マンションの売却理由が「離婚」は不利になる?どこまで伝えるべき?

離婚をきっかけにマンションを売却する方は多いですが、中には「離婚が原因でマンションを売却したら不利になるのでは?」と悩む方も多いでしょう。

こちらの記事ではその疑問に答えつつ、離婚時のマンション売却の注意点にも触れていきます。

ぜひ最後まで読んで、離婚時のマンション売却にお役立てください。

1. 売却理由が「離婚」だと値下がりする?

「離婚」が原因で売却となると、なんとなく相手から悪い印象を持たれるのでは、と不安になる人も多いでしょう。

しかし、結論からお伝えすると、売却理由が離婚だからといって安くなるということはありません。

確かに縁起を重視する人や、ゲンを担ぐ人からすると「離婚」という売却理由はいい理由とは言えないでしょう。
場合によっては、忌避されてしまうケースも少数ながらあります。

しかし、実際にマンションを探している大多数の人からすると、離婚が原因だからと言って「安くしろ」というようには考えません。

その理由は主に二つあります。

1-1. ①離婚が原因で売り出される物件は少なくない

安くならない理由の一つは、離婚による売却はよくあることだからです。

厚生労働省発表の「平成30年(2018年)人口動態統計の年間推計」では、平成30年の婚姻数59万組に対し、離婚数は20万7千組という調査結果が発表されました。
数字からわかるように、3組に1組が離婚すると言われるような現代では、離婚は珍しくありません。

その結果「離婚」をきっかけに売りに出される不動産も増え、特に珍しくもない売却理由の一つと認知されるようになりました。
そのため「離婚」という売却理由が原因でマンションが安くなるというケースはほとんどありません。

1-2. 逆に物件のアピールポイントになることも

安くならない理由のもう一つは、離婚が原因というのは「建物自体には問題がない」と思われるからです。

購入検討者にとって、マンションの欠陥は重視するべきことがらです。
人生で最大の買い物となるケースも多く、当然、失敗したくないと考えます。

そのため「なんでこの物件を売るのだろう」「何か欠陥があるのではないか」と疑心暗鬼になる人もいます。
そんな時、売却理由が「離婚」だとわかると、マンション自体には問題はないのだけど、離婚で仕方なく売るんだと伝わります

騒音問題や近隣住民に問題があったりするわけではなく、家庭の問題での売却の方がマンションに対する信頼感が上がるのです。

2. 「離婚」による売却は理由を伝えないといけない?

「離婚が原因」ということを伝えても問題はないとは言っても、やはりあまり知られたくはないという方もいるでしょう。

そこで次は、

  • 売却理由が離婚だということは伝えなくてはいけない?伝えなくてもいい?
  • 売却理由が離婚だということは伝えたほうがいい?伝えないほうがいい?

というテーマで解説をしていきます。

2-1. 契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)に注意

マンションの売却には「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」というものがあります。

契約不適合責任とは、契約時に説明されなかった欠陥が購入後に発覚した場合は、売主が責任を負わなくてはいけないという決まりです。

もし、欠陥が発覚すると売主は「補修費用の支払いや、代金の減額、損害賠償請求または契約の解除」に応じる必要が出てきます。

つまり、欠陥は契約する時点で必ず伝えておかなければ、後々賠償金を払ったり、契約がなかっとこにされてしまう危険があるということです。

では、売却理由は「離婚」というのは、事前に伝えておかないといけないことなのでしょうか。

2-2. 「離婚」は絶対に伝えなくてはいけないわけではない

結論から言うと、離婚が原因で売却することは、相手に必ずしも伝える必要はありません。

そのため、場合によっては売却理由を「実家の両親の介護のため」などと、別の表現で伝えるようなケースもあります。

ただし、買主側が「離婚が原因のマンションは買わない」と名言しているような場合に、離婚をかくして売却すると問題となる可能性があるので、伝える必要があります。

2-3. 担当の営業マンには伝えるべき


買主に対しては絶対に伝えなくてはいけないわけではありませんが、不動産業者の営業担当には伝えておくことをおすすめします

理由は二つあります。

一つは、売却理由が離婚だからといって査定額が低くなることは普通ないからです。

査定を受けて金額を提示してもらって「実は離婚で売却するのですが」と伝えても、価格が下がるようなことはありません。
もし下がるようなことがあれば、売却スキルのない業者か、悪意のある業者なので逆に頼らないようにしましょう。

