認しましょう。
住宅ローンの返済は基本的に、組んですぐは利子の返済が多く、元本の減りが少なくなります。
そのため、「毎月〇万円を返済してて〇年返済したから、残債は〇万円くらいか」とざっくり計算すると、想像以上に残債が多かったということになってしまいます。
必ず、正確な数字を用意しましょう。
5-2. ②いまマンションを売ったらいくらになるか
現在のマンションの資産価値を調べる方法は2つあります。
「不動産鑑定士」に鑑定依頼するという方法と、「不動産業者」に査定依頼をする方法です。
「不動産鑑定士」に依頼する場合、一般的に20万円~30万円ほどの費用がかかります。
無駄な費用を抑えたい場合は「不動産業者」に無料の査定依頼をしてみましょう。
マンションであれば、マンションナビというサービスで無料査定が受けられます。
1分程度で完了するので、とりあえず試してみてもいいでしょう。
ただし「残債=売却金」では安心してはいけません。売却には仲介手数料やもろもろの費用がかかります。
売却金の10%程度は費用などで使い、返済にはあてられないという前提で計算してみましょう。
6. 築20年のマンションはリフォームしてから売るべき?
まず結論をお伝えすると、リフォームすることはおすすめしません。
確かに築20年のマンションは決して新しいマンションではありません。室内もそれなりに経年劣化しているでしょう。
しかし、リフォームをしたからと言って、リフォーム費用を回収できる保証はありません。
例えば2000万円が相場の物件を500万円かけてリフォームしたとしましょう。
これで2500万円で売れればトントンですが、もし2300万円でしか売れなければ200万円の損です。
実質2000万円が相場の物件を1800万円で売ってしまったのと同じ事になってしまいます。
そもそも、築20年のマンションを探している人は、それなりの古さを理解したうえで物件を探すものです。
そして、購入後に自分たち好みにリフォームをしたいと考えている事も多いです。
近畿圏不動産流通機構の市況レポートによると、中古住宅を購入した人でリフォームをする予定がないというのは25.5%でした。
つまり、購入後にリフォームしたいと考えている人は74.5%もいるということです。
約4分の3の中古住宅購入者が自分でリフォームをすることを前提に購入しているのです。
そのため、もし手を加えるにしても大規模なリフォームはせずに、最低限の修繕くらいにとどめておくことをおすすめします。
7. 賃貸に出すのはアリ?ナシ?
売却を検討している人の中には、場合によっては賃貸に出すのもアリなんじゃないかと思っている人もいるのではないでしょうか。
しかし、賃貸に出すことはおすすめしません。
もし、賃貸に出すのであれば
- すでに住宅ローンを完済している
- 都市部の立地の良い物件
この二つに該当するようなら、賃貸に出しても成功する可能性も十分あるでしょう
しかし、それ以外の物件であれば基本的に賃貸はおすすめできません。
それには主に2つの理由があります。
7-1. 理由1、住宅ローンの問題
住宅ローンは超低金利で借りていますが、あくまでも居住用という利用目的で契約を結んでいます。
そのため居住用から賃貸用に運用を変えた場合、比較的金利の高いアパートローンに組み替える必要が出てくる可能性があります。
つまり、返済額が増えてしまうというデメリットがあるのです。
金融機関によっては「転勤」などをやむを得ない理由とし、住宅ローンのまま賃貸に出せるケースもありますが、あまり期待はしないほうがいいでしょう。
なお、黙って人に貸してしまった場合は契約違反として、残っているローンの一括返済求められてしまう可能性があります。
もし賃貸に出す場合は必ず、ローンを組んでいる金融機関に連絡をしなくてはいけません。
7-2. 理由2、賃貸にはリスクが大量
賃貸に出した場合の主なリスクを以下にまとめます。
・空室になってしまった場合、かかっている経費(クリーニング代や設備の修繕費、税金、賃貸管理委託費など)がまるまる赤字となってしまう。
・家賃を滞納された場合も上記と同様になる(必ず払ってもらえる保証はない)
・空室が続けば貯蓄を切り崩してローンを返済することになる。
・新居を購入してローンを組んだり、賃貸に入っている場合は2重で支払いが生じ、生活を圧迫される危険がある。
・そもそも新たなローンを組めず新居や車が買えない可能性がある。
・入居者がいる限り売却もできなければ、自分が戻って住む事もできない。
・入居者に部屋を雑に扱われ、大きく損傷してしまう可能性がある。
・事件や事故が起きて事故物件になり、資産価値が一気に下落してしまう危険がある。
・毎年確定申告の手間がかかってしまう。
自宅を賃貸に出した場合、このような多くデメリットがあります。
また、空室が続いたり契約更新の時期になると、不安がつのって精神的につらいという状況にもなります。
