売却査定

マンション売却で訪問査定を受ける際の注意点と、机上査定の使い分け

マンション売却において査定額はとても重要です。

いくらの査定額がつくかによって、販売戦略や次のマイホームの資金計画、人生設計にまで影響が出てきます。

ただし、マンションの査定は他の業界とは少し異なっており、初めてマンションを売却する人は勘違いをしてしまっている事も少なくありません。

そこで、この記事では

  • マンション売却における査定の意味
  • 訪問査定と机上査定の効果的な使い方
  • 査定における要注意ポイント

などを解説していきます。
最後まで読んで、ちょっとちた勘違いで何百万円も損をしてしまうことがないようにしましょう。

1. 査定には机上査定と訪問査定の2種類がある

まずは、絶対に理解しておかないといけない「マンション売却における査定の基本」を軽く説明します。

私たちの身近にある査定は、例えば中古車やバイク、古本などの買取査定です。
これは基本的に買取業者がお金を支払い、あなたから買取る場合の査定額が提示されます。

それに対してマンションの査定の場合は、不動産業者は直接買取るわけではありません。
あなたのマンションを欲しいというお客を見つけてくる仲介業務を請け負うのが不動産業者の仕事です。

つまり、マンション売却における査定額というのは業者が「これくらいの価格であれば買い手が現れるであろう」という予想価格ということです。
必ずその価格で売れるわけではなく、安くも高くもなるということは理解しておきましょう。

補足ですが、車やバイクのようにマンションを買取る業者もいます。
しかし、買取の場合は良くて7~8割り程度での買取になるため、「今すぐに手放さなくてはいけない」「需要がなく買い手が現れない物件」などの理由がない限りは仲介が選ばれます。

続いてはマンション査定の種類「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定」について詳しく解説していきます。

1-1. 机上査定(簡易査定)とは

机上査定とは、業者がマンションを見ることなく査定額を算出する方法です。

訪問査定と比較して簡易的な方法ですが、マンション情報や周辺の現在の取引状況、過去の取引事例、不動産市場の動向、経験などを踏まえるため、それなりに精度の高い査定です。

そのため、とりあえず情報を集めたい場合や、おおまかに査定額を知りたい、または訪問査定を依頼する業者を選ぶために使うという方に選ばれます。

簡易査定は一般的に、1~2日程度で査定額が提示されます。

メリット早くて楽にある程度現実的な価値を知ることができる
デメリット実際に売り出す価格と乖離する可能性もある

1-2. 訪問査定とは

訪問査定とは、業者が実際にンションを訪れたうえで査定額を算出する方法です。

机上査定で使った情報に加え、実際にマンション全体の状態や室内設備の状態、周辺の環境などを細かくチェックしたうえで査定額を提示されます。

売却を決めたら必ず受ける必要があるもので、この査定額をベースに売り出し価格を決めていくことになります。

また、不動産業者の担当者の人となりをチェックする大切な機会にもなります。
印象はいいか、仕事が早いか、こちらの話(要望)を聞いてくれるか、信頼できそうか、などのチェックは業者選びにおいて極めて重要です。

訪問査定をしてもらう際は査定額だけではなく、営業マンの対応の様子もよく見ることが大切です。

なお、訪問査定は一般的に1週間程度の時間がかかります。

メリット具体的で売却に出す際の指標となる価格を把握できる
業者の対応で信頼できるかの判断材料となる
デメリット実際に業者を招くので机上査定よりも手間(時間)がかかる

1-3. 机上査定と訪問査定のどちらを選ぶべきか

どの査定をするべきなのかは、あなたの置かれている状況に応じて決めるようにしましょう。

まず、売却期限まで余裕がある場合は、まずは机上査定を受けてみましょう。

机上査定を受けてみて、できるだけ多くの不動産業者から情報を集めて精査してください。
その上で業者を厳選し、訪問査定を受けるようにしましょう。

逆に、売却時間まで迫っているような場合は、最初から訪問査定を受けましょう。
目安としては、3ヶ月以内に売らなくてはいけないような場合は、すぐに訪問査定を受けるようにしてください。

あまり知られていませんが、マンション売買における査定額というのは、基本的に「3ヶ月あればその値段で売れるであろう予想価格」だからです

売却にかけられる期間が短ければ短いほど、安めに売り出さないと買い手が付かない危険が高まります。
そのため、時間があまりないという場合は1秒でも早く査定を受けましょう。

次の休みまで時間が空いてしまうような場合は、有給休暇をとってでも早めに受けることをおすすめします。

また、査定額は不動産業者によって差が出ます。
数十万円~数百万円変わることは珍しくないため、必ず複数の会社から査定を受けることをおすすめします。

1-4. 査定を受ける業者が決まっていないという場合

急ぐと言っても雑に業者を探してしまえば、賃貸業がメインだったり、戸建の取り扱いが得意な業者を選んでしまう危険もあります。
その場合は、マンションに特化した不動産一括査定サービスのマンションナビを使ってみてください。