もう一つの理由は、不動産業者が売却理由を把握できていないと、内覧者に適材適所で説明ができないからです。

例えば、上で説明した「離婚が原因ということは、物件には問題がない」というせっかくのアピールポイントが使えません。
それだけではなく、買主が「離婚原因の物件は買わない」と業者に伝えても、業者が「離婚が原因」と知らなければ、その買主をあなたの物件に案内してしまいます。

つまり、売主と買主のミスマッチが起きてしまうのです。

契約が進んでいるどこかのタイミングで「実は離婚……」という話になれば、契約はご破算となりそれまでにかかった手間や時間などが全て無駄になってしまいます。
売買契約締結後であれば、契約不適合責任を負わなくてはいけなくなってしまう可能性もあります。

変に勘繰られて怪しまれたり、嘘をついて信頼関係を失ってしまわないためには、まずは営業担当には必ず伝えましょう。

そして、内覧者の状況に応じて、「離婚」を伝えるべきか、伝えないべきかの判断を仰ぎましょう。

2-4. 離婚が原因のマンション売却は営業担当の選び方が重要

離婚時のマンション売却は、何よりも不動産業者の能力が重要です。

また、離婚時のマンション売却に携わったことのある営業担当の方が、できるだけ高く売却できる可能性は高くなるでしょう。

では、どうやって自分たちのマンションを高く売れる業者を見つければいいかというと、複数の不動産業者を頼ってみるという方法を使えばいいのです。

マンションの売却に慣れていない人では、1社から査定を受けてもその査定額が高いのか安いのか、営業マンの仕事は丁寧なのか雑なのかを見分けるのはとても難しいものです。

しかし、2社、3社と査定を受けて、査定額と対応を見比べることで、徐々に業者の善し悪しが見えてくるようになります。

おすすめの査定方法は、

  1. 不動産一括査定サービスなどを使い、5~7社から簡易査定(実際に現地には行かずに情報から査定をする方法)を受ける。
  2. その中から査定額の上位3社から訪問査定(実際に家に来て細かく査定する方法)を受ける。
  3. 査定額と査定時の担当者の対応を比較して、最も信頼できそうな業者と媒介契約を結ぶ。

訪問査定時のチェックポイントを一覧にしましたので、実際の訪問査定時の担当者チェックの参考にしてください。

担当営業が宅地建物取引主任者の資格を持っているか
査定額を提示後に「離婚が原因」と伝えて値下げをしないか
身だしなみ、マナーが良く、待ち合わせの時間などを守るか
メールや査定書に誤字や脱字が目立たないか
こちらの話にしっかりと聞いてくれるか
専門用語を使わずにわかりやすい説明をするか
明確な売却戦略のビジョンを持っているか
頑張る、任せて、大丈夫という根拠のない気合だけを口にしていないか
質問に対して「こういうものです」「これが慣習です」と回答しないか
質問に対してわからないことを分からないと正直に言うか
持ち帰った質問にしっかりと後で回答をくれるか
メリットだけではなくデメリットの部分も説明してくれるか

不動産一括査定サービスを使う場合は、できるだけマンション売却に有利なサービスを使うようにしましょう。

不動産一括査定サービスがよくわからないという方は「マンションナビ」というサービスをおすすめします。

このサービスは

  • 完全無料
  • マンションに特化している
  • 1分程度でかんたん
  • 簡易査定が受けられる
  • 利用者数が360万人と安心して使える

といった特徴があります。
査定を受けたい業者が5社もいないという方は、とりあえず試してみてもいいでしょう。

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3. 離婚時のマンション売却の注意点

離婚時のマンション売却では、理由を伝えるか伝えないか以前に注意しなくてはいけないことがあります。

それは「マンションの名義」と「ローンの残債」についてです。

どういうことか詳しく解説していきます。

3-1. マンションが共有名義の場合は要注意

マンションの名義が共有名義(夫と妻の両者が名義人)となっている場合は注意が必要です

理由は、共有名義のマンションは売却時に両者の同意が必要となるからです。

自分はマンションを売却するつもりであっても、相手が同意をしてくれない場合は売却することはできません。
住み慣れた家から出ていきたくないと反対されるケースも少なくないです。

また、別居をしていたり、一切口を聞かないほど関係が悪化している場合はすこし厄介です。
というのも、険悪な関係になっている場合などは、ただ「相手の意見を聞くのが嫌だ」という理由だけで売却に同意しないケースがあるからです。