そのため、なんとなく「不労所得っていいかも」と賃貸にてを出した場合、のちのち「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまいかねません。
賃貸経営は「経営」です。事業計画も必要となります。
それを理解したうえで賃貸を検討するようにしましょう。
7-3. リスクを理解したうえで賃貸に興味があるなら賃貸査定
上記したリスク理解したうえで、賃貸経営に興味があるという人は賃貸査定を受けてみてもいいでしょう。
賃貸経営では後悔する人もいる半面、運用に成功して生活にゆとりができたという人もいます。
マンションナビという不動産一括査定サービスの場合は、売却査定と同時に賃貸査定も受けることもできます。
これは「もしも賃貸に出した場合、毎月どれくらいの家賃収入を見込めるか」という数字を、不動産業者が算出してくれます。
興味があるという人は、まずは賃貸査定を試してみましょう。
8. 築20年のマンションをできるだけ高く売る方法
築20年のマンションは、一般的には古い部類のマンションとなります。
その分、築浅と比較して売却価格は安くなってしまいがちです。
しかし、その築20年の相場よりも高く売却するチャンスは十分にあります。
こちらで紹介する方法は「必ず高く売れる方法」ではありません。
しかし、相場より安く売ってしまう危険を回避し、できるだけ高く売るためには間違いなく役に立ちます。
当たり前でありながら、意外と知らないという人や、やり方がわからないという人も分かりやすく解説していきます。
8-1. 不動産業者の能力はピンキリ
まずは前提として、不動産業者には優秀な不動産業者もいれば、能力の足りていない不動産業者もいます。
一般の方からすると、やることは変わらないだろうしどの不動産業者も同じだろうと思われがちです。
しかし、不動産業者の能力次第で売却額に明確な差が出ます。
同じ不動産屋であっても「売買専門の不動産屋」と、「売買と賃貸をしている不動産屋」と、「賃貸専門の不動産屋」がいます。
当然、売買専門の不動産業者の方が、取引経験やノウハウは多くなります。
また、不動産業者の中でも扱う物件に得意不得意があります。
マンション、戸建て、土地、ビル、投資物件、店舗、農地など、それぞれどの分野をメインに売買を行っているかは業者によって異なります。
そのため、戸建ての売買がメインだけど、手続きはほとんど変わらないから片手間でマンションも扱う、といった不動産屋を頼ってしまえば売却価格には期待できません。
つまり、マンションを高く売却するには「マンションの売却に特化した業者」を選ぶことが必要条件ということです。
8-2. 不動産業者に必要な3つの能力
「マンションの売却に特化した業者」の中でも、特に重要な能力が3つあります。
それは、
「ターゲットを適切に選び出す能力」
「ターゲットに響く広告を作成する能力」
「広告をターゲットの目に触れさせる能力」
の3つです。
「ターゲットを適切に選び出す能力」とは、地域や周辺環境、間取りなどからどの属性からの需要が最も高いかを見極める能力です。
「ターゲットに響く広告を作成する能力」とは、ターゲットとなった属性が広告を見て「この物件は気になる!」と内覧者の意欲を高められる広告を作る能力です。
「広告をターゲットの目に触れさせる能力」とは、広告をターゲットがよく目にする位置に、効果的に配置する能力です。
つまり、「マンションの売却に特化した業者」であり、なおかつこの3つの能力を持っている営業マンと出会うことができれば、高額売却に期待できるということです。
8-3. 本当に優秀な不動産業者を見つける方法
問題は、はたから見ても不動産業者の能力があるのかどうかはわからないということです。
お店の外から中を覗いても分かりませんし、ネットで口コミなどを検索してもサクラなどを仕込まれている可能性も否定できず、信頼できる情報だとは限りません。
そのため、優秀な不動産業者は自分で見つけるしかないのです。
ただ、安心してください。
その方法は消して難しくありません。
やることは単純で、同時に複数の不動産業者から査定を受けるだけでいいのです。
基本的に優秀な不動産業者は売却する自信があるため、同時に査定をすると必然的に他の不動産業者よりも高い査定額を提示します。
つまり、複数社同時に査定を受けるだけで優秀な不動産業者を見つけることができるのです。
できれば、最低でも5社は査定を受けておくことをおすすめします。
そして、その5社から出た査定額を平均すれば、それがプロから見た所有しているマンションの相場です。
その金額をベースにすることで「査定額が相場より安い会社」と「査定額が相場より高い会社」を簡単に見分けることができます。
不動産業者は気になっている会社があれば、そこから査定を受けてみましょう。
5社や6社も気になる会社がないという場合は、無料で使える不動産一括査定サービスを併用してみてもいいでしょう。