24時間いつでも申し込みが可能で、完全無料で査定依頼をすることができます。

あなたの状況に応じて
「まずは机上査定の結果をメールでお願いします」
「売却まで〇ヶ月しか時間がないので、できるだけ早めに訪問査定をしていただきたいです」

などと記入して、業者と不必要な連絡をせずに話を進めていきましょう。

2. 訪問査定で価格に影響するポイント

マンション売却でどのようなところが査定に影響を与えるのかを見ていきましょう。

2-1. 築年数

築浅の方が高く売れる傾向にあります。
また、耐震基準を満たしているかも重要です。
1981年以前の建物は旧耐震基準のため、住宅ローンの審査が厳しいためです。

2-2. 専有面積・間取り

マンションは基本的に「平米単価×専有面積」を基準点に、他の要因を加味して価値を判断します。
単純に広ければ価値は高くなりますし、狭ければ価値は下がってしまいます。
また、需要の高い間取り(ファミリー向けの3LDKなど)は、比較的平米単価が高くなる傾向にあります。

2-3. 階層・方角・眺望

マンションは階層が高く、眺望のいい部屋ほど価格が高くなります。
また方角もとても重要で、日当たりのいい南側は高くなり、日当たりの悪い北側は安くなりがちです。
ただし、傾向としては、真南が一番高いわけではなく、南に面した角部屋(南西や南東など)がもっとも高くなります。

2-4. 立地

マンションが駅から徒歩何分か、近隣に便利な公共施設があるか、周辺の住環境(公園や緑は多いか)、交通量や学区はどこなのかなどによって価格は変わってきます。
利便性が高ければ価値は高くなり、不便であったり治安が悪い場合は価値は低くなります。

2-5. マンションの管理状態

エントランスや階段、エレベーター、ゴミ捨て場といった共用部の清掃やメンテナンスが行き届いているか。
また。管理人が常駐しているか、セキュリティは高いかなどで、マンションの価値は変わります

2-6. マンションのブランド(施工会社や販売会社)

施工業者が大手のゼネコンの場合や、売主が大手企業の場合、買主にとって安心材料となり、需要が少し高くなる傾向があります。

2-7. 室内の痛みや設備の状態

室内の壁や床などの傷みや汚れ具合、食洗器やディスポーザーなどの設備があるか、などは査定額に影響を与えます。
ただし、詳しくは後述しますが、査定前にわざわざリフォームするなどの対処は不要です。

2-8. 管理費や修繕積立金

管理費や修繕積立金は購入者にとって固定費となるため、高すぎる物件は避けられる傾向にあります。

2-9. 駐車場の有無

地域にもよりますが駐車場に空きがある物件や、駐車場代が安い物件、近くに月極駐車場がある物件は需要が高くなる場合があります。
自分が車を所有していない場合も、マンションの駐車場に空きがあるか、周辺に駐車場があるかを確認しておくようにしましょう。

3. 査定価格を高くする方法はある?

マンションを売却するうえで、”査定額ができるだけ高くなるようなコツ”があれば知りたいという方も多いでしょう。
しかし、ここで一つ勘違いをしてはいけないことがあります。

それは、最も重要なのは「最終的に残るお金を多くすること」だと理解することです。

査定額をいくら高くしても、実際に売れる価格が高くならなければ意味はありません。
また売れる価格が高くなったとしても、そのためにかかったお金が多ければ本末転倒です。

例えば、リフォームやハウスクリーニングが最たる例でしょう。

3-1. 査定前のリフォームやハウスクリーニングは不要

リフォームは売却価格を高くするためにできる、最も効果的な方法と言えます。
しかし、本当にリフォームが必要かどうかは別の話です。

例えば、そのままで3000万円で売れる物件を500万円かけてリフォームをしたけど、3300万円でしか売れなければ200万円の損ですよね。

つまり高く売却するためにお金をかける場合、かけたお金以上の金額UPで手放せなければ、最終的に手元に残るお金は少なくなってしまうのです。

そのため、むやみやたらとリフォームをするのは悪手と言えます。
信頼できる不動産業者を見つけたうえで、その業者と話し合い「リフォームをしたほうが良い」と判断される場合にのみリフォームを検討するようにしましょう。

また、ハウスクリーニングをする場合は、売却を開始するタイミングで行いましょう。
綺麗な台所を見て欲しい相手は業者ではなく、マンションを買ってくれる可能性のある内覧者です。

査定の時点でハウスクリーニングを入れ、売却開始した頃には汚れてしまっていたら、無駄なクリーニング代となってしまうでしょう。

3-2. お金をかけずにできるだけ高く売る方法

では、事前にできる「少しでも高く売る方法」はないのかというと、誰でもできる方法があります。

それは信頼でき、利益を最大化できる”出来る不動産業者”を見つけるという方法です。

マンション売却というのは、不動産業者の能力次第で売却結果が変わってきます。
実際にいくつかの不動産業者から査定を受けるとわかりますが、査定額に数十万円~数百万円の差がでることは珍しくありません。