もし売却に同意が得られず、やむを得ずマンションを所有し続けた場合、様々なトラブルに巻き込まれる可能性があります

もし所有し続けることになったら、どのようなトラブルが発生しうるのかについて解説していきます。

3-2. 所有権に関するトラブル

マンションの名義が共有名義のままだと、所有権は元夫と元妻がそれぞれ持つことになります。

例えば離婚成立後に元夫が別の女性と再婚し、その後死亡したとします。
すると、マンションの所有権が元夫の再婚相手に移ります。
結果、赤の他人と自分が一つのマンションの所有者となります。

もし新しい家庭で子どもができれば、さらに所有者の人数が増えますし、再婚してなくても元夫の両親が健在であればそちらに所有権が移ります。

そうなると、いざ売却しようとしたときに所有者全員に同意をもらわなくてはいけなくなりますし、連絡先がわからなければ同意をもらう事すらできなくなります

また、その赤の他人が現金での相続を要求した場合は、自分の預貯金を切り崩したり、マンションを売却してお金を作らなくてはいけなくなる可能性もあります。

そのため、共有名義のマンションは売るのが惜しいと思っても、売却したほうがいいでしょう。

3-3. 住宅ローンの連帯保証人に関するトラブル

例えば元夫が債務者で、元妻が連帯保証人になっているケースだと、元夫が病気や事故、失職などにより返済が困難になると、連帯保証人である妻に支払い義務が生じます。

離婚をしていても、そのマンションに誰が住んでいても、連絡を一切とっていなくても関係ありません。
契約上で連帯保証人となっている限りは、債務者が返済に困れば連帯保証人が代わりに返済しなくてはいけません。

もし「一括返済請求」がくれば、お金を作って一括で返済しなくてはいけません。
お金が足りず、一括返済に対応できなければ、自己破産も余儀なくされるでしょう。

つまり、離婚後に元夫が自己破産をすれば、道連れで元妻も自己破産に追い込まれてしまう危険があるという事です。

離婚後に新しい生活を始め、その生活が幸せなものとなっても、連帯保証人でいる限りは突然の大金の返済義務が生じる可能性はなくなりません。

そのため、債務者と連帯保証人が元夫と元妻となっているローンのマンションは、売却できるなら売却したほうがいいでしょう。

3-4. ペアローンで購入したマンションは一番危険

ペアローンでマンションを購入している場合、夫婦で互いに連帯保証人となっているケースがほとんどです。

また、ペアローンだとマンションの名義も共有名義となっているケースがほとんどです。

つまり、ペアローンだと上記したトラブルの全てに巻き込まれる可能性があり、所有し続けるのには相当のリスクがあるということです。

そのため、ペアローンのマンションは売却を最優先に考えるべきです。

3-5. 「住宅ローンの残債」によっては売却できない

ローンやマンションの名義に、お互いの名前が使われている場合はできるだけ売却したほうがいいでしょう。

しかし、残っている住宅ローンの残債によっては、売却することができない可能性があります。

住宅ローンが残っているマンションを売却する場合は、残っているローンを一括返済する必要があります。
この時、一般的にはマンションを売却したお金で、残っているローンを一括返済します。

通常、「アンダーローン」という、マンションの売却金額がローンの残債よりも多い状態であれば、売却金で一括返済できるのできるため売却ができます

それに対して「オーバーローン」という、マンションの売却金額よりもローンの残債が多い状態だと、一括返済ができないため売却させてもらえなくなるのです

「売却させてもらいない」というのは、ローンを組んでいる金融機関が売却の許可を出してくれないという事です。

なぜ、金融機関の許可がないと売れないかというと、マンションに「抵当権」を設定しているからです。
「抵当権」とは、ローンの返済滞った際に、その物件を差し押さえて貸したお金の回収をすることができる権利です。