例えば、マンションナビであれば、マンションの売買に意欲的な業者が集まっているので、より優秀な優秀な業者を見つけられる期待ができます。
もちろん、他の不動産一括査定サービスを使ってみても問題はありません。
とにかく、同時期に複数から同時に査定を受ける。
これが、相場より安く売ってしまう可能性を回避し、できるだけ高く売るためにできる、一番簡単で確実な方法です。
8-4. ただし査定額には注意が必要
ただし、一番高い査定額の不動産業者がいいというわけではありません。
中には、売買の仲介契約のノルマを達成するためだけに、売れもしない高い査定額を提示するような不誠実な営業マンも少なからず存在します。
そのため、明らかに1社だけ飛びぬけて高い場合は注意が必要です。
もちろん、その価格で売れるという可能性も0ではありません。
しっかりと届いた査定書の「査定根拠」をよく読み、より具体的で、より丁寧にその価格をつけた理由を説明しているかをチェックしましょう。
ですから流れとしては、
①マンションナビで一括査定を受ける。
②メールや郵送で提示された査定額を見比べる。
③2~3社ほどに絞って実際に家に来てもらい査定を受ける。
④実際に営業マンと話して人間を見る。
⑤契約を結ぶ1社を決める。
のようにすることで、優秀な不動産業者と出会える可能性が高くなります。
少なくとも、1社にしか相談せずに売買の仲介契約を結ぶのは絶対にやめましょう。
1社では比較対象がないため、その業者の査定額が高いのか安いのか分かりませんし、その業者の対応が丁寧なのか雑なのかも判断できません。
不動産の売却は額がでかい分、売却完了後に「もしかしたら他の不動産屋に頼った方が高く売れたんじゃないだろうか」と後悔してしまうという人も少なくありません。
少しでも高く、そして後悔のない売却のために、必ず複数社から査定を受けるようにしましょう。
9. どうしても売れないという場合は買取業者へ
売却を開始したものの全く売れる気配がなく、時間がなくなってしまったという場合は、不動産買取業者というのも一つの手です。
先に買取業者を使うデメリットをお伝えすると、相場と比べて安い値段でしか売れないということです。
一般的に相場の80~70%程度の価格での買取になってしまうと言われています。
3000万円の物件の場合は2400万円~2100万円くらいでの買取価格が目安となります。
「買取してリフォームを行い売却する」という一連の中で、かかった費用や利益を出すために80~70%程度の価格になってしまうのです。
それに対して、メリットもあります。
ひとつは、素早い売却が可能になるという事です。
一般の売却では平均3か月ほどの時間がかかりますが、買取の場合は1週間前後での売却が可能となります。
もう一つは、売却後に責任が一切なくなるということです。
一般の売却では、基本的に契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)によって、事前に説明されてない欠陥が一定期間内に見つかった場合、売った人が責任を負う必要があります。
しかし、売却した相手が不動産業者の場合はその責任を負う必要が一切ありません。
つまり、売却後にトラブルになるリスクがなくなるのです。
買取は価格が安くなってしまいますが、どうしても売れないという買取専門業者を頼るという手もあります。
ただし、もしかしたら不動産業者の能力不足や、努力不足によって売れていないという可能性も十分にありえます。
実際に、不動産業者を変えただけですぐに売却できてしまったというケースも少なくありません。
買取という最後の手段を選ぶ前に、一度、「仲介を依頼する不動産業者を変える」という選択肢も持つようにしましょう。
10. まとめ
築20年のマンションは相場よりも高く売れる可能性が十分にあります。
特に、不動産市場が加熱しているいまのような状況であれば、その可能性は各段に上がります。
ただし、今後不動産市況が冷え込む可能性もあるうえ、築20年という築年数は高額売却が狙えるギリギリのラインであるとも言えます。
後悔をしてしまわないように、売却するタイミングを逃さずに、優秀な不動産業者と出会えるように早めに動いていきましょう。
10-1. おすすめの不動産一括査定サイトは「マンションナビ」
もし、まだマンションの査定を受けていないという人は、一度マンションナビを使ってみることをおすすめします。
というのも、マンションナビは
・マンションに特化した一括査定サービス
・完全無料で使える
・最大9社から査定結果が届く
・45秒ほどの時間で終わるのでかんたん
・360万人の利用実績がある
となっており、「とりあえずマンションの資産価値を知りたい」という人や「初めてマンションの査定をしてみる」という方、また「不動産屋に査定してもらったけど査定額に納得がいかない」という方などから好評となっています。
もしも、特にあてがないという場合は使ってみてはいかがでしょうか。