なぜ同じマンションの査定にそこまでの差がつくのかというと、不動産業者にも得手不得手ががあるからです。

売買がメインの業者と、賃貸業の片手間に売買をしている業者ではノウハウや実績に差が出ます。
マンションが得意か、戸建や土地を得意としているかでも差が出てきます。
また、あなたのマンションのある地域にどれだけ精通しているか、ローカルな繋がりがあるかでも異なります。

そのため、同じ不動産業を営む業者でも、会社が変われば結果は異なります。
もっと言えば、同じ会社の中でも担当者の能力次第で売却結果は変わります。

そのため、できるだけ高く売却するには、マンション売却を得意とする営業マンと出会うことが重要なのです。

3-2-1. マンション売却に有利な営業マンと出会う方法

不動産売買の素人が優秀な営業マンを見つけるには、とにかく比較検討をする方法が最も確実でしょう。

とにかく何社からも査定を受けることで、査定額の差はもちろん、営業マンの対応にも差が見えてきます。

まず、注目するのは査定額です。
基本的に高く売る自信がある業者ほど、査定額が高くなる傾向があります。

ただし、中にはアナタからとりあえず媒介契約を取るためだけに、あえて高く査定額を付ける業者もいます。
そのため、査定額だけでは絶対に業者を決めてはいけません。

では、どこに注目すればいいのかというと、営業マンの人となりを見ましょう。

  • 営業マンの身だしなみや話し方などの第一印象はいいか
  • 訪問時間や連絡方法などの約束を守っているか
  • 査定額の根拠をしっかりと説明するか
  • 素人でもわかる説明をしているか
  • こちらの要望をしっかりと聞いてくれるか
  • 質問に対して「慣習です」「そういうものです」と説明を放棄しないか
  • わからない事はわからないと答え後で調べて回答してくれるか

これらをチェックしたうえで、最終的にはあなたの気持ちとして「この人なら信頼できる」という営業担当者を選びましょう。

3-2-2. マンション売却を得意とする業者を見つける方法

営業マンを見極める方法を知っても、マンション売却が得意な業者を見つける方法がわからないという方もいるでしょう。

そういった方は無料の不動産一括査定で、マンション売却専用のマンションナビを使ってみることをおすすめします。

利用者数も360万人を超える老舗サービスなので、よくわからないサービスよりも安心して利用できるかと思います。

4. 訪問査定のために準備しておくこと

訪問査定は、実際に不動産業者と対面して査定をしてもらうことになります。
そのうえで、あなたが準備しておくべきことを解説していきます。

4-1. 最低限の整理整頓清掃

業者が室内を見て回るうえで支障になるくらい散らかっていていたり、入れない部屋、開けられない扉があるとちゃんとした査定ができません。

室内をピカピカにする必要はありませんが、室内を全て見て回ることができる程度には整理整頓をしておくようにしましょう。

4-2. マンション購入時にもらった資料の準備

マンションに関係する資料を準備しておくことで、不動産業者はスムーズに、より詳細に査定をすることができます。
また、売却時に買主に引き継ぐ資料もあるので、早い段階でまとめておくようにしましょう。

資料は、

  • パンフレット
  • 間取り図
  • 購入時に受け取った設計図書
  • 設備の仕様書
  • 購入時の契約書
  • 重要事項説明書
  • 管理組合の関係書類
  • 登記簿謄本

あたりを準備しておくといいでしょう。

4-3. 近所の目が気になる場合は事前に相談しておく

付き合いなどの関係から、あまり近所の人に売却することがバレたくないという方もいるでしょう。

不動産一括査定サービスなどを使ってもバレませんが、備考欄に「近所に知られたくないため、訪問査定時はバレないようにお願いします」と一言記入しておき、配慮をしてもらいましょう

もし、売却活動自体を近所にバレないようにする場合、ネット広告などに出せないということになります。
これは、かなり売却に不利となるため、よほどの事情がない限りは近所にバレない売却はおすすめしません。

4-4. 自分が住んでいた時のマンションの魅力をまとめる

自分が住んでいてとても魅力的に感じたこと、便利に感じたことなどを書き出しておきましょう。
どうしても、訪問査定だけではわからない魅力というものがあります。

例えば、通常は昼間に業者が来て査定をするため、夜景が綺麗だということはなかなかわかりにくくなります。
他にも商業施設の利便性や、住んでいないとわからない魅力をできるだけ書き出しておきましょう。

5. まとめ

訪問査定というのは査定額がわかるだけではなく、どの業者を頼るべきなのかを決める大切な時間です。

価格だけに注目してしまわず、担当者の人となりをよく観察しましょう。

数千万円以上の資産売却を頼る相手です。
思ったように売却が進まない時、信頼できる担当者を見つけられていないと多大な不安を感じ、想像を超えるストレスを感じてしまいます。

スムーズに、心穏やかに、そしてできるだけ高く売却活動を終えるために、しっかりと複数社から査定を受けて徹底的に担当者を比較しましょう。

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