要するに、金融機関はマンションを担保にお金を貸しているため、その担保を勝手に売却してはいけないということです。

こういった流れで、売ろうにもオーバーローンとなってしまい、金融機関から売却許可が下りないというケースがあります。

離婚後もマンションをどちらかが所有し続ける必要があり、離婚後も元パートナーと経済的に繋がったままとなってしまうのです。

4. オーバーローンにならないか調べる方法

自分のマンションがアンダーローンなのか、オーバーローンなのかまだ調べてないという場合は、かんたんにチェックする方法をお伝えします。

やり方はかんたんで「住宅ローンの残債」と「マンションの価値」の二つの数字を計算すればいいだけです。

では、それぞれの数字をどうやって調べたらいいのかを紹介します。

4-1. 住宅ローンの残債の調べ方

住宅ローンの残債を調べる場合は、定期的に金融機関から郵送されてくる「返済予定表」または「残高証明書」を確認しましょう。

もし、書類を紛失してしまったという人は、金融機関の担当者に連絡をとり、今のローンの残額を確認しましょう。

4-2. マンションの価値の調べ方

ひとつ、勘違いをされている方がたまにいますが、マンションの価値は買ったときの値段ではなく、いま売ったらいくらになるかで計算しなくてはいけません。

いくらで売れるかを調べるには、不動産鑑定士に鑑定を依頼するか、不動産業者に査定を依頼するという二つの方法があります。

ただし、不動産鑑定士に鑑定を依頼する場合は、一般的な住宅で数十万円の鑑定料がかかります。

そこで、必要のないお金をかけたくないという場合は、不動産業者から無料査定を受けて査定額を確認しましょう。

マンションナビ」という無料の査定サービスであれば、ネットから1分程度で査定依頼ができるので、とりあえず試してみてもいいでしょう。

そして、「住宅ローンの残債」と「マンションの価値」を比較し、自分のマンションがアンダーローンなのか、オーバーローンなのかを早めにチェックするようにしましょう。

いくら夫婦で財産分与について取り決めをしても、そもそも金融機関から売却が許されないという可能性もあるので、何よりも先にチェックするようにしましょう。

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5. オーバーローンになってしまった場合

もしオーバーローンになってしまった場合、絶対に売却できないかというとその限りではありません。

一つは、マンションの売却金では足りない分を、その他の資産で補填することができれば売却することができます

他の資産とは、現金や預貯金、有価証券、車や貴金属、宝石などの高価な資産をのことで、それらを現金化しローンを一括返済ができるようであれば大丈夫です。
親族などからお金を借りるという方法を使うケースなどもあります。

また、経済力がある人の場合は、フリーローンなどで別に新しいローンを組んで、そのお金で足りない分を補填するという方法もあります。

そして、よく使われる方法の一つに任意売却という手段もあります。

5-1. 任意売却とは

任意売却とは、残債を一括返済できず、本来は売却が許されないマンションを、特別に許可をしてもらい売却する方法です。

この場合、借金は残ってしまいますが、基本的には確実に返しきれるように無理のない返済プランで返済を続けていくことができます。

たまに競売のことだと認識している方がいますが、競売とは全く違います

競売は滞納の末に裁判所の権限において差し押さえ、強制的に売却をする方法です。
売却額も相場の70%前後になると言われており、官報で競売情報として第三者に見られてしまう状態になります。
競売は借金が多く残ってしまうケースも多く、自己破産へと繋がりやすいものです

それに対して任意売却は、特別に許可をもらうという点以外は通常の不動産売却とほぼ同じであり、相場前後での売却が可能となります。
そのため、残る借金も競売と比較してかなり少なくなります。また、官報などに載ることもありません。

競売と任意売却は全く別のものであり、その後の人生も大きな違いが出てくるでしょう。

ただし、注意が必要なことは、任意売却の許可が出るかどうかは、金融機関の判断次第だというところです。

どんな事情や言い分があったとしても、住宅ローンの契約時の取り決めが何よりも優先されます。

金融機関が「許可できません」と言えば、売却できません。

そのため、早めに「住宅ローンの残債」と「マンションの価値」を調べ、オーバーローンになってしまわないかをまずは確認しましょう。
そして、オーバーローンになってしまうことがわかったら、早めに金融機関に相談をするようにしましょう。

6. まとめ

離婚時のマンション売却は、優秀な不動産業者を見つけることが重要となります。

優秀な業者であれば、離婚という売却理由を上手く使い、物件の信頼性を高めることも可能となります。
その信頼性は売却価格を上げる要因ともなるため、優秀な業者を見つけることが高額売却に直結するとも言えます。

もし、少しでも高く売れれば、財産分与での取り分は多くなりますし、オーバーローンになりかねないマンションがアンダーローンとなるケースもあるでしょう。

そのため、1社にだけ頼ることは絶対にせず、できるだけ多くの業者を頼り、査定額や担当者の対応などを比較検討することが大切です。

そして少しでも高く売却し、離婚後の新しい人生に余裕をもってスタートできるようにしてください。